○三川台へ

 扇沼山から三川台へ向かう。三川台という名は、辺別川と美瑛川とユウトムラウシ川の3本の源頭が三方から突き上げている台地状の地形で、十勝連峰と表大雪への縦走路との交差点である。

 右手眼下に美瑛川の源流部を見下ろしながら、鋭く尖った兜岩へと続く稜線上の道を進む。前回より笹藪がきれいに刈り払われて歩きやすい。下山後、森林事務所で聞いたら、地元の美瑛山岳会が整備をしているとのこと。最近は、トムラウシへの最短ルートとして利用者が増えているので、ありがたいことだ。

 近づくに連れてその鋭さを増す兜岩への稜線の先にはトムラウシ山が望まれ、辺別川を挟む両側の斜面の紅葉を楽しみながら進む(1)。兜岩へ近づくに連れて、その斜面のきれいな紅葉が際だってくる(2)

 その尾根を乗越して、辺別川源流部のコルを目指して、紅葉の斜面を下りてゆく。上に、これから辿る道がずっとはっきり見えるのがうれしい。
 辺別川源流部のコルは、前回は水が採れたが、今回は枯れていた。そこから再び、三川台を目指しての登りが続く。右手下に、美瑛川の源流部のカール状地形の底に湖沼群が見える(3)

 やがて、平坦な三川台へ到着。扇沼山から1時間45分、登山口から3時間05分であった。そこには、十勝連峰〜トムラウシ山、扇沼山へのコースの標識が立っている(4)

 休む前に、ユウトムラウシ川の源流部も眺めたくて、そのままもう少し先まで進む。カール壁の状の崖を巡らし、広く平坦な源流部の眺めは壮観だ(5)




 三川台まで戻って、昼食タイム。目の前に広がる真っ赤なチングルマの紅葉が美しい(6)

 目を北側に転じれば、ハイマツ帯の向こうに小化雲岳〜化雲岳にかけてのゆったりとした稜線が連なり(7)、その右手には上空を雲で覆われたトムラウシ山が見える(8)

 トムラウシ山までは、ここから約4km、自分の足ではあと1.5〜2時間くらいのものであろう。であれば、登山口から往復9時間では可能な感じだ。いつかは、日帰りで挑戦してみたいものだ。





○来た道を下山
 
 30分ほど休んで、下山開始。扇沼山までは、約1時間30分、扇沼山から1時間で下山。鍵を戻すのは、「森林事務所が閉まってからでも、郵便受けから入れておけばいい」と言われたが、予想より早く下山できたので、まだ、開いている内に届けることができた。「もう、三川台まで行ってきたのですか?普通は8時間は掛かりますよ。今まで、朝に鍵を借りて、三川台まで行って、我々が勤務している内に戻った人はいませんよ。」と驚かれた。それを、三川台での昼食タイムを入れても6時間で往復したのだから・・・。まあ、癌春パワー全開と言ったところか・・?

 その後は、地元の創作料理「美瑛カレーうどん」を食べて、ビールを飲みたかったので、市街地の銭湯に入り、美瑛の道の駅「丘のくら」に落ち着く。 

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