大平山(おびらやま)(1190. 6m) [泊川コース]99.8.7 2回目

猛暑とゆるぎない急登と戦いながらも、目的のオオヒラウスユキソウとの再会に感動のオフミ登山

4:30 自宅発
7:45 宮内温泉前集合
登山地点下山
8:00
8:35
10:35
11:00
12:20
(昼食)
13:15
13:50
車止め地点
登山口
尾根乗越し
810ピーク
1109ピーク

1109ピーク
頂 上
(20:15)
16:30
15:30
15:20
14:40
(休憩)
14:25
14:00
[4:55]所要時間[3:00]

21:00 宮内温泉泊・大懇親会
「エーデルワイス群舞」
わずか3日後に登った浅地氏画
わが国で、この山と崕山にしかないエーデルワイスに近いオオヒラウスユキソウとの対面を目的の、お互いの山のホームページを媒介に1年以上になるインターネット上のお付き合いの仲間を中心とした、函館から3名、札幌から5名の私が誘ったオフミ登山である。

 島牧村の国道 229号線から泊川沿いの舗装道路を5分程走ると左側に下山した後の宿泊場所の宮内(ぐうない)温泉がある。そこで集合し、ほとんど初対面の顔合わせをし、車2台に分乗し、さらに奥にある車止め地点へ向かう。

 車止め地点には、単独行の青年がスタートするところであった。そこで、写真を撮り(1)、そこから、完成間近の橋を渡り、登山口を目指す。右側に流れる泊川とその渓谷の美しさに、みんな感嘆の声を上げながら進む。 ちょうど30分くらいで、登山口へ到着。かなり気温が高いようで、平坦な道でもかなり汗が流れる。車で止め地点で

 最初は暗く湿った沢地形の中の急登が続く。3年前に登ったときに比べて、かなりステップ跡がついているが、風もなく、暑くて、汗がしたたり落ちるのと、前夜の雨で滑るのと、急なために泥壁状のところがあったり、蚊やアブが襲ってきたりと、かなりワイルドな登りが続く。一人で歩いたときにそれほど気にならなかった、きついところや危ないところが意外に気になる。これも、リーダーとしての自覚のなせる業か・・・・?一番後ろのSさんご夫妻が遅れがちになるので、前の方に来てもらい、そのペースに合わせるようにする。
1109ピークをバックに
  1時間程で、谷地形から抜け、ブナ林の尾根斜面をトラバース気味に登る。やや傾斜は緩みがちにはなるもの、かなりの急な登りである。3年前の一人歩きのときの倍近いペースであるが、暑さが凄く、かなりきつい歩きである。さらに1時間程で、ようやく林を抜け、尾根を乗越し、冬の雪崩斜面なのであろうか、樹木はまったく生えないで急な背丈ほどの草が繁茂する急斜面へ出る。期待した風もまったくなく、休もうとしてしゃがむと草いきれでとても我慢できる暑さではない。

  その地点で、Sさんご夫妻は「ゆっくり後から行きます。1109ピークで皆さんが頂上から降りてくるのを待ちます。」と言う。迷う心配もないので別行動となる。そこから、草いきれの中のその茎を頼りの急登が続く。右側の岩が露出している小さなピークで、暫く休憩する。そこには、黒松内から来たという車で奥の方まで入ってきて先に登っていた若い3人連れに出会う。このグループは、その後、1109ピーク、頂上、下山と常に私たちの後を歩いて来て一緒になるというペースである。そのお陰で、後で大変お世話になることになるのだが・・・。

 810 ピークに登ると、目の前に両面に石灰岩を露出させた細い急な尾根が続き、その上に鋭い1109ピークがまさに聳えている(2)。その凛とした姿とこれから辿るその急な尾根に驚きと感嘆の声が上がる。 いよいよ、とりあえず、次の目的が見え、その途中に目的のオオヒラウスユキソウが咲いているはずである。だんだん、草丈が低くなり、いろいろな花が目に着くようになる。やがて、石灰岩が露出した地点に到着し、そこにまず最初のオオヒラウスユキソウを見付ける。前来たときは1か所だけだと思ったロープがぶら下がった箇所が3か所もある。その辺りから、もう終りに近い、わが国でこの山にしかないというカラフトマンテマも姿を見せるが、オオヒラウスユキソウの群生(3)もどんどん増えてくる。その他にイブキジャコウソウ、タカネナデシコ、クガイソウ、エゾノカワラマツバなどが目立つ。
オオヒラウスユキソウ
 それらの花々に歓声を上げながら、カメラに収めながら、疲れも暑さも忘れて喜々として登るうちに1109ピークに到着(4)。下のSさんご夫妻は、810 ピ−クから動く気配がない。ここで昼食を摂り、休憩して、空身で頂上を目指すことにする。 グループ登山の楽しさは、この食事時が最高である。ビールを初め、いろいろな食べ物が回る。私は、グループ登山のときに必ず持参する函館の「いかまんま」を温めて振る舞う。

