乙部岳(1016.5m)D 
[登り〜尾根コース、下り〜沢コース]  単独 15,5,26

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写真撮影と新緑と花狙いで5回目の乙部岳

5:15自宅発
登山
場所
下山
7:00
7:45
8:30
9:15
9:50 
尾根コース登山口
12:40
12:30
12:00
10:30
1015
九郎嶽社
5合目
沢コース登山口
行者洞
2コース分岐
頂   上
[2:50]所要時間[2:25]
13:15 乙部温泉(入浴)
15:30 帰宅
この乙部岳は、乙部町と厚沢部町の境界線上に聳える1000m超峰である。乙部町側は姫川が深い谷を形成し、厚沢部町側は急な崖となっている山塊である。(1)(厚沢部町清水〜木間内間で撮影)
 
 乙部の語源は、オ・トー・ペ(川口に沼のある川)である。しかし、乙部川という名前の川はない。日本海へ流れ出る姫川がその川らしい。

 この山は義経伝説に彩られている山でもある・・・乙部岳山中に九郎判官源義経が開いたと伝えられる山岳信仰の九郎嶽社が存在したことに因り、もともとは九郎岳と呼ばれていた。さらに、静御前は、義経恋しさのあまり乙部まで辿りつく。しかし数ヶ月前に義経は、乙部の川を遡り、乙部岳を越えていた。悲嘆にくれた静御前は川に身を投じる。乙部の人々は義経と静御前の悲しい運命に同情して、この川を姫川と呼び、義経が静と会えず越えた峠を姫待峠と呼んだとのこと。

 登山道は、姫川沿いの林道から尾根コースと沢コースの2本がある。それぞれの登山口は400mほどしか離れていないので、タイプの違うコースの周回登山を楽しむことができる。さらに、頂上にはレーダー雨雪量観測所のドームが建ち、その管理道路が姫待峠から頂上まで続いているが、峠にゲートがあり、一般車は通れない。

 6年ぶりとなる今回は、道新連載の「ほっかいどう山楽紀行」の取材目的で出掛けた。

 ○尾根コースを登る

 頂上までの距離が短く、歩きやすい尾根コースを登り、沢コースを下って周回することにした。尾根コース登山口は九郎嶽社の鳥居から始まる(2)

 新緑が美しいブナが多い林の中の快適な道を登る。c350〜550の間の急登で一気に高度を稼ぐ。500付近で尾根に乗る。550を超えると斜度が緩くなり、標高点613の九郎嶽社路分岐に到着(3)
 これまでに3回尾根コースを歩いているが、なぜか九郎嶽社へは寄っていない。分岐から5分ほどだとのことなので、今回は寄ることにした。 


 5分ほど下ると、岩場にぶつかる。その手前の大きな岩の下に九郎嶽社本殿が祀られていた。この社は、義経が開いたとされる農漁業の豊作や海山の安全の山岳信仰の神社である。鳥居が塩ビの水道管で造られているのがちょっと興ざめである(4)
 分岐まで戻って、少し進むと、道の両側のタケノコに捉まってしまった。まだ登りが半分以上も残っている。下りならしっかりと収穫態勢に入るのだが、下山はここを通らない。
 そこで、リュックの片側のポケットに入るだけ30分ほどで我慢する。重くなったリュックを背負って再び登り始める(5)
 林道でも目に付いたが、この登山道にも熊の落し物が結構多い(6)。750付近に前回気付かなかった「五合目」の標識もあった(7)下で「三合目」を目にしたし、さらに稜線へ出る手前に「七合目」があった。
 道端のミヤマスミレとフギレオオバキスミレとシラネアオイの群生に癒される。


 尾根上の820mのピークから一端下り、我慢の最後の急登が続く。950で平坦な台地状の歩きとなり、沢コースとの分岐出会いの先で稜線へ出る。
 1000ポコを越えると、目の前に頂上とそこまで続く稜線上の道が見えてくる(8)
 稜線上にはちょうど満開のタカネザクラがあちこちに咲いていた(9)


 雨雪観測レーダーが建ち、頂上標識と展望展示盤と一等三角点が設置された6年ぶりの頂上へ到着(10)
頂上からは、駒ヶ岳と横津岳も見えた(11)。 


北へ目を転じると、まだ残雪を抱いた遊楽部山塊(12)
噴火湾方向の展望を見たくて、管理道路を300mほど下って行ッて見たが、砂蘭部山の右側の噴火湾は雲海に覆われてなにも見えなかった(13)

○沢コースを下山


 30分ほど休んで下山を開始。山頂から下って登り返さなくてはならない急な東斜面を抱いた1010ピークまでの稜線上の道を越えなくてはならない(14)
 尾根コースとの分岐のそばの岩場で、葉が開いてはいるが、おひたしには最適なギョウジャニンニクを収穫。
 1010ピークを越え、今回は寄らなかったが、九郎岳の手前から稜線と別れて急な道を下る。急斜面にジグを切る道なので、斜めになっていて非常に歩きづらい。
 900m地点で「天狗岩」と呼ばれる大きな岩塔のそばを通る(15)この根元の斜面にはシラネオアイの群落が広がっていた。 


 550mまで下って、ようやく沢に出る。上を見上げると「天狗岩」が天狗の鼻のような姿で屹立していた(16)
 8回ほど渡渉があるが、濡れた石は非常に滑って怖かった。道も草で覆われていてはっきりしないところもあった。
 300m付近にある「行者洞」は、昔、九郎嶽社の宗信者が身を清めるために一夜を明かしたところとのこと(17)
 
 林道へ出る手前は、大規模な間伐作業で道がはっきりしなくなっていたが、新しい標識とロープが設置されていた。
 沢コース登山口から林道を10分ほど戻ってゴールイン。

 <目に付いた花々>

コヨウラクツツジ

ツバメオモト

非常に多かったミヤマスミレの群生


オオバキスミレ

オオサクラソウ

シラネオアイ


オオカメノキ

ブナの幹に根を下ろしたミヤマスミレ


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