オロフレ山(1230.7m)C  
<大曲ルート>  スキー&アイゼン  単独  13,1,28
12,10,6、単独行のオロフレ山
04,9,04、妻同行のオロフレ山
天候に恵まれ、途中でスキーからアイゼンに履き替えて、単独で登り、この時期ならではの大展望に酔ったた

8:30 壮瞥道の駅発
9:20 オロフレ峠登別側
    標高点675地点
登山
地 点
下山
 9:30
10:25
11:15
11:55
12:40
標高点675地点
956ピーク横
970コル
1062ピーク
頂上
14:00
13:45
13:25
13:15
12:55
[3:10]
所要時間
[1:05]
14:30 久保内ふれあいセンター
               (入浴)
18:30 帰宅

白老町と壮瞥町の境界線上に位置するどっしりとした山(1)、山名の由来はオロフレ川の源流部に因り、アイヌ語で「ウオロ・フレ・ペッ」(水中の赤い川)を意味する。

 夏は、展望景勝地である旧道のオロフレ峠が登山口になっている。すでに標高が970mもあり、標高差260mほどで簡単に高山の雰囲気と太平洋〜噴火湾、支笏・洞爺湖付近のすばらしい展望が得られ、初夏は花の山としても人気の高い山である。

 これまでに夏は3回登っているが、冬は未踏だった。しかし、冬期間は夏の登山口までの道路の除雪がされていない。そこで、自分も執筆者の一人である『北海道雪山ガイド』のルートを参考にし、天候にも恵まれたので、厳冬期にしては珍しく単独でトライした。夏は簡単に登れる山だが、冬は一変して、上の方は、アイゼン・ピッケルの世界のきびしい山だ。

 壮瞥の道の駅の車中泊で10時間も爆睡し、17:00〜9:00まで通行止めのオロフレ峠(道道2号線)へ向かった。ゲート開くのを待って、さらに進む。山の写真を撮りたくて、オロフレトンネルの壮瞥側入口の駐車場へ寄った。そこで、若い男性がススノーボードを担いでノーシューで登る準備をしていた。彼は、トンネルの入口付近から登って夏道へ合流するらしい。

 オロフレトンネルを抜けて登別側へ1.5kmほど下ると、地図上の標高点675地点がある。そこが取り付き地点だ。下ってきた道路を振り返ると羅漢岩から続く荒々しい岩壁が見えている(2)狙うのはその右側に連なる956ピークへの南東尾根だ。

 アイゼンとピッケル持参で、道路の除雪の壁をよじ登り、スキーを付ける。付近にトレースは見当たらない。しかし、ラッセルは数日前の暖気の後に締まって、その上に新雪が積もっている程度でほとんど気にならない深さだ。

 雪山ガイドでは、伐採道を進んで1本奥の尾根に取り付くようだが、道々から直接956ピークへ繋がる南東尾根に取り付いた。ガイド記事より近道で効率的な感じだ。疎林帯の広い尾根をジグを切って登っていく。帰りの滑りが楽しめそうな斜面だ(3)振り返ると、4年前の残雪期に登った加車山が見える。



 1時間ほどで、956ピークの東側で白老町と登別市の境界稜線上に乗る。目の前に目指すオロフレ山が姿を現す(4)956ピークのその東側を巻いて、反対側の白水川源頭部を取り巻く斜面へ出る。ガイド記事では、等高線の900m付近をトラバースするようになっている。しかし、地図上に現れない細かな沢や小尾根が入り組んでいて、雪も深そうだ。それらを避けて、多少遠回りにはなるが、稜線に近い腹を、帰りの登り返しがないようなルート取りで、トラバースするように源頭部を巻くことにした。

 少し進むと、右手に目指す端正なオロフレ山とその手前の風景が広がる(5)さらに、夏道のある稜線の原を巻くように進み、970コルで夏道ルートに合流。


 970コルからは、昨日のものと思われる2名のかんじきのトレースが残っていた。トンネルの入口付近にトレースがあったので、そちらから登り、夏道を進んできたようだ。しあkし、駐車場であったスノーボードの男性は、まだ来ていないようだった。ここで休憩を取り、頂上を目指す自分の後ろ姿を入れて写真をセルフターマーで撮る(6)

 予定では、1062ピークまでは、スキーで登るつもりだった。しかし、1062ピーク急斜面はウインドクラストしていて、デコボコしている上に、灌木が煩い。スキーを脱いで直登した方が効率が良さそうなので、途中でスキーをデポした。ツボ足でも登れそうな感じだったが、アイゼンを付け、ピッケルを持った。周りの灌木を覆っているエビのしっぽの樹氷が美しい(7)

 1062ピークから見上げる細くて急な尾根を見上げる。尖ったピーク状のところは頂上ではなく、頂上はその陰になっていてここからは見えない(8)昨日のトレースを辿るように登っていく。夏も岩場になっている細くて急な地点は、雪の付きが悪く、少し緊張したが、慎重に突破した(9)


 急斜面の西側手前にトンネル入口の駐車場、さらにその奥に有珠山と洞爺湖と噴火湾が広がっている(10)。急な細い尾根を登り切ると、ようやく斜度が緩み、目指す頂上が見えてくる(11)

 ラッセルもほとんどなく、天候に恵まれたお陰で、単独行でも不安と疲れもなく、3時間10分で頂上到着。頂上標識は雪の下だった。まずは、徳舜瞥岳とホロホロ山をバックに記念撮影(12)この時期にしては珍しく風も弱く、晴天に恵まれ、この時期ならではの新鮮な360度遮る物のないみごとな大展望が広がっていた。南側には、加車山とその先の凍結した倶多楽湖の眺めが新鮮だ(13)

 北西側には尻別岳は見えるが、羊蹄山とニセコ連峰は雲に覆われていた(14)いよいよ下山に掛かる。ときどき踏み抜きはあるが、下りは速い。岩場を通過したら、あとは心配ない。眼下に、登りの自分の足跡と970コルの先のトラバースしてきた白水川源流部と稜線を眺める(15)。

 スキーのデポ地点からスキーに履き替える。シールを貼ったまま970コルを越えて、少し登った地点でシールを剥がした。そこからは登り返しがないように付けてきたトレースを滑り降りるので非常に速い。956ピークを巻いた後の南東斜面から道路までは、安全第一で、それなりの滑りを楽しむことができた。登りの3分の1の時間でゴールイン。これが雪山、さらにはスキー登山の一番大きなメリットだ。

 車のそばで装備をほどいていたら、朝にトンネル入口の駐車場で会ったスノーボードの男性が、車の中から「お疲れ様でした!」と声を掛けて下っていった。彼は頂上を目指したのではなく、どこかの斜面でスノーボードを楽しんでいたらしい。

 壮瞥側へ下り、久保内ふれあいセンターの温泉で、汗を流して帰路に就いた。 


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