布部岳(1348m) 
<富良野スキー場ルート>  山スキー  4名  09、5,04

富良野スキー場のロープウェイとリフトを乗り継ぎ、富良野西岳のコルを抜けて・・・最後の細くて長い稜線歩きが怖かった

新富良野プリンスホテル駐車場(泊)
登山
地 点
下山
 9:00
 9:20
 9:30
10:20
11:10
11:20
12:00
ロープウェイ駅
リフト終点
北の峰ピーク
富良野西岳北西コル
スキーデポ(c1240)
(休憩・昼食)
頂 上
15:00
14:40
----
14:05
13:15
12:40
12:10
[2:40]
所要時間
[2:30]
富良野市街地で買い物
山部・太陽の里(泊)
 布部岳・・・富良野市南側の国道38号線から富良野西岳の左奧に見える東側に岩壁を巡らせた台形の山である(1)山名の由来は、布部川の水源にあることに因るのかと思ったが、布部川は反対側の十勝連峰の方から流れ出ているので、これは当てはまらない。強いて言えば、布部地区からよく見える山だからだろうか?ちなみに、布部はアイヌ語の「ヌム・オツ・ペ(木の実が多い処)」だとか。

 この山へのルートは、富良野スキー場から北の峰を通る富良野西岳への夏道の尾根を辿り、1237ポコとのコルを抜けて頂上稜線の南側を目指すのが一般的なようだ。登山道はないので、積雪期に登られることが多いようだ。

 この度は「地図がガイドの山歩き」のsaijoさんからお誘いを受けての挑戦となった。メンバーは、これまで何度もご一緒しているsaijoさんとチロロ2さんに、お二人の知人のHoさんを加えて4人である。


○リフト終点から、まずは、富良野西岳と1237ポコとのコルを目指す。
 当初の予定は、6時に新富良野プリンスホテルの駐車場で待ち合わせ、スキー場を登る予定であった。しかし、3人が札幌を出るのが遅れて、7時到着となった。その時刻であれば、5/6まで営業のロープウェイを利用した方が速そうで楽なので、9:00の始発を待つ。うれしいことにロープウェイ料金がGW期間限定で片道1000円のところ往復500円・・・復路は必要ないがそれでも安い。上の第3リフトは350円であった。

 ロープウェイとリフトを乗り継ぎ、あっという間に北の峰まで上がってしまう。リフトを降りたら、係員に「山に登られるのですか?」と声を掛けられる・・・ヤバイ!・・・「ダメですか?」と聞くと、「いやいや、事務所の方に連絡しておかなければならないので、代表の方のお名前と連絡先を書いてください」と言われ、紙とボールペンを渡される・・・ホッとする。

 ここからは、富良野西岳の夏道となっている尾根を辿り、1237ポコとのコルを越えて先へ進むことになる。まずは、北の峰の最高点を踏んで富良野西岳を眺める(2)非常に暑くて、直ぐに半袖のTシャツ一枚になってしまう。

 尾根の上には、昨日富良野西岳に登ったという函館のSHOさんの足跡が続いている・・・まさか、この冬だけでも12日も同行しているSHOさんとこの様に離れたところで一日違いのニアミスだったとは・・・彼からの昨夜のブログへのコメントで知ったのだが・・・。

 1124ポコをかわしてトラバースし、c1100付近で尾根を外して、直接コルを狙う。コルに上がると、目指す布部岳とご対面となる(3)

○c1200mの等高線をなぞりながら・・・
 コルからは、富良野西岳の西斜面をトラバースしながらすすむ。ここから布部岳への取り付き地点の沼までは、c1200mの等高線をなぞるように進むのが、もっともアップダウンの少ない効率の良いルートとなる。この様なルート採りはsaijoさんの得意とするところである。

 富良野西岳の急斜面のトラバースを終え、次のコルを目指す。ポカポカ陽気のまさに春山ならではの雰囲気を堪能しながら快調にスキーの歩を進める(4)

 次のコルを越えると、芦別岳が目に飛び込んでくる。この方向から眺める本谷の北側の岩壁や岩稜の大迫力に一堂歓声を上げてカメラのシャッターを押す(5)
 目指す布部岳の全容も見えてくる。頂上は左奧のピークなのだが、どこから取り付くのが一番効率的かを見定めながら近づいていく(6)どうやら、北側の尾根を登るのが最適なようだ。

 沼の上を通過して、北側の尾根頭を目指して登る。急になる下の割れ目手前のc1240付近にスキーをデポする。

 振り返ると、富良野西岳と上手に通過してきた複雑な地形とその奧に十勝連峰の山並みが見える(7)。

○細い稜線を薮に掴まりながら・・・。 
 尾根頭は狭く、地図からも予測はできたが、その先の頂上までの稜線が、やたらと細い・・・。しかも、残っている雪庇は殆どが崩れ落ちそうな気配だ(8)
東側は足元からスッパリと切れ落ちた崖で、高所恐怖症の自分には、もっとも苦手とするところである。しかし、西側はハイマツや灌木の薮なので、それに掴まりながら、なんとか行けそうな感じである。

 しかし、自分とHoさんは兼用靴なので、非常に歩きづらい。足首の上のバックルを2つとも外す。「落ちるなら右だよ〜!」などと言いながら、薮に掴まりながら慎重に進む。

 しかし、まだ山歴の浅いHoさんは、私より高いところが苦手なようで、一番怖そうなコルの手前でギブアップし、そこで待つと言う。恐らく自分も10年ほど前だったら、同じ状態だったに違いない。だいぶ慣れてきたようだ。saijoさんに先行して貰い、チロロ2さんに後について貰い、頂上を目指す。コルの先は、雪庇の幅が広く、比較的楽だった。
 尾根頭から頂上まで440mの稜線だが、非常に長く感じる。ようやく一番高い地点に到着してホッとする。富良野西岳をバックに記念撮影(9)。山頂ビールも一口だけにしたが旨かった〜!

 富良野盆地を挟んでの十勝連峰(10)や芦別岳や見るだけで怖い夕張中岳、明日の予定の松籟山、御茶々岳、槙柏山などを眺めて、再びHoさんの待つ緊張の稜線を戻る。

 一度通ったところはあまり怖くないのは経験済みである。それでも慎重に歩を進め、無事、スキーデポ地点まで戻り、昼食タイムとする(11)腕を見たら、半袖で夢中になって薮漕ぎをしたので、傷だらけになっていた。

○満足感の余韻に浸りながらの下山
 コルへの登りに備えてシールを付けたまま下山を開始したが、結果的には、外しても支障はなかった。

  コルでシールを外して、スキー場を目指す。富良野西岳と北の峰の谷間から見える富良野市街地とその奧の十勝連峰の眺めが絵になる感じだ(12)


最後の北の峰は東側をトラバースして、直接ゲレンデの上に出た。あとは、ゲレンデの滑りである。気温が高い割にはそれほど雪が腐ってなく、ここでは、兼用靴の二人が実力発揮の快適な滑りを楽しむことができた(13)半袖でゲレンデを滑ったのは初体験ではないだろうか?

 下山後、富良野市街地へ出て買い物をする。山部自然公園太陽の里キャンプ場で、鍋を囲んでの楽しい酒宴・・・(14)しかし、寒くなってきたのと、明日の早い出発に備えて、19:00過ぎには打ち上げた。

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