6日目 12/11、 降り続く雨の中、ゴールを目指して21km |
クインティン小屋7:30〜10:45ポートジェッド小屋11:15〜13:15ジャイアンツゲート・シェルター13:45〜15:10サンドフライポイント(ゴール)15:15〜(船)〜15:25ミルフォードサウンド〜15:35マイターピーク・ロッジ
○雨の中、迫力を増した滝を眺めながら
7:30、いよいよこれまでの最長距離、最後の21.8kmのスタートである。ゴール地点のサンドフライポイントから乗る船の時刻の関係で、遅くとも16:00までにはゴールしなくてはならない。
昨日から、日本ならとっくに洪水警報が出されているような大雨が続いている。ガイドの話では、道の上を通過する小川が増水しているので、それらを漕ぎながらの歩きを覚悟するようにとのこと。
昨日まで、はるか頭上から流れ落ちる滝はもう見飽きた感じだが、大雨でどの滝も迫力を増している。普段は見えない滝も姿を現しているとのこと(1)。
これまでと同じような景観の中、3時間ほど歩き、
ポートジェッド小屋に到着。今日は、ここと次のジャイアントゲート・シェルターの2箇所で休憩するので、昼食のサンドウィッチを2回に分けて食べれるように用意させられた。
30分ほど休んで、しばらく行くと、ニュージーランドで最も雨の多い地域に位置するというマッカイ滝に寄る。ここも迫力が一層増していた(2)。
相変わらず、鬱蒼とした原生林の中を進むが、我々の身長より遙かに大きなシダが登場してびっくりする(3)。
○靴の中までずぶ濡れになり、黙々とゴールを目指す
降り続く雨の中、段々疲れも増してきた上に同じような景観が続き、そろそろ飽きも来てたのか、修験道を歩く修験者の気分になってきて、「「世界一厳しい散歩道」の冗談も出てくる。
そんなことを考えながら歩いていると、深い水たまりに差し掛かる。ガイドのサポートを受けながら、膝ほどの深さを必死になって通過する(4)。ここまでも結構な水たまりや深い流れがあったが、なんとか靴の中まで濡らすことはないように気を付けて歩いてきた。しかし、ここからは、諦めて、どんなところでもザブザブ漕ぎながら歩くことができた。
足元の崖下から広がる水位が上がったアダ湖は、湖なのか洪水状態の川なのか分からないような感じである。天候が良ければ、ここから谷の向こうにゴールのミルフォードサウンドまでが一望できるらしい(5)。
2回目の休憩場所のジャイアンツゲート・シェルターで、2個目のサンドウイッチを食べて休憩。
そこを出て、すぐに吊り橋を渡るが、その吊り橋から見えるジャイアンツゲート滝が轟音を上げて落ちている。天候がよければ、シェルターではなく、この滝を見ながら河原での昼食となるそうだ(6)。
「急げば1時間半ほどでゴールです」という言葉に、かなり速いペースにも関わらず、全員早くゴールをしたい一心で、最後の元気を振り絞って黙々と歩く。雨で見えないすばらしいはずの景色はもうお構いなしである。
最後の3kmほどは1890年より18ヶ月もの間45人の囚人が働いて作ったという車でも走れそうな感じの広くて平らな道となり、ペースが上がる。
ついに、54km(33.5マイル)のミルフォードトラックのゴール、サンドフライポイント到着である。天候が良ければもっと大満足のゴールなのであろうが・・・(7)。
○船でミルフォードサウンドのホテルへ。
今日まで悩まされ続けたブヨの一種サンドフライの大襲撃を受けそうな地名なので休むことなく、
そのまま待っていた3:15発の船に乗り込む。我々が乗り込むと同時に出発した(8)。
わずか10分ほどで、ミルフォードサウンドへ到着。ここは、フィヨルド観光の拠点で、たくさんの遊覧船があり、ホテルも多い。迎えに来たバスにずぶ濡れのカッパのまま乗り込む。
ホテルに到着して、まず先にしたことは、濡れた靴やカッパや衣類やリュックを乾燥室で干すことである。その後、バスタブにたっぷりお湯を入れて浸かってさっぱりする。
前もって送っておいたこぎれいな服装に着替えての夕食会は、これまで食事のお世話もしてきた4人のガイドも一緒にディナーを楽しむことができるので、ゴールを祝し、ビールとワインで乾杯する(9)。
今日のメインディシュは、ラムとサーモンのステーキの2種類なので、二人で別々に頼んでおき、半分ずつ食べた。サーモンはトラウトサーモンなので、ちょっとくどかったが、ラムは癖がなくとても美味しかった(10)。
夕食後、広いミーティングルームに会場を移し、一人一人呼び出されての完歩証の伝達式である(11)一人一人、様々なパフォーマンスでガイドへの感謝の気持ちを表し、それに熱く応えてくれるガイドたちの対応が楽しい。
我々は、最後に面白い表情で応えてくれる4人のガイドに囲まれて写真を撮っていただいた(12)。
4日ぶりに、ギシギシする2段ベッドから解放されて、ぐっすりと眠ることができた。