オプタテシケ山(2012.7m)B〜トムラウシ山(2141.0m)C・2泊3日縦走 
<白金温泉〜トムラウシ温泉>  単独 13,7,17〜19
<オプタテシケ山> @94,7,24の白金温泉から  A04,5,09の山スキーでトノカリ林道から
<トムラウシ山> @94,7,31〜8・1のトムラウシ温泉から A98,7,31〜8・1の天人峡温泉から 
B02,09,07〜8のクワウンナイ川〜扇沼山
    オプタテシケ山〜三川台の間を繋ぐことを目的とした2泊3日の縦走・・・十勝連峰と表大雪が繋がった
  
<1日目>
5:00 美瑛道の駅発
5:40 美瑛富士登山口
登山地点
5:50
7:10
9:00
10:10
11:20
12:05
13:25
登山口
天然公園
美瑛富士避難小屋
ベベツ岳
オプタテシケ山
   〃     発 
双子池キャンプ地
[7:35]所要時間

  大雪山系の登山道で唯一繋がっていなかった表大雪と十勝連峰の連結部分(1)のオプタテシケ山と三川台を繋ぐことが今回の縦走の目的だった。いろいろ効率的なルートを検討したが、車回収も考え、下山後に公共交通機関を使える白金温泉からオプタテシケ山へ登り、三川台を経由してトムラウシ山に登り、トムラウシ温泉へ下るコースを考えた。

美瑛の道の駅で朝を迎え、白金温泉奥の美瑛富士登山口を目指す。向かう途中からは、オプタテシケ山も美瑛富士も見えていた。ゲートの鍵の番号は前もって上川森林管理署美瑛事務所に聞いておいたので、登山口奥の駐車場まで入ることができた。明後日まで車を置くことになる。

<1日目>オプタテシケ山を越えて双子池まで

○まずは、美瑛富士避難小屋を目指す

 久しぶりの縦走装備で登山口をスタート(2)このコースを歩くのは、19年ぶりだ。林道跡と思われる荒れた道から植林地を抜けると歩道となる。アカエゾマツやトドマツ針葉樹林を抜けると、矮性のアカエゾマツ、ハイマツ、イソツツジ、大きな露岩などが演出する「天然庭園」となる(3)周りはガスで覆われていて展望はない。途中で美瑛富士避難小屋に泊まった2名が下りてくる。「上は晴れているので、ガスから抜けると思います」といううれしい情報。やがて、雪渓が出てくると、道はぬかるんでくるので、スッパツをつける。


 笹とハイマツの中を登って、岩礫帯を抜けると花畑が広がる。その上に美瑛富士が姿を見せている(4)。まもなく、リニュアルされた美瑛富士避難小屋に到着(5)ここまで、ガイド地図では4時間だったが、3時間で到着。精神的に余裕ができる。小屋のそばでしばし休憩。腹ごしらえをする。


 ○石垣山の横を抜け、ベベツ岳を越えてオプタテシケ山へ 

 美瑛富士への道と分けて、石垣山の岩礫斜面の中に続く道を登っていく(6)。振り返るとそれまでガスに覆われていた美瑛岳も姿を見せてくれた(7)。足元のイワギキョウの美しい色と姿に癒される(8)しかし、石垣山への登りに掛かる頃からガスに巻かれ始める。どうしても、足元の花だけが興味の対象となる。オプタテシケの下りの雪渓まで、ずっと多くの花々を楽しむことができた。


 石垣山はピークを通らないで東側の斜面をトラバースし、ベベツ岳のコルへと下っていく。振り返ると、石垣山の頂上に積み重なった大きな岩が見える。しかし、次のピークのベベツ岳はガスの中で、目の前に続く登山道を辿るだけ。あちこちに花畑が展開する。岩礫斜面に咲くコマクサと真っ白なイワヒゲをカメラに収める(9)。遠くは見えないが、近づいていくと次に越えるピークや稜線だけは何とか見える。ひとつのピークを越えると、ベベツ岳への登り見える(10)。美瑛富士避難小屋から約1時間でベベツ岳頂上到着(11)。 


 ベベツ岳からオプタテシケのコルへ下ると、ガスが取れて、目の前にど〜んとオプタテシケへの急な登りが見える。この登りが今日の核心部(12)これを越えると、今日はもう登りがないと思えば元気が出る。しかも、まだ11時前である。登りの先に見える手前のピークが西峰で、頂上はその奥の細い稜線をもうひと登りしなくてはならない(13)

 11:20、登山口から5時間半、誰もいないオプタテシケ頂上へ到着。このときは、まだこの後越える東峰が見えていたが、まもなく見えなくなってしまった(14)04年5月上旬に山スキーで登り、両側が崖の頂上に高所恐怖症の自分が立ったことが信じられない荒々しいピークだ。ここまでくると、あと今日のゴールの双子池キャンプ地までは1時間半もあれば到着。携帯も通じるので、ブログを打ってのんびり過ごすことにする。そこへ、南沼を5時半に出たという外国人の若いカップルが到着。今日中に白金温泉まで下るという。かなりの健脚だ。「私の登りの1時間減で下って、登山口から温泉までの歩きを加えても、6時には着くでしょう」と話してあげたら喜んでいた。2人の会話を聞いていたら、どうもポルトガル語のようだ。たどたどしい日本語で、「双子池までの下りは長くて急な雪渓が続くので気をつけてください」と教えてくれた。急という日本語が分からなかったようだ。手でそのことを伝えてくれた。

○花の斜面と長い雪渓を下って、双子池へ


 40分ほどのんびりして、再スタート。ここから三川台までは未知のコースだ。この間を繋ぐことがこの山行の目的だった。それだけにガスで何も見えないのが少し残念。オプタテシケからコルにある双子池までの下りは、標高差700m以上も続く。地図で見てもかなり急な感じだ。しかし、見えるのは目の前の斜面と登山道だけ。花々を楽しみに下る。東峰の東側の崖斜面にはハクサンイチゲ、アオノツガザクラ、エゾノツガザクラが咲き乱れていた(15)。また、エゾツツジの群生もみごとだった(16)やはり南沼からやってきたという単独行の男性と出会う。やはり、ホワイトアウトの長い雪渓のことを教えてくれる。雪渓を登ってきて、登山道へのつながりが分からず、苦労したとのこと。今日は美瑛富士避難小屋までだそうだ。

 1700m付近であろうか?幅広い沢地形一面を覆う大きな雪渓に出る。しかも、まさにホワイトアウトだ(17)確かに上の方は急だが、滑落するほどではない。徐々に斜度が緩くなってくる。1kmほども続いたろうか?やがて、その下部へ到着したが、案の定登山道への入口が見つからない。このようなときのGPS頼み。地図を拡大してその登山道の方へ移動すると、足跡があり、登山道が見つかった。

 登山道を10分ほども辿ると、話し声が聞こえる。今日のゴール双子池キャンプ地だ。反対側から来たという先着の2名に迎えられる。意外と狭いテン場だ。自分が張ったら、あとひと張りくらいしか余裕がない感じだ。テントを張る。

 すぐそばに池はあるが、その水はとても使う気にはならない。先着者に聞いたら、自分が下ってきた雪渓の下から流れ出る小川の水を汲んできたという。

 水筒とペットボトルを持って、雪渓の下まで戻って奥の一番勢い良く流れているところで汲む。冷たい水で飲むウィスキーの水割りは格別だ。

 ガスが濃くなって、霧雨状態になってきたので、テントに入ったまま3人でおしゃべりをする。テントは別々だったが、東京から毎年のように北海道へ来ているという2人組みだった。

2日目つへづく



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