大平山(おびらやま)(1190.6m)B
 [泊川コース ] 2名 07,7,26

1回目の単独登山(96,8,1)へ
2回目のグループ登山(99、8、7)へ
花・花・花に大満足の山行〜オオヒラウスユキソウなどの多くの特異な花々との再会を求めて8年ぶりの再訪

5:15 自宅発
5:55 道の駅「YOU・遊・もり」 
    (黒松内経由)
8:00 登山口
登山  地 点下山
 8:00
 9:20
 9:50
11:30
12:10
登山ロ
尾根乗越し
810mピーク
1109ピーク
頂 上
15:30
14:30
14:10
13:30
13:00
[4:10]所要時間[2:30]
16:00 宮内温泉(入浴)
     (せたな経由)
19:00 道の駅「YOU・遊・もり」
20:20 帰宅
 狩場山塊の東に位置する、漢字では大平山だが、読みは「おびらやま」という紛らわしい名前のこの山は、道内では珍しい石灰岩の山である。なんと言っても国内でもっともヨーロッパのエーデルワイスに近いとされるオオヒラウスユキソウ(1)を中心に、この山ならではの特異な花々が多く分布する山である。

 山名の由来は、大平川の水源に因るものであろうが、この川名はアイヌ語の「オ・ピラ・ウシ・ペッ」(下に崖・ある・川)に漢字を当てはめたらしい。

  かねてから、このオオヒラウスユキソウを見たいと言っていたマンタンさんを誘っての8年ぶり3回目の再訪である。前回は、登山口まで30分ほどの林道歩きがあったが、今回は河鹿トンネルが開通し、抜けたところが登山口の直ぐ手前で、駐車場も整備され、実質的な登山口となっていた。この道路は島牧と今金町美利河を結ぶ計画だったが、工事が中止されたので。今となっては登山者のための道路となってしまった。

 盗掘で悩まされているこの山に少しでも協力できればと、北海道高山植物盗掘防止ネットワークから依頼されている「高山植物パトロール」の腕章を着けて出発。すでに2組3人が登っているようだ。最初は、沢地形の中の足元の花やブナの巨木を見ながらの急登が続く。標高500m付近で尾根に乗り、650m付近でその尾根を乗っ越すと、南側の展望が広がる。ガロ川までの南斜面は一面急な草付き斜面である。その後は、頂上へ続く尾根の直ぐ南側に緩むことのない急登が続く。周りの草やところどころに設置されているロープに掴まりながら登っていく。

  810ピークまで登ると、目の前に1109ピークがドーンと飛び込んでくる(2)頂上はその左奥である。初めはその急さに圧倒されるが、足元には花が多くなり、それらをカメラに収めながら歩くので、それほど気にならない。
 
 やがて、この山の核心部とも言える950m付近の白い石灰岩の岩場に到着。ここから1000mくらいまでの間がオオヒラウスユキソウを初めいろいろなこの山ならではの花の多く咲く場所である。この山でしか見られないカラフトマンテマはひと株だけだが花が終わりかけで、オオヒラタンポポはすでに終わっていた。(花はまとめてアップ)

  オオヒラウスユキソウはちょうど見頃のものから咲き始めのもの、さらにはまだ蕾と・・・まだまだ当分楽しめそうである。個人的には、開き初めのポッテリとした感じのものが好きである(3)。それらの花々に捕まってしまい、撮影に忙しい(4)この辺りから、マンタンさんは歓喜の声を上げながら、一眼レフのカメラでの芸術性の高い写真の撮影に入る。この間だけでも、1時間近くは費やしたかも知れない。

 花狙いだけなら、1109ピークまでで十分なのだが、せっかくなので頂上を目指す。ここから頂上までは何ヶ所かハイマツや笹やダケカンバなどの強烈な藪漕ぎが待っている(5)私は踏み跡がはっきりしているだけでもうれしい。しかし、北アルプスや谷川岳等の岩場で鳴らしたアルパイン登はんのベテランのマンタンさんは藪漕ぎの経験がないとのことで、その強烈さに悲鳴を上げる。

 それでも、40分ほどで、最後は花畑の中を登って、一等三角点の待つ頂上へ到着(6)。それまで雲の中に隠れていた狩場山が雲の上に顔を出してくれるのがうれしい(7)

 昼食後、頂上直下斜面の花々探索をする。ここには、すでに終わりかけのシナノキンバイとトウゲブキが黄色く彩り、ウスユキソウも少しある。さらにこれまで見たことのない、花はノビネチドリのような紫色、葉はエゾカンゾウのような形の花をたくさん見つける。(あとで調べたらテガタチドリらしい?)

 50分ほどで、下山開始。藪を漕いでいくとガスの中から尖った1109ピーク(右)とその手前のピークが現れる。こんな所を越えてきたのかと驚く(8)

 それらを越えて、藪から解放されると、あとは速い。それでも、登りで見落とした花もあったりで、結構忙しい。






急な下りが続くので、転ばないように気をつけながら下る。マンタンさんの岩場のロープを下りるときの身の動きに登はんのベテランらしさを垣間見る。

 登りで撮影タイムも入れて3時間費やした尾根乗っ越し地点まで半分の1時間半で下る。そこからは一転してガスに包まれて幻想の世界が広がる(9)

 これらでの2回で体験したこの山特有のムッとする暑さもところどころでは感じたが、以前より気温が低かったらしく、それほどではなかったのが幸いである。

  1109ピークで戻ったという3人連れを追い越して、登山口へ到着。登山道のある山としてはきつい山ではあるが、花探索のゆったりペースであったせいか、マンタンさんもダメージは少ないようだ。宮内温泉で疲れを癒して、瀬棚周りで帰路に就く。


この山ならではの花も含めて30種類近い花々をどうぞ!

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