オダッシュ山(1097.7m)   ヤスダ川コース   単独  04,04,14
03,7,17の夏道登山のぺージへ
昨夏登ったが、ガス中登山で何も見えなかったので、帯広に用事のあるついでに、山スキーで再挑戦。これ以上はないと思われるすばらしい展望に酔いしれる。。

登山
地点
下山
 8:35
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 9:50
10:30
10:45
夏道登山口(370m)
橋梁工事地点(410m)
尾根(775m)
前 峰(1050m)
頂 上(1097.7m)
12:20
12:05
11:45
11:38
11:30
[2:10]所要時間[0:55]

GPSトラックログ(100kb)
(登りは赤色、下りは青色)
 新得町の西に位置し、市街地からも、帰りに入った清水町の町営温泉・フロイデの露天風呂からもよく見える山である。昨夏の7月に佐幌岳と一日2山のセットで登ったが、ガスの中で何も見えなかったので、今回の山スキーでの再挑戦となった。

 ちょうど前日帯広に用事があり、当日の夜、札幌で会合があるので、その途中、あまり時間の掛からない山で滑りも楽しめそうな展望のよい山ということで、この山を選んだ。
 
 この山は十勝平野の広がり、十勝連峰から東大雪の山々、阿寒の山、さらには夕張山系や北日高の山々などがよく見え、展望のよい山ということである。快晴に恵まれた今回はまさにその展望をすべて目にすることができ、再訪の甲斐が大いにあったというものである。

 この山の名前の由来は非常に気になるところであるが、webで検索していたら『「狩勝峠」私的資料室』のというHPの「オダッシュ山の由来」に詳しく掲載されている。

 新得市街地のオダッシュ通りという道路をまっすぐ西へ進むと表面に前峰から長い尾根を引いたオダッシュ山(頂上は前峰の奥)が聳えている(1)。その道路の突き当たりのT字路を右に曲がって400mほど進むとヤスダ川の橋の手前に駐車スペースが確保された夏道の登山口がある。その登山口の100mほど手前に車の走っている林道があるので、入ってみたが、その突き当たりは高速道路の工事現場であった。車を置くと迷惑になりそうなので、登山口へ戻って、そこからスタートすることにする。

 初めは暗い感じのトドマツ林の中の多くの足跡を頼りに進む。10分も歩いたら突然目の前が開ける。高速道路建設のために100mほどの幅で伐採されたところである。スキーを担いで横切るが泥んこで靴が真っ黒になる(2)。この高速道路が完成したら、まさか高速道路を横切るわけには行かないだろうから登山道はどうなるのであろう?
 
 再びスキーを着けて、今度はカラマツ林の中を進む。夏道は500m付近で川を越えてコンタ沿いにトラバースして右の尾根に取り付くのだが、残雪期のメリットを生かし、もっと上の尾根の途中に出ることにして直登を続ける。狙っている尾根の方を見ると、その下のトドマツ林の手前に木のほとんど生えていない帰りの滑りが楽しめそうなおいしい斜面が見えるのでそちらを狙って登っていく。

 560m付近で沢地形を渡り、振り返ると、ニペソツやウペペサンケ、東西のヌプカウシヌプリなどの東大雪の山々が見えてくる。100mほど高度を稼ぐと、下から見えていたオープン斜面の下に出る。帰りの滑りを楽しみにしながらジグを切って登っていく。古いスキーのトレースも見られるのがうれしい。

 775m付近の雪庇の切れ目を探して夏道尾根に乗る。そこから前峰までの尾根が幅広くスキー場のように続いている。そして、その左側にパフパフパウダーの頃なら最高の深雪滑降を楽しめそうな実においしい斜面が広がっている(3)。帰りにその斜面を滑るか、尾根を滑ってくるか悩みながら登っていく。

 そこから前峰の頂上まではまっすぐ幅広の尾根を登っていくだけである。少し登ると前峰の右側に頂上が頭を出している。振り返ると新得の街並みや十勝平野が広がっている。

 2時間弱で前峰に到着(4)。頂上の左手奥にこの残雪期のうちにぜひ登りたい狩振岳の鋭峰と左手の稜線続きの1389m峰が目に飛び込んでくる(5)。あとは指呼の先にある頂上を目指すだけである(6)。

 稜線を進み急な斜面を登ると頂上(7)である。昨夏に登ったときは何も展望がなかっただけに、快晴の下の眺望が凄い。十勝連峰からトムラウシ、そして東大雪の山々がずっと続いて見えるし(8)、昨春登った下ホロカメットクの端正な形も懐かしい。やや霞みがちな十勝平野の向こうには阿寒の山も見える。近くの北日高の山々はもちろん、トマムスキー場のあるトマム岳の奥には夕張山系とさらにその右奥に増毛山塊までもがくっきりと見える(9)。そんな展望と春の陽気に45分もゆっくりくつろいでしまう。

 いよいよ楽しみな滑降下山である。頂上下の狭い急斜面にターンを刻み、ダケカンバの灌木帯の稜線を進み、前峰の上に立つ。下の斜面を見下ろすと、上の方はダケカンバの疎林であるが、下の方は木の生えていない一枚バーンがまっすぐ沢地形の底まで続いている。思わずその斜面に飛び込んでいきたい衝動に駆られるが、この斜面は絶対パフパフパウダー時期の深雪滑降の最高の斜面である。次回に取って置いて、今回は雪も溶けてかなり重いことから登ってきたスキー場のような尾根を滑り下りることにする(10)。


 斜度もあるので、あっという間に尾根に乗った地点まで下りてしまう。雪庇の切れ間から下りて、その下も楽しみにしていたオープン斜面である。ついつい、古いスキーのトレースもあるのでつい気を許し、滑りに酔っている内にどうやら下りすぎてしまったらしい。沢に下りればいいはずと目の前の沢地形を見ると登りのそれより深い地形で、振り返ると取り付いた尾根が登りで見たそれより遠くになっている。よくある失敗である。GPSと地形図で確かめたがやはり一本東側の沢の手前まで下りている。地図で確かめたらそのまま下りていっても登山口のヤスダ川と500mほどしか離れていないので、そのまま下りることにする。

 やがて古いスキートレースの付いた林道に出る。その林道は橋を渡って川の右岸沿いに続いているので、そのまま下っていくと、突然目の前に工事中の橋梁が現れびっくりする。そこは高速道路の橋梁の工事現場である。たくさんの飯場や建物があり、その先には工事用の乾いた道路が続いている。その上にスキーやリュックを置いて、車のデポしてある夏道登山口を徒歩で目指す。その道路は下から登ってきたときのT字路のすぐ手前に繋がり、わずか20分で登山口に到着してしまう。お陰で、高速道路用に伐採した泥んこのところを歩かないで済んだ。

 「いずれ、この高速道路が完成したら、この道路を利用し橋の下を潜った林道入り口が新しい登山口にでもなるのではなかろうか?ということは自分の滑り降りたルートはこれからの登山道や冬山のルートになる可能性が強い。怪我の功名である。」などと妙に自己満足しながら車で戻り、スキーやリュックを回収し、帰路に就く。

 まだ、時間も十分にあるので、清水町営温泉・フロイデで汗を流し、露天風呂から登ってきた山を眺めながらのんびりくつろぎ、札幌へ向かう。



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