(美利河)丸山(674,1m)
<二股温泉コース>  単独 2011,5,23
2002,4,29の「奧美利河コース」へ
二股温泉コースからまだ登っていなかったので、登山道の様子も知りたくて9年ぶりに再訪
 
4:30 自宅   
6:55 二股温泉駐車場
登山
地点
下山
7:10
8:10
8:50
9:20
二股温泉
稜線
614ピーク
頂上
11:45
11:00
10:20
 9:50
[2:10]所要時間[1:55]
12:30 長万部温泉(入浴)
15:00 帰宅

GPSトラックログ
(稜線までの地形図記載
 の登山道は実際と大幅
 に違います)
長万部と今金町の境界稜(渡島と檜山の境界・道南中央分水嶺)上に位置するこの丸山は、美利河丸山と呼ばれる。長万部の二股温泉と今金の奧ピリカ温泉からのコースがあり、縦走できるようになっている。その標識が二股温泉への入口に設置されていた(1)

 9年前に奧ピリカ側から登ったきりでまだ二股温泉コースから登っていなかった。奧ピリカ温泉コースの方が距離的に半分ほどなので、そちらの方から登られることが多い。ネット上でも、二股温泉コースの記録はほとんど見当たらない。その登山道の様子を知りたいことも今回の山行の狙いの一つでもあった。

 結果、この一帯は美利河・二股自然休養林として、森林管理署で登山道も毎年整備しているようだ。登る人が少ないにもかかわらず非常に快適な道だった。しかし、稜線に出てから、標高差50〜100mの3つのピークを越えなくてはならない。往復ともにその登り返しがきつく、結構タフなコースだった。

○まずは、稜線を目指して

 登山口となっている二股温泉は、建物が新しくなり、「二股らじゅうむ温泉」と改称され、以前のような秘湯の雰囲気は薄らいだが、湯治場としての機能や雰囲気を残している。

 登山道の入口が判らず、温泉の事務所で聞くと、「建物のすぐ左横を抜けると、石灰華ドームの端を下りていく細い道がある(2)川まで下りると丸太橋が架かっている」とのこと。

 川まで下りて、丸太橋を渡り、対岸に続く道を登っていく。北海道の天然記念物となっている石灰華ドームとその上に建つ温泉が見える(3)

 登山道は北側の幅広い急な尾根を細かくジグを切って続いている。しかし、実際の道と地形図に掲載されている登山道とはずいぶん違うような感じだ・・・帰宅後、GPSトラックログを地形図に落としてみたら、案の定、かなり違っていた。

 尾根はブナに覆われているが、葉を広げたばかりで新緑が鮮やかで美しい(4)。眼下には、これまた鮮やかな春紅葉の中に静かな佇まいを漂わせる温泉宿が見える(5)


 高度を上げていくと、西側にまだタップリと残雪を纏った長万部岳が(6)、北側には黒松内岳が見えてくる(7)更に、地形図記載の登山道とは違う一本東側の尾根を登り切ったところが595ピークの東側のc520m付近で、渡島と檜山、さらには長万部と今金の境界線となっている道南中央分水嶺の稜線だ。

○稜線上の3つのピークを越えて

 ここから頂上までは稜線上の歩きとなる。地図からも判るが、550、614、640と3つのピークを越えなくてはならない。しかも、それぞれ50〜100mの標高差があり、往きも帰りもきつい登り返しが待っている。

 まずは550ピーク手前のコルまでの下りから始まる。550ピークへ登り返して少し進むと614ピークが見えてくる(8)この辺りから、稜線上はガスに覆われて、周りの展望には恵まれなかった。晴れていれば快適な稜線漫歩を楽しめるはずだったのだが・・・・・。

 下の方のブナは鮮やかな新緑を広げていたが、稜線上のそれはまだ芽を吹いたばかりである(9)  


  稜線上は、多くの花々が咲いていたが、特にエゾイチゲの群生(10)とシラネオアイの群生(11)が目に付いた。しかし、花ばかりでなく、614ピークから640ピークの間には、新鮮な熊の落とし物もしっかりと5ヶ所ほど・・・(10)温泉の人の話では、昨日、この落とし物に恐れをなして途中で戻った登山者がいたとのこと。これまで3度近くで熊に遭ったことはあるが、それでも撤退したことがない。ましてや、いつも目にする糞くらいではその気は起こらない。笛を吹き鳴らしながら前進する。

 3つ目の640ピークを越えた地点に反射板が設置されていた(11)

 まもなく、ガスに覆われた三等三角点(点名・丸山)と斜めになった頂上標識が待つ9年ぶりの頂上に到着(12)

 休んでいる内に、徐々にガスが取れてきて、南側には、霞みがちながら今金の美利河方面の展望が広がった(13)

 さらに西側に目を転じると、まだ残雪に覆われた端正なカニカン岳は見えてきが(14)その右側に見えるはずの長万部岳や奧の狩場山塊は見えなかった。
 


 30分ほど休んで下山開始。アップダウンを繰り返す稜線上は往きと同じ時間で、低山ながらも体力回復にはほどよい負荷だった。
 
目に付いた花々
上掲のエゾイチゲとシラネアオイの他に下掲の花々やカタクリ、スミレサイシンなどが咲いていた。

エゾエンゴサクとニリンソウ

フギレオオバキスミレ

サンカヨウ

 下山後、新しくなった二股らじゅうむ温泉にも入ってみたかったが、1000円の入浴料はちょっと抵抗感がある。長万部温泉まで走って銭湯料金で入れる長万部温泉ホテルで汗を流して帰路に就いた。

2002,4,29の「奧美利河コース」


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