乙部岳(1016.5m)C   
[登り〜尾根コース、下り〜沢コース]  4名 09,10,11
96,5,26の「沢コース往復」へ
06,6,03の「尾根根コース〜沢コース」へ
4回目の登頂は、札幌からの山仲間からのお誘いで、紅葉登山を楽しむ
6:00 八雲町落部上ノ湯発
登山
地点
下山
 7:30
 ---
 8:30
10:10
10:40
尾根コース登山口
 沢コース登山口
連絡路分岐
稜線・コース分岐
頂 上
14:35
14:25
13:35
12:00
11:30
[3:10]<所要時間>[3:05]
15:00 厚沢部・鶉温泉(入浴)
17:10 帰宅

 この乙部岳は、乙部町と厚沢部町の境界線上に聳える1000m超峰である。乙部町側は姫川が深い谷を形成し、厚沢部町側は急な崖となっている山塊である。(1)(厚沢部町清水〜木間内間で6月に撮影)。

 乙部の語源は、オ・トー・ペ(川口に沼のある川)である。しかし、乙部川という名前の川はない。姫川がその川らしい。この山は義経伝説に彩られている山でもある・・・乙部岳山中に九郎判官源義経が開いたと伝えられる山岳信仰の九郎嶽社が存在したことに因り、もともとは九郎岳と呼ばれていた。さらに、静御前は、義経恋しさのあまり乙部まで辿りつく。しかし数ヶ月前に義経は、乙部の川を遡り、乙部岳を越えていた。悲嘆にくれた静御前は川に身を投じる。乙部の人々は義経と静御前の悲しい運命に同情して、この川を姫川と呼び、義経が静と会えず越えた峠を姫待峠と呼んだとのこと。

 登山道は、姫川沿いの林道から尾根コースと沢コースの2本があり、それぞれの登山口は500mほどしか離れていないので、循環縦走に都合の良い登山道である。さらに、頂上にはレーダー雨雪量観測所のドームが建ち、その管理道路が姫待峠から頂上まで続いているが、峠にゲートがあり、一般車は通れない。

 3年ぶり4回目となる今回は、札幌のHYML仲間のKoさんとFeさんご夫妻、Miさんとその山岳会仲間が、HYML仲間の八雲のBaさんの別荘に宿泊して、翌日乙部岳に登るので・・・とお誘いを受けて、前日に合流した。

○尾根コースを登る
 
 Baさんの別荘から道々67号八雲厚沢部線を抜けて、登山口を目指す。尾根コースを登り、沢コースを下る計画で、登山口を出発する。登山口の九郎嶽神社の鳥居の前には、お祭りのときに立てられる幟が立てられていた(2)後で判ったことだが、この日は、この神社の例祭か何かで、神主さんや信者の人たちがたくさん集まっていたそうだ。

1時間で、沢コースとの連絡路分岐に到着。ここから5分ほど下ると九郎嶽社があるらしいが、今回もパス。まだ目にしてはいない。ちなみに、この社は、海上安全を願う山岳信仰の社だったらしい。

 初めは9人一緒にスタートしたが、Koさんの体調が思わしくないようで、遅れがちになる。そこで、Miさんのグループに別行動をとってもらい、Koさんに合わせて4人でゆっくり登る。ブナの尾根を登っていくが、高度を上げるに連れて、その黄葉が美しくなってくる(3)

 766ピークへ登ると、左手に目指す頂上が見えてくる(4)しかし、青空が広がったかと思うと、雨が降ってきたりと目まぐるしく天候が変わり、谷底から虹が懸かる(5)雨具を着けたり、脱いだりと忙しい。

 右手後を振り返ると、江差方面の海岸線が広がる(6)c850m付近を境に、ブナに代わってダケカンバが出現。再び広がった青空をバックにした黄葉が疲れを癒してくれる。最後の急なジグを切る道を登って、緩くなると稜線が近い。稜線に出ると、東側から北側の展望が広がる。

 振り返ると、頂上と少ししか標高の違わない1010ピークの南側に、九郎岳のピークが見える。昔は、厚沢部側の清水林道の方からこの九郎岳に続く尾根にも登山道があったらしい。

 頂上へは、コルまで標高差60mほど下って急な登りを登り返さなくてはならない。葉の落ちたナナカマドの赤い実の向こうに頂上が見える(7)

3時間10分を要して、頂上到着。3年前に一人で登ったときには2時間ちょうどで着いているので、ずいぶんとゆっくり歩いたことになる。たまにはお喋りを楽しみながらのこんなのんびり歩きもいいものだ。

 頂上に着いたら、Miさんグループがちょうど下山するところであった。彼等と別れて、4人で記念写真を撮り(8)風と直ぐにでも降りそうな雨を避けるためにレーダーの下に移動する。

 そこへタイミング良く、姫待峠のゲートから管理道路を登ってきたBaさんが到着。登山口からさらに車で30分。ゲートから急いで登って1時間30分ほど掛かったとのこと。もう我々がいないのではないかと思いながら登ってきたらしい。

 レーダーの下で5人で、昼食を摂る(9)そのうちに雨とあられが降ってきた。

○沢コースを下る 

 体調の芳しくないKoさんは、Baさんと一緒に管理道路を下ることにして、頂上で別れる。Feさんご夫妻と3人で、沢コースへの循環を目指して下山開始。

 雨の中のスタートだったが、歩き初めて直ぐに止み、青空が広がってくる。この後は雨が降ることはなく爽やかな秋空が広がったままであった。

 稜線上を戻り、尾根コースの分岐を過ぎ、1010ピークを越えて、九郎岳とのコルから下りに掛かる(10)


 このコースは一気に標高差420mの緩むことのない急な下りが続く。目指す眼下の深い谷底まで気の遠くなるような標高差だ。

 下り初めてまもなく、このコースのシンボル的な岩塔の根元を通過(11)。クライミングが主のFeご夫妻は、下の20mほどの垂直岩塔に登るルートを目で追って楽しんでいる。

 その後、沢に下りるまでは、ジグを切ってはいるが、急斜面なので、道は斜めで幅も狭くて非常に歩きづらい。一歩間違えば、斜面の下に転落しそうで、周りの笹や灌木に掴まりながら一歩一歩緊張の下りが続き、スタスタ歩けないのがもどかしい。

 急斜面の下りから解放されて、沢地形に降りてからも露岩が多く、また、数回の渡渉もあったりで(12)楽には歩かせてもらえない。登っても下ってもタフなコースだ。

 96年に登ったときには、このコースしかなかったが、尾根コースができてからは、尾根コースの方が展望も良く、登りやすいこともあって好まれているようだ。右手頭上には、尾根コースが上を通っている垂直に切り立った岩壁が紅葉で彩られて美しい(13)

 2時間ほどで、尾根コースとの標高差が260mも下にある連絡路分岐に到着。ここまで来ると、沢も広くなり、歩きやすくなってくる。

 まもなくして、「行者洞」に到着。ここは、「九郎嶽神社の信者が身を清めるために一夜を明かしたところ」との説明がある。中に、九郎嶽神社のお札が祀られた小さな祠が祀られていた(14)

 やがて、奥さんが、「北海道では初めて目にした」と感激している杉林に入ると、ゴールは近い。約3時間で林道へ出る。先に下りていたKoさんに迎えられてゴール。

 彼等とそこで別れて、厚沢部の町までやって来て、携帯にスイッチを入れたら、西宮にいる弟が心筋梗塞で倒れたというメールが入っていた。とりあえず、鶉温泉で入浴して帰路に就く。

紅葉競演


ダケカンバ

ホツツジ

カエデ

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