 さて、何人頂上へ行くのかと思ったら、「日帰りなので、無理しない」というKさん以外、男性3人(Nさん、Hさん、私)、女性2人(Hさんの奥さん、H女史)が行くという。空身で、そこから、2か所、コル部分の日高稜線もびっくりのトンネル状のハイマツや灌木、笹藪の藪漕ぎを越えて、35分程で頂上へ到着。記念写真を撮り、やや小振りなオオヒラウスユキソウの咲く斜面で休憩。3年前にその下の斜面一面に咲いていたシナノキンバイは、もうすでに終わっていた。残念ながら、寿都湾はガスに遮られて見えない。
頂上をバックに1109ピークで
 15分ほど休んで、下山開始。わずか25分で、1109ピークに到着。付近で花探索を楽しんでいたKさんと合流して、さらに15分ほど休む。帰りは一番後ろから着いていくことにし、Nさんを先頭に急な下りに着く。上から見下ろす形になるので、花々が余計目に着く。気温はまさにピーク状態で、急な下りということもあり、汗が滴り落ちる。みんな下りは非常に速い。後からついて行くのが辛いほどである。

 こちらが 1109 ピークをスタートする時点で 810ピークで休んでいたSさん夫妻は下山開始したらしく、姿が見えない。 登るときに見上げて溜め息を上げた810 ピ−クまであっという間に下り、1時間弱で尾根を乗越して林にはいる地点に到着。とりあえず、太陽から逃れられることができ、ほっとする。

 この後、ゆっくり下りるというHさん夫妻とKさんの3人と、私を含めた3人の2グループに別れ、先行グループは、そこから1時間で登山口に到着。先に下りていたSさん夫妻と合流し、沢の上に掛かる橋のところまで下りて、水を飲んだり、体を洗ったりしてほっとして・・・・・・・・ここで、終わる筈が、ハプニング発生、

  Hさんの奥さんだけが下りて来て、「Kさん、捻挫して動けないでいる」との報告である。 急いで、水とストックを持って、Hさんと後から来た若いグループが付き添ってくれている現場へ駆け付ける。捻挫はたいしたことがなく、熱射病の症状のようである。その若い人達に救助隊の要請をお願いし、駆け付けたNさんとH女史と4人で介護に当たる。1時間程で、状態が落ち着き、2時間程で、意識が回復し、支えられながら自力で下山してくるところへ救助隊が合流し、サポートされ、無事下山。 病院へ行くほどのこともなく、大勢駆け付けてくれた消防や警察、役場関係の方々にお礼を述べ、20:15 には、宮内温泉に落ち着く。
うれしい祝賀の宴
  一緒に登るはずであったが、捻挫をしたとのことで、夕方、宿で合流する予定だった札幌のNさんも、サポートに協力していただく。 その後、21:00 と遅くなたにもかかわらず、宿の好意で、夕食が用意され、今日の反省会と、Nさんが作成してくれたポスターを囲んでの私の「北海道百名山一人歩き完登」のお祝いの席(5)を兼ねた懇親会は、Kさんもすっかり回復し、みんなほっとして、大いに盛り上がったのはいうまでもない。

 お世話になった、島牧村消防署、寿都警察署、島牧警察官駐在所、島牧役場のみなさん、後から下山してきた黒松内の3人グループの方々、本当にありがとうございました。 今回の皆様からいただきましたご厚情を無駄にせず、得た教訓を生かして、より一層安全で楽しい登山を続けます。


一緒に登ったHさんの写真がたくさんの「初対面登山隊大平山へ登る」のページへ


1回目の単独行の大平山へ(96、8.1)


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