[82]ピッシリ山(1032m )[羽幌コース] 96、8、7(水)

天塩山地の最高峰に敬意を表して、快適な手入れの行き届いた稜線を辿る」

2:30 札幌(妻の実家)発
5:30  羽幌営林署
7:00  登山口
登山地点下山
7:15
7:50
8:30
9:10
登山口
展望台
滝分岐
頂上
11:00
10:30
10:00
9:40
(3 :00) 所要時間(1 :40)
12:00 羽幌営林署
14:30 稚内着
 快適な稜線の道天塩山地の最高峰で、道北では珍しい1000m を越す山である。利尻山登山の途中に寄ってみることにする。留萌から北は初めての走行である。白々と夜の明けた日本梅に浮かぶ天売・焼尻の島を見ながら北上する。前日、電話をしてお願いしておいた林道ゲートの鍵を借りるために、まず羽幌営林署へ向かう。
 
 林道へ入ってから登山口までの道を間違いうろうろするもなんとか到着。天気予報からは予想もできない快晴である。夏の太陽の下、蝉の鳴き声に迎えられて、幅広く刈り払われた登山道に取り付く。頂上まで続く尾根の上を忠実に辿り、一定の幅で広く刈り払われた真ん中に明瞭な道が続くといった快適な道である(1)。またていねいに1合刻みに距離標識が設置されている。
展望台から頂上とそこまでの稜線の道
 前半は比較的緩やかで、単調な起伏を繰り返す静かな森の中の遊歩道感覚の道を快調なペースで進む。やがて、「ビッシリ山展望台」に到着。谷を越えた表面にゆったりとした頂上とそこに続く道の尾根が、快晴の空の下にくっきりと望まれる(2)。無風、蝉とウグイスの鳴き声と沢の音が心地好い。
頂上の様子と蕗の台コースの稜線
 やがて、ダケカンバが混じり、傾斜も増してくる。一部ロープが固定されている部分もある。「滝分岐」の標識からは急な登りになる。右手の深い沢に双龍の滝という豪快な滝があるらしいが往復3 時間ほど要するとのことで行くのは止める。

 頂上手前のコルには小規模ながらミズバショウの群生が見られる。その上辺りから、森林限界となり、ハイマツ帯の中を進む。目を上げると、きれいに刈り払われた笹薮の表面に頂上標識が待っている。もちろんだれもいない山頂に到着。
頂上の東斜面に咲くヨツバヒヨドリ 
 頂上はきれいに切り開かれた草原状になっている。一等三角点が設置されているだけに360 度の展望が広が理、蕗の台コースの道が尾根にくっきりと見える隣の熊岳が印象的である(3)。ただ、遠くは霞んで、当然海に浮かんで見えるはずの天売・娯尻の島や明日登る利尻富士なども期待していたが残念である。東側の朱鞠内湖や南側の天塩山地の低い丘陵の続く様や増毛山地の方は雲海の下で見えず。頂上の東斜面は岩の露出した急斜面で、ミヤマハンノキなどの潅木の間にお花畑が広がり、クガイソウやヨツバヒヨドリ(4)など結構いろいろな花が咲いている。 おにぎり、トマト、みつ豆の缶詰、ウイルソンの朝食をとりながら30分ほど寛ぐ。天候もよく、もっとゆっくりしていたいが稚内からのフェリーの時間が気になるので、下山開始する。

 途中、恐らく誰とも逢わないだろうと思っていたら、男女2 名ずつの4 人達れが登ってくる。こんな地味な山だから地元の人かと思って、登山口で車のナンバーを見たら、京都ナンバーで、入林許可証を見たら、やはり京都市の人達であった。どのようにして、この山を選んだのであろうか。 また、登りでは小さくて気が付かなかったのか、ツルアリドウシの可憐な白い花が登山道のあちこちに這うように咲いていたのが印象的であった。静かなピッシリ沼

  天候の割りには期待したほどの展望にも恵まれず、コースも単調でちょっとあっけない登山だったが、天塩山地の最高峰に敬意を表した登山であること、この機会でないと、恐らくもう2 度と登ることはないであろうという満足感で登山口を目指す。
 
 登山口で着替えるわずかな瞬間に両足5 か所もアブに食われる。途中静かなピッシリ沼を眺めて(5)、林道を走り、羽幌の街へ出る。「大変整備されていて、気持ち良く登ることができました。」とお礼を述べて羽幌営林署に鍵を返し、稚内へ向かう。


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