オキシマップ山(894m)<えりも町>
旧襟裳肉牛育成牧場〜南東尾根ルート  単独  12,10、25
この山塊で登り残していた山へ、ミヤコザサの歩きやすい急な尾根を登り、襟裳岬を眺める

4:15 新冠道の駅発
登り
地 点
下り
6:10
7:25
7:35
8:35
牧場ゲート前
樹林帯へ
林道
頂上
10:30
----
 9:20
 8:50
[2:25]所要時間[1:40]]
ピセナイ山へ



 このオキシマップ山は、襟裳岬へと没している日高山脈最南端の1000超峰豊似岳(一等三角点)を中心とした山塊の南側に位置する端正な形をした山である(1)この山塊の三枚岳までは登山道があり、その奥の豊似岳までは刈り払い道が続いている。05年にこの2山と東側の観音岳まで循環縦走をして猿留山道も歩いている。また、このオキシマップ山の西側に位置するルチシ山もその翌日に登っている。このオキシマップ山は残雪期の記録の多い山なので、夏に簡単に登れるとは思わなかった。ということで、この山だけが残ってしまった。

 しかし、このたび、夏の記録を探したら、「日帰り登山」というサイトに一つだけ見つかった。その記録によると、この山も丈の低いミヤコザサで覆われていて、藪漕ぎの苦労が少ないことが分かり、今回の予定に入れてきた。
 えりも町から十勝側へ抜ける国道336号線の追分峠の手前の旧道営襟裳肉牛育成牧場へ進むとゲートがある(2)前回豊似岳に登ったときには役場でゲートの鍵を借りたが、今回は、時間的にも余裕があるので、ゲートから歩くことにした。

 牧場の中の道路なりに、日の出間もない朝日に輝くオキシマップ山の南麓に広がる草地の最上部を目指す。その上の尾根から頂上へと繋がる樹林のない笹原を登る予定だ(3)

 前回は荒れ放題で、鹿牧場ではないかと思うほどの夥しい鹿の群れに驚いたが、今回は1頭も見当たらない。このことがあとで思わぬ事態へと繋がるのだが・・・・。

 40分ほどで道路の二股へ到着。その左へと進んだが、どんどん戻ってしまうような感じに不安を覚える。地図を忘れてきてしまったことが災いした。確認のために一度戻って、右の道を進んでみる。その先の右は7年前に登った三枚岳の登山口があることは知っている。そこで、歌別川沿いの林道跡をちょっと進むが、方向が違うので再び二股まで戻った。地図を忘れて来たために30分以上も余計なアルバイトをしてしまった。

 再び道なりに進むと川を越えて、広い牧場の草地の下へと続いていた。そこから草地の中を尾根の末端を目指してまっすぐ進む。その草地の中で2頭の鹿がこちらを見ていた。近づくと上の方へ逃げて行く。

 ところが、予想だにしなかった最近設置したと思われる高さが2mほその立派な鹿柵ネットにぶつかる。道理で、前回のような鹿の群れは見えないわけだ。

 ところが、先ほどの2頭の鹿がそのネットの反対側にいる。どこかに奴らがくぐり抜けた穴があるはず・・・と探したら、案の定すぐに見つかった(4)

 そこをくぐり抜けてさらに最上部の樹林帯との境目まで進むと、再び鹿柵ネットにぶつかる。そこでは先ほどの鹿がネットも立ち往生していた。こちらに気付いてネットを破って逃げようと格闘していた(5)

 刺激を与えて、窮鼠猫を噛む状態でこちらにでも向かってこられたら困るので、暫く様子を見ていた。ネットを破るのは諦めて、ネット沿いに下に下りていった。さて、こちらはここで諦めるわけにはいかない。仕方ないのでネットをよじ登って越えることにした。


 ネットを越えてトドマツ林を抜けて少し進むと、紅葉がきれいな林道にぶつかった(6)。その先の尾根は、膝下丈くらいのミヤコザサで覆われていて、どこでも自由に歩ける状態だった(7)

 ダケカンバ林の下に岩が露出しているところを通過する(8)その先は急斜面になるが、相変わらずミヤコザサの斜面が続く。右手に三枚岳と左奥に豊似岳のピークが見える(9)。やがて、ミヤコザサから草付き斜面へと変わる。ここが一番キツイ急斜面だった(10)


 草付き斜面を抜けると、尾根も細くなる。藪漕ぎの苦労はほとんどないまま、丈の低い葉の落ちたダケカンバとハイマツに覆われた頂上に到着(11)。稜線伝いに繋がる豊似岳をバックに記念撮影(12)積雪期には、この稜線を繋いで循環縦走も可能で、ネット上でその記録をみることができる。

 南へ目を転じると、登ってきた草付き斜面の下の牧場と、さらに太平洋へと突き出ている襟裳岬が見える(13)。 反対側へ目を転じると、アポイ岳〜吉田岳〜ピンネシリの稜線が見え、その右手前に昨年登った袴腰岳とその右側に、今回の計画に入れてきた天狗岳の尖った頂上がちょこんと頭を見せている(14)

 もう2度と来ることのないであろうこの山塊からの展望を十分満喫して、下山開始。

 急斜面ゆえに下りは速い。鹿柵ネットを越えるのは嫌なので、林道まで下りて、その左側へと進んでみた。しかし、土場跡のようなところで終わっていた。

 その下に集材路跡が続いていたので、それを辿ることにした。ところが、山の方はミヤコザサだったのに、ここは背丈ほどのチシマザサで覆われている。よく見ると鹿道もあり、足元には踏み跡が続いている。笹をかき分けながら、ひたすらその踏み跡を辿る。こんなところで思わぬ藪漕ぎとなった(15)

 やがて、その集材路は歌別川へと下り、鹿柵ネットの外側の道へと続いていた(16)その道を辿ったら、朝に偵察しておいた牧場の上の道へと繋がっていた。


 振り返ると、紅葉に彩られた山裾と先ほどまでいた頂上が見えた(17)ひとつだけ残っていた宿題をようやく終えた感じの快い満足感に浸りながら、牧場内の道路をゲートまで進んでゴールイン。ゲート付近の道沿いに真っ赤な実を付ける木が目に付いた。帰宅後調べたらやはりガマズミだった(18)



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