ペンケヌーシ岳(1750m) パンケヌーシ川六の沢コース  単独 04,8,26

ルベシベ岳を下山後、9年ぶりに再訪し、9年前には目にできなかった360度の展望に酔う。

ルベシベ岳を下山後移動
登山
地点
下山
11:30
11:40
-----
11:55
12:15
12:50
新登山口(1100m)
旧登山口(1150m)
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林道と交差(1340m)
下の花畑(1515m)
頂 上(1750m)
14:40
14:30
(下山路)
14:00
13:40
13:10
[1:20]所要時間[1:30]
GPSトラックログ(60kb)
 この山は、ペケレベツ岳と芽室岳を結ぶ稜線のおよそ真ん中付近から西側に派生した支稜上の日高としてはおだやかな山である。9年前に登っていて、その山行記をHPにアップしてあったのだが、昨秋、夕張山系の辺毛山に登ってHPにアップした際に、ファイル名をうっかり同じpenke.htmにしてしまい、上書きされて、このペンケヌーシ岳のページがなくなってしまった。そこで、その更新のために、同じパンケヌーシ林道から登るルベシベ山からの下山後に再訪することにする。

 山名は、沙流川支流のペンケヌーシ川の水源に位置することに因るらしい。アイヌ語で「ペンケ・ヌーウシ」で、「上流の・豊漁」を意味する。昔は沢山魚が捕れた川なのであろう。なお、この登山道へのアプローチとなる林道のパンケヌーシ川は下流で沙流川に合流している。

 「ペンケヌーシ岳登山口へ」の標識の立つ六の沢林道へ入ると、すぐに七の沢林道の分岐になるので、左を進む。2.4kmほど進むと、林道が崩壊してその手前に黄色のテープが張られ行き止まりとなっている。その地点は、9年前に来たときの入渓地点となる登山口の様子とは違うようである。どうやらまだ先のようである。実質的な登山口となる広い駐車スペースに車を置いて、その先に続く林道跡を歩き出す。

 大きな滝のそばを通り、右に曲がって続く林道跡を10分ほど辿ると、六の沢が橋を落して林道を崩壊させている地点に到着する。ここが昔の登山口である。昔はその先の林道もしっかりしていたが、今はすっかり川底のような荒れようで、その面影はまったくない。これも、昨夏の台風10号の仕業であろうか?

 橋の落ちているところから六の沢に下り、少し下って右から合流する急な荒れた沢に取り付く。取り付きからしばらくは、沢というより大きな岩が積み重なった感じの登りである。岩の間に続く右岸や左岸のはっきりとした踏み跡や沢の中の岩をよじ登る感じで高度を上げていく(1)。9年前は登山靴で登ったが今回は沢靴である。やはり歩きやすい。

 15分で林道跡を横切る地点に出る。その右側に手入れの行き届いた踏み跡が続き、岩に赤いペンキで「下山→」と書かれている。多分その林道の踏み跡は旧登山口の崩壊した林道跡に続いているものと思われので、時間的余裕があったら、帰りに歩いてみようと思う。

 さらに高度を上げて振り返ると、後ろに午前中に登ったルベシベ山が見えてくる(2)。普通の沢は高度を上げていくとだんだん急になるのだが、この沢は逆でだんだん斜度が緩んでくる。やがて、沢幅が狭くなり、二股にぶつかる。登山道はその右へ続いている。

 その先で、源頭の花畑状態の斜面に出る。9年前はまだ雪田が残っていたところである。チングルマの綿毛がまぶしく光っているが、花の時期にはツガザクラが群生しているところらしい(3)。その先の沢地形を辿ると、再び再び小さな花畑を抜け、その上部の笹やハイマツと灌木の中の道を抜けるとまたまた広い花畑に出る。振り返ると、前に来たときも鋭い岩峰が気になった1732ピークの斜面はすっかり紅葉が進んでいる。それにしても、この山は日高の山で初めて目にする表土が流れた砂礫地が広がっているのには驚かされる(4)。
  稜線の1661ピークに乗ると、初めてゆったりとした頂上との対面である(5)。ハイマツの中の登山道を辿り、岩稜帯を越えると、矮性のアカエゾマツがポツポツと生えている低いハイマツの緩やかな斜面と紅葉したウラシマツツジのコントラストの向こうに頂上が見えてくる(6)。

 わずか1時間20分で、はるか北側に夕張山系の連なる9年ぶりの誰もいない頂上である。。(7)。9年前は天候に恵まれなくて、展望が広がらなかったので、再訪の甲斐があったというものである。

 南側に紅葉の1733ピークの向こうにチロロ岳が、そこから東にほぼ水平に延びる稜線の端に、つい数時間前、その頂上にいたルベシベ山が、その奥にはそこから眺めたと同じその奥の北日高の山並みが続いている(8)。

 さらに東側には芽室岳とルベシベから見たときのその端正な姿がやはり気になる1726ピークが、さらに近くにペケレベツ岳、今春山スキーで登った上滝山〜沙流岳〜日勝ピークなどのピークも連なっている。北側のトマムのスキー場が新鮮な眺めである。表大雪や十勝連峰は稜線を雲に覆われて、はっきり見えないのだけが残念である。

 それらのゆっくり展望を十分楽しみ、下山を開始する。沢と林道と交差する地点から、きっとかなり遠回りだとは思うが、「下山→」と書かれた林道跡の踏み跡を辿ることにする。林道跡はきれいに笹刈りなどの整備がなされていて、先週末のものと思われる新しい足跡が続いている。等高線に沿ってカーブしながら頂上まで突き上げる六の沢直登沢まで続く。その沢に沿って頂上へ向かって踏み跡が続いているところを見ると、直登する人たちも多いようである。林道跡は六の沢に沿って、向きを登山口の方へ変えるが、すっかり豪雨で削られ、林道の面影はなく、川底を歩いていると同じ状態である。

 登りで15分のところを、かなりの遠回りで30分も要してようやく橋の落ちた旧登山口へ到着する(GPSトラックログ参照)。同じところを歩かない楽しみ程度の道であるが、まあ、整備をしている人たちの苦労に応えるためにも歩いてみる価値はあるかなという想いである。

この前に登ったルベシベ山


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