待根山(マチネシリ)(1002m)ピンネシリ(1100m) 
砂金沢コース(山スキー登山・単独行) 00.5.6
春の花を眺めながらの車道歩きから、マチネシリへのおいしい斜面を、ピンネシリへは露出している夏道を歩いて登る 
ピンネシリコース概念図
5:30 浜益温泉
6:45 車デポ地点
   (夏道登山口より
    800m奥の地点)
登山地点下山
 7:00
   
 7:30
 8:05
   
 8:55
10:05
10:20
10:55
車デポ地点
  (車道)
ゲート
467m夏道との交差地点
  (夏道ルートへ)
711ピーク
待根山
スキーデポ地点
ピンネシリ
12:35

12:17



12:05
11:45
11:10
[3:20]所要時間[1:25]

14:00 新十津川温泉(グリーンパーク・500円)
    (入浴)
16:30 札幌着  
 この山は、樺戸山塊の最高峰で夏道もあるが、車道が頂上まで付いているのが嫌で登り残していた山である。しかし、この時期のスキー登山は滑降も楽しめる山ということで計画に入れた。

 当初、いろいろな情報からそっち岳スキー場から奥は除雪がなされておらず、8kmの林道歩きがあることを覚悟して行ったが、なんと除雪が進んでいて、夏道の登山口のさらに800mほど奥まで 6.8kmも除雪されていたのが嬉しかった。除雪車が置かれている地点に車をデポして、そこからスキーを付け砂金沢沿いの頂上まで続く車道を進む。昨日のものと思われるスキーとツボ足のトレースが続いている。道端の斜面や湿地にはエゾエンゴサクやカタクリ、エゾノリュウキンカ(1)が咲き乱れ、それらを楽しみながら歩くスキーを楽しむ。
 エゾノリュキンカ
 ちょうど30分で、車道が沢から離れて登りになるゲートに到着。除雪がされていなければ、ここまで2時間以上は覚悟していただけに気持ちにゆとりが出る。さらに30分車道を登って行くと夏道と交差する地点に到着。そこから夏道の尾根に取り付く。帰りの滑降が楽しみなおいしい疎林斜面が続く。この3日間で一番気温が高いらしく、Tシャツ1枚でも汗が滴り落ちてくる。 711ピークでスキーを脱ぎ、待根山とピンネシリを見上げ、帰りに滑り降りる待根山からのおいしい斜面を眺めながら一休み(2)。
 711ピークから待根山とピンネシリの頂上を見上げる
 しかし、夏道のあるそのすぐ下の両側から谷が突き上げる細いコルの部分が雪が消え笹藪状態になっているので、その右の沢のすぐ下に橋のある車道まで一度下りてしまう。夏道へ戻るのを止めてそのまま車道を200mくらい進み、待根山頂上へ続く標高差300mのおいしい尾根斜面に取り付く。そのままジグをきりながらマチネシリ頂上を狙う。途中で、携帯電話が鳴り、積丹の両古美山山頂にいるという「北海道の山メーリングリスト」Kaさんからで、KoさんとTaさんも一緒とのことである。
 スキーデポ地点からピンネシリまでの稜線と頂上を望む
 スタートして3時間で待根山の頂上に到着。昨年の5月末に辿った浦臼山から隈根尻山までの長い尾根が正面に見える。ピンネシリを見ると、コルから尾根に雪が無く、今にも崩れ落ちそうに口を開けている雪庇の上に夏道がずっと露出していて、スキーでの登りは無理である(3)。マチネシリ頂上のすぐ下にスキーをデポし、細い稜線に続く夏道を下る。兼用靴とはいえ、滑り重視の靴ゆえにまるっきりスキー靴そのもので、雪の斜面の歩きは楽だが、木の階段や土の上の歩きはかなり辛いものがある。ストックの助けを借りてコルまで下り、急なピンネシリの夏道の登りに取り付く。
 頂上の様子
 スタートして4時間弱で頂上に丸く白い巨大な雨雪観測レーダーのドームが立つ頂上へ到着(4)。は新しい「山の神」という石造りの碑とやはり石造りのピンネシリ神社が祭られている。展望は、昨日登った浜益岳、群別岳と昨日は陰になって見えなかった尾白利加岳が双耳峰のように鋭く天を突き、その右側に暑寒別岳が白い峰々を連ねるのが見える(5)だけで、あとはガスに覆われていてほとんど見えない状態である。
 増毛山塊を望む
 昼食をとっているうちに急に冷たい強風が吹き付け、西側から冷たいガスが頂上を覆い始める、慌てて、ヤッケを着て、毛糸の帽子を被って、手袋をはめる。一気に夏から冬に戻った感じでびっくりする。寒いので15分で下山を開始して、横殴りの吹雪状態のガスの中を進み、コルまで降りるとその風もガスも無くなり、振り返るとピンネンシリの頂上だけがガスで覆われている。
 
 また夏状態の服装に戻り、スキーを付けて、まずは車道までの標高差300mの広いおいしい斜面の滑降開始である。上の森林限界の急斜面に大半径のパラを刻み、ダケカンバの疎林の斜面に中パラを刻み、登りに1時間も掛かった斜面をわずか3分ほどで降りてしまう。しかし、大満足である。
 
 車道に出て、そこから上りで下った 711ピークまで登り返して、夏道の尾根斜面の快適な滑降を楽しむ予定だったが、勘違いをして車道をショートカットするつもりで車道からさらに下へ滑り降りてしまう。気が付いたときはかなり頭上に車道があり、慌てて深い谷を越え、車道まで登り返す。その時点で、夏道の尾根までさらに登り返す気力を失い、そのまま車道をダラダラ下ることにする。
 
 車道をクロカンスキー気分の緩やかな下りモードで、35分で車のデポ地点へ到着する。ついに誰とも出合うことのないスノーモービルの音もない静かな貸し切りの山であった。山菜採りの車がたくさん入っている林道を戻る途中、タイヤの空気の急に抜ける音がして慌てて止めると刃物で割かれたようにタイヤの側面が破れている。戻ってみたら、刃物のようなスレート状の大きな石が転がっていてそれを踏んだらしい。8年間もの山歩きでパンクは初めての経験である。車を広いところまで移動してタイヤ交換をする。

 その後、新十津川町の温泉・グリーンパークで汗を流し、札幌の妻の実家へと帰路に就く。天候に恵まれ、最後のタイヤのパンクと異常に黒くなった顔というリスクはあったもののGWの連休のスキー登山をを計画通りに踏破できた満足感に酔いながら車を走らせる。その夜は、実に14時間も眠り続け、一気に疲れが抜けた感じである。                                   

 「北海道山紀行」目次へ    HOMEへ

inserted by FC2 system