4:00 自宅発
6:00 上ノ国町国道228号線
小滝橋北側駐車スペース
登下山 | 地点 |
6:15
6:25
7:25
8:15
8:25
9:50
10:00
11:55
12:45
12:55 |
車デポ地点
薮斜面突入
356ポコ
大滝山着
〃 発
初神山着
〃 初
419ポコ
国道へ
車デポ地点 |
[6:40] | 所要時間 |
13:30 上ノ国市街地で
ラーメン
14:30 江差町ぬくもり温泉
(入浴)
|
大滝山と初神山・・・Ko玉さんから誘われるまで、存在すら知らない山であった。上ノ国町の小砂子と石崎の間の海岸線近くに位置する500m台の山。二つは840mほどの稜線で結ばれている。
この2座は、転勤が決まって2日後には札幌へ引っ越す予定の彼が、道南500m超峰で最後まで登り残していた3座のうちの2座である。残りは、せたな町太田の天狗岳とのこと。
もちろん登山道はあるはずがない。海岸線なので雪付きが良くないので、冬も難しい。沢からのアプローチも狭くて深い沢ゆえに難しい・・・ということで、今まで残ってしまった山である。国道から薮の急斜面に取り付き、大滝橋を挟んで両山から延びる尾根と源頭部を巻く稜線を辿って、途中から降り出した土砂降りとガスの中、4kmのコースに6時間半の薮漕ぎで循環した。
小滝橋と曲り橋の間にある駐車スペースに車をデポして、国道228号線を少し南下。
小滝橋を渡り、大滝橋との中間の比較的緩そうな地点から薮斜面に突入(1)。国道沿いに「海岸線に熊出没注意」の看板があったが、明らかに熊の通り道と思われる踏み分けを辿りながら急斜面を登り、尾根に乗る。
尾根に乗って後を振り向くと、眼下に国道と日本海が広がる(2)。目指す二つの頂上はガスに隠れて見えないのが残念。
まずは、尾根上に見える笹で覆われた356ポコを目指す。薮は膝上くらいの笹が主体で、尾根の上に微かに熊の踏み分けと思われる痕跡が続き、それを辿って快調に登ることができた(3)。1時間で356ポコへ到着。
スタート時は雨は降っていなかったが、そのころから降り出し、まもなく本降りとなる。すでに夜中の雨で濡れた薮で体はびしょびしょ・・・ここまで来たら、二人の辞書には撤退の2文字はない。その後3時間ほどは土砂降りの中、ひたすら薮を漕ぐ・・・。
356ポコからは林の中に突入。
その手前から一瞬だけではあったが、目指す大滝山と初神山へ繋がる稜線が見えた(4)。林の中は薮が薄かったが、頂上が近くになるに連れて笹藪の密度が濃くなり、丈も高くなる。しかし。それほど手こずらないで、順調に2時間で大滝山に到着。
この山は三等三角点(点名・大滝山)があるので、まずはそれを探す。古い棒杭が落ちていたので、それを手がかりに直ぐに見つける。
周りの笹を刈り払って、土砂降りの中の記念撮影。いつもは三角点がカメラに写るように周りを掘り、笹もきれいに刈るのだが、この雨の中では、そこまでする気にもならない(5)。
ゆっくり休む気にもなれず、直ぐに出発。地図上では広い稜線なので、手こずると思ったのだが、意外と狭くてすんなりと進むことができた。
しかし、心配していた通り、徐々にネマガリダケが太くなり、背丈も頭上を遙かに超え、密度も濃くなる。おまけにヤマブドウの蔓が絡んで、スピードがガクンと落ちてくる。
それでも、顕著なポコを2つ越えて、想定内の1時間半で
初神山に到着・・・とは言っても、三角点もなく、密度の濃いネマガリ林の中。一番の高いところを掻き分けてとりあえず、お互いに記念写真を撮る(6)。
しかし、初神山からの下りが予想以上に手こずることに・・・薮山の登りは尾根を外すことはないので迷うことはないが、下りは尾根を外したり、間違ったりということは必ずと言っていいほど付きものだ。出発時に、百戦錬磨のKo玉さんも地図を見ながら、「この下りは、苦労しそうだ」と心配していた通り、幅広ではっきりしない尾根と地形。頭を遙かに越す密度の濃い強烈なネマガリダケに土砂降りの雨とガス・・・こちらのGPSとKo玉さんのコンパスと野生的感をしても、特に、初神岳からの下りでは尾根を見失い、さらにc500付近から南に延びる顕著な尾根に引っ張られるなどして、c450付近までは、順調に下ればわずか500mほどの距離に、1時間半ほども行きつ戻りつを繰り返して、嫌になるほど悩まされた。
c450辺りからは、尾根も顕著になってきて、雨も上がり、薮の丈も低くなってきたので、それほど彷徨くこともなく順調に下ることができた。
笹が腰の高さになると、下から国道の車の音が聞こえて来て、ゴール近しを感じる(7)。やがて、薮を掻き分けて、眼下に国道が見えたときには、思わず心の中で万歳を叫んだ(8)
Ko玉さんは函館在勤2年間のうちに、こちらに赴任する前に残していた道南700m超峰76座のうち38座を登って完登。更に700m未満500m以上の山も1座だけ残して66座も登ったことになる・・・シンジラレナイパワーと根性だ。そのほとんどは薮山ばかり・・そのうち、一緒に登ったのは数えてみたらわずか16座ほど・・・もっと多いと思ったのだが・・・しかし、最初の3座と最後の3座はきちんとお付き合いできた。ちなみに、自分の道南700m超峰は76座のうち残り5座。700m未満500m以上の山は66座のうち残り26座もある。とても真似のできる数字ではない。
彼は、これで、もう道南の山にも未練はなく、家族の待つ札幌へ心おきなく赴任できる満足感に酔いしれているようだった。