貫気別山ぬきべつやま(1317.9m) [平取町] 
 <貫気別川西面沢>  2名 07,06,27

比較的易しいという貫気別川西面沢を詰めて、南西面に馬蹄形の急崖を巡らせた独特の山容の頂上へ
 
6:20 振内鉄道記念館前待ち合わせ
6:50 林道終点
登山
地 点
下山
 7:05
 8:00
 8:30
 9:10
 9:50
11:00
11:20
入渓地点(430)
604二股
760滝下
950二股
1050藪突入
1255稜線コル
頂 上
14:45
14:00
13:30
12:45
12:30
12:05
11:55
[4:15]所要時間[2:50]
15:40 振内鉄道記念館前(解散)
16:00 びらとり温泉(入浴)


 この貫気別山は、日高主稜線の西方に新冠ダムを挟んで位置し、稜線で繋がるリビラ山・ピウ岳と共に一つの山塊を形成している。南西面に馬蹄形の岩壁を巡らせ、独特の山容と雰囲気を持つ一等三角点の山である(1)なお、ルスツ高原スキー場のマウント・イゾラのピークも同じ山名で、そこを源流とする川も同じ名前である。語源は、アイヌ語で「濁った川」という意味らしい。

 登山道はないので、沢詰めか積雪期にしか登れない山である。貫気別川南面沢は自分の実力では難しそうなので、積雪期を狙っていたが、このたび発刊された『ganさんが遡行 北海道沢三昧』を参考に、彼らが下りに使った、頂上直下の北尾根のコルに突き上げる貫気別川西面沢が易しそうなので、このたびの挑戦となった。

 単独で登る予定で前日に家を出たが、途中で、これまで何度か同行している同年齢の千歳のtakaさんに誘いの電話を入れたら、二つ返事でOKが来た。誰とも出会うことのない沢登りは連れがいた方が絶対に心強い。

 当日の朝、平取町の振内鉄道記念館の前で待ち合わせ、貫気別川沿いの道を走り、旭地区からさらに奥に入る。最近設置された砂防ダム建設のために修復されたと思う林道を進む。地図上の林道終点の1kmほど手前のc430付近がその終点であった。朝の内はガスが立ち込めて見えなかったが、下山時には、その地点から独特の山容が見えた(2)

 準備をして、3年前の台風で大荒れに荒れた沢相の中を進む。510二股で水流の少ない左股へ進む。やがて、それまでとは一転した岩盤の間を流れるいい雰囲気の沢相が現れるが(3)5分ほどで直ぐにまた同じような荒れた沢となった。崖崩れ跡や流倒木がやたらと目に付く。
 
 604二股が南西面沢との分岐である。ここは左へ進む。伏流していてゴツゴツした岩が積み重なった沢で、水流が720m付近で再び現れる。「これならブタ沢だな〜」と呟いて、ふと前を見ると、「これこれ!」と言わんばかりに、予想だにしなかった30mほどの2段になった大滝が現れる。近づいていくとどうやら越えなければならない滝である。

760m地点の大滝である。その下でカメラに収まり(4)右から合流する小沢を利用して高巻く。ここから900m付近まではゴルジュ状の地形で、次々と滝が現れる。二人でルートを読みながら、岸を登ったり(5)チムニー状のところを直登したりと緊張の中にも楽しい遡行が続く(6)この間が、このコースの核心部であった。

  連続する滝を登り切って少しいくと950二股である。ここはいくつもの大岩が沢を塞ぎ、水流のない右を進む。

 途中に咲くヒダカハナシノブに心癒やされる(7)しかし、その直ぐ上で、熊の足跡と思われる痕跡が見つかり、まだ新しい緑色の糞も落ちている。笛を吹きながら急なガレ沢を登っていく。

 やがて、地図では読めない二股が現れ、沢底のしっかりしている右股へ入るが、方向がおかしいので直ぐに戻って左へ進む。熊の足跡も同じ沢に続くのがイヤらしい。1050付近から藪に突入する。藪漕ぎが苦手だというtakaさんの先に立ち、背丈を遙かに超える藪に頭から潜り込み、掻き分けては足元に続く沢底を探しながら登っていく。高度計の変化だけが励みである。見通しが利かないので、振り返っては沢型を確認し、2度ほど軌道修正をしながら、コルへ突き上げるはずの沢地形を掻き分けていく。

 1200近くになると藪も薄くなり、稜線が近いことを伺わせる(8)やがて、ドンピシャ狙った1255mの北尾根のコルに出る。「出たよ〜!」と叫ぶと、藪から飛び出してきたtakaさんのこれ以上の笑顔はないという表情が印象的だった。

 その尾根にはどこから続いているかは不明だが、頂上までは薄い苅分道が続いている。多分一等三角点の山なので、過去に測量が行われたときの痕跡かも知れない。ときどき解らなくなるので、テープを付けながら登っていくと、丸く刈り払われた頂上へ到着(9)1時間以上の強烈な藪漕ぎはあったが、沢詰めにしては楽勝の部類の4時間15分である。

 上空には青空が広がっていて暑いくらいだが、周りはガスが立ち込めて眺望は利かない。ときどき雲海の上に、5年前に登った南隣のリビラ山が頭を見せるだけで(10)期待した日高主稜線の山は姿を現すことはなかった。しかし、満足感・達成感にはいささかの曇りもなかった。

 30分以上待っても眺望は望めそうにもないので、下山を開始する。テープを回収し、コルからは、登りの痕跡を辿りながら、沢地形の真ん中をまっすぐ下る。登りで1時間10分も要した藪漕ぎ部分はわずか25分で下る。

 登りでちょっと苦労した780m付近の滝では、安全を期して、持参したロープで懸垂下降も経験する。南西沢との分岐の604二股まで下って、ふと後ろを振り向くと、奇っ怪な形をした山が現れた。予想していた岩壁が樹木に隠れているので、それが貫気別山だと気づくまでに、二人とも少し時間を要した。登りではガスで見えなかった山容も目にでき、大満足のゴールとなった。takaさんとの同行のお陰でお互いに念願の一山をまた増やすことができた。 

 takaさんのページへリンク
 


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