浜益御殿
(はまますごてん)(1038.6m)
〜雄冬岳
(おふゆだけ)(1197.6m)
<幌コース> 単独 山スキー 06,5,07
2度目の浜益御殿経由で、330m登り返して、広角な増毛山系の展望と滑りを楽しむ
5:00 浜益コミュニティセンター駐車場
5:30 車デポ地点
(3.4km地点、標高233m)
登山
地 点
下山
5:45
6:20
7:05
7:55
8:40
9:00
10:15
車デポ地点
尾根取り付き
大阪山
尾根合流地点
浜益御殿着
〃 発
雄冬山
13:00
12:40
12:30
12:20
11:55
----
11:00
[4:30]
所要時間
[2:00]
13:30 浜益温泉(入浴)
18:00 同上駐車場公園(泊)
GPSトラックログ
今日歩いたこの浜益御殿山頂は、江戸時代に開削された浜益の幌と増毛の別苅を雄冬山塊を越えて結ぶ
「増毛山道」
の最高地点で、明治39年に北海道の道路の最高地点を示す一等水準点が埋石された地点だそうである。しかし、その山道の面影は大正年代ですでに見当たらなくなったそうである。
浜益の地名の由来はアイヌ語のアマムスケ(穀物を煮るの意)やアママシケ(米を背負うの意)などに、今回目指した雄冬山の山名は、アイヌ語のウフイプ(燃えたところの意)に由来しているらしいが、それは、何を指しているのかは不明である。
浜益御殿までは、5年前に、昨日暑寒別岳で逢ったサトシンさんと二人で浜益岳に登って以来の再訪である。
幌小学校前の林道を車で入る。前回より雪解けが遅れていて、3.4km地点(標高233m)までしか入ることができなかった。
5:45、快晴の下、スキーをリュックにくくり付けてスタート。林道を600mほど進むと雪が切れないで現れるが、雪がまだ堅いので、そのまま尾根の取り付け地点まで40分ほど歩き続ける。
林道も前回より整備されているようである。林道の正面に浜益御殿と右に浜益岳が見えている
(1)
。
朝から無風の上に非常に暑い。7時前だというのに、Tシャツ1枚になる。広く緩やかな尾根の真ん中に、昨日のスキーやツボ足のトレースが登山道のように続いている。
通称大阪山(533m)を越えると、目指す雄冬山〜浜益御殿〜浜益岳が3点セットで見え、これから辿る尾根がずっと見通せる
(2)
。その上の尾根の取り付き地点にスノーモービル入林禁止の赤い布が張られ看板が立っている
(3)
。
浜益御殿まで続く広い尾根をひたすら登り続ける。
ちょっと急な斜面には思い思いのシュプールが残っている
(4)
。3時間ちょっとでハイマツに覆われた2度目の浜益御殿に到着
(5)
。
20分休んで、
雄冬山へ向かおう
(6)
とハイマツの裏側へ回ると、同じ場所に4泊目という二人連れの男性がいる。昨日は群別岳を往復し、今朝は雄冬山まで行って来たとのことで、危険なトラバース箇所を教えてもらう。ツボ足の男性が一人登っているとのこと。
シールを着けたまま、まずは140m下り、350m登り返さなくてはならない。コルまでは、あっという間である。国定公園なので入山禁止のはずのスノーモービルの今朝のものと思われるトレースが浜益岳の方から雄冬山へと残っている。
尾根が細くなる1000m付近に地図には現れない狭くて鋭い小ピークーくが行く手を阻むように立ち塞がっている。ここが危険なトラバース地点である。彼等は登りはスキーを脱いで尾根の上を歩いたらしい。彼等が下りで滑り抜けた東側の急斜面のトラバースの跡を怖々通過する。雪解けがかなり進んでいて、油断するとスキーもろとも雪崩そうである。途中から不本意ではあるが、スノーモービルのトラバース跡を使わせてもらう。あとは、帰りの滑りが楽しみな尾根の右の急斜面を大きくトラバースしながら登る。
途中で後ろを振り返ると、5年前に浜益岳から眺めて感動した道内5大鋭鋒の群別岳が、左に明日登る予定の奥徳富岳と右に南稜を従えて見える。この角度から眺める形が浜益岳からよりいい形である
(7)
(望遠で撮影)。
頂上直下で上からカンジキを履いた先行の男性がニコニコしながら下りてくる。挨拶をすると、なんとHYML仲間のA@札幌さんで、久しぶりの再会であった。浜益御殿の方を見ると、5人ほどが浜益岳を目指しているのが見える。
4時間半で、頂上標識もなく木にピンクテープがぶら下がっているだけの頂上に到着する。
南側には、左側に昨日辿った北尾根と暑寒別岳、中央奥に奥徳富岳と群別岳、右手前に大きな山体の浜益岳。さらに右手前に浜益御殿と、広角に増毛山系の主だった山々が見えるのがうれしい
(8)
。
無風の上、気温も非常に高く、さすがTシャツの上に長袖のシャツを着たが、そのままの服装でも暖かい。浜益御殿まで戻って2度目の浜益岳へとも思っていたがここからの大展望に満足してしまい、止めることにして、50分ものんびりとしてしまう。
いよいよ、楽しみにしていた急斜面の滑りである。しかし、雪解けもかなり進んでいる上に兼用靴でなく浅くて柔らかいプラブーツなので、攻めの滑りができないのが残念である。安全第一でターンを刻み、トラバース地点を恐る恐る乗り越えると、山スキーの男性が登ってくるのと出会う。
最低コルでシールを付けて浜益御殿までの140mを登り切ると、あとは下りのみである。林の中へ入ると、滑るところとそうでないところがあり、プラブーツは前のめりになったり後ろに引かれたりで非常に疲れる。それでも、1時間ほど前に下山したAさんに大阪山の手前で追いついてしまう。林道は、最後の300mほどのところまでなんとか滑り降りることができた。下山したら、気温が20℃もある。道理で暑かったはずである。浜益温泉に入り、その駐車場公園で夜を明かす。
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