野田追岳(705.6m)A 
磐石岳トンネル北口〜国有林境界管理歩道コース  4名 12,11,10
06,6,14の下二股林道コース

磐石岳トンネル北口から稜線上の国有林境界管理歩道を辿って2回目の登頂

6:00 函館発
7:35 磐石岳トンネル北口
登山地 点下山
 7:50
 8:15
 9:45
 ---
10:15
トンネル北口
管理歩道合流
林道終点
626ピーク
頂 上
12:50
12:35
11:20
11:00
1035
[2:25]所要時間[2:15]
13:15 盤石温泉(入浴)
15:00 帰宅

 この野田追岳(1)(管理歩道上から撮影・右が頂上、左は626ピーク)は、八雲町の野田追川と落部川の分水嶺上に位置する二等三角点(点名・梯子沢)の山である。おもしろいことに、それぞれこの山を源流とする支流名が両方とも梯子沢である。

 この分水嶺上には、4mほどの幅の一級国道並みの立派な国有林管理歩道が整備されていて、それが1/2500の地形図にも点線で記載されている。この境界歩道の落部側が国有林で、野田追側が現在の日本製紙株式会社旭川の社有地である。この社有地は、現在も頂上直下までの植林事業が継続中である。

 06年には、野田追川支流の下二股川沿いの日本製紙株式会社社有林の林道を8kmほど先の終点まで入ることができ、頂上までの作業道を20分ほどで登った。しかし、全くのガス中で、眺望はゼロだった。その後、その林道ゲートは施錠されたままである。

 最近になって、函館のHYML仲間の龍さんから、盤石林道(山名は磐石岳なのに、なぜか林道名は盤石)の磐石岳トンネル付近から稜線上の国有林境界管理歩道へ繋がる作業道があり、そこから登ってきたという情報を得ていた。しかも、先週末に札幌のHYML仲間のヤマちゃんグループに先を越された。2グループの後塵を拝す形になったが、SHOさん、Taoさん、Saさんと4人で同じルートにトライすることにした。

 地形図では、トンネル手前の沢型から稜線上の歩道へ続く点線が記載されているので、てっきりそこが取り付き地点と思ったが、それらしい痕跡はない。そこで、ヤマちゃんに電話。「トンネルを抜けて直ぐの左側」とのこと。

 磐石岳トンネルを抜けたら、確かに左手に林道入口があった。ちなみに、この磐石岳トンネル(2)は、北海道内で二つしかない林道トンネルの一つである。山や林道に詳しいTaoさんとSaさんの意見では、「普通の林道では考えられない。たぶん、製紙会社所有の山なので、それが可能だったのではないか」とのこと。

 トンネルの左側へ続く林道入口をスタート(3)直ぐ先の左手の尾根の取り付き地点から急な尾根の上に新しい苅分道ができていた。林道をそのまま進んでも稜線へ続く自信がない。そこで、その苅分道に取り付いた。その右側一帯に筋刈りがなされ、植林が施されていた。その尾根道を直登すると、トンネル上の稜線上へ出た。その稜線上に続く苅分道を進む。


  稜線上の新しい苅分道の先にも古い苅分道が続いていた。少し進むと新しい四等三角点(点名・隋道上※隧道上の間違い?)が設置されていた(4)同じような新しい三角点標識は磐石岳頂上や盤石林道沿いにもある。この辺り一帯は北海道新幹線のトンネルのルートになっているので、最近になって測量がし直されたらしい。
 その直ぐ先の439地点で、国有林境界管理歩道と合流。一級国道並みの幅4〜5mほどの快適な道が続き、道沿いにはブナの巨木があちこちに生えている(5)。その道沿いには、昔宮内庁の御料地(現在の国有林)だった名残の○の中に宮と掘られた標石が残っている(6)


この稜線上からは、左手には、狗神岳の他に、落部川支流の梯子沢を挟んですぐ隣に聳える低い鉄砲岳、その奥に尖った824ピーク、さらに鍋岳、一番奥の乙部岳と重なって見える(7)
右手には、野田追川を挟んで、砂蘭部岳が見え、その先に目指す野田追岳頂上とその右奥に鋭く天を突く小鉾岳の迫力ある南面が望まれる(8)
 

 この稜線はアップダウンが非常に激しい。地図上で確認できるだけでも、5つのピークを越えなくてはならない。500ピークからは急激に50m下って60m登る。さらに530ピークまで登ったと思ったら、スタート地点とそれほど違わない420m付近まで下る。ここが最低コル。一番キツかったところは460ピークの先にある標高差50mほどの崖のような道だった。周りの笹に捕まったり、四つん這いになって登った(9)
 やがて、きれいに整地された林道終点へ到着。6年前に車で上がって来れた懐かしいところだ(10)。この辺りの右側の社有林には、道南にはほとんど自生しないアカエゾマツが植林されている(11)さらに面白いのは、周りにも自制しているダケカンバが植林されていることだ。Taoさんから、ダケカンバとシラカバの違いについて教えてもらった。


 林道終点から、右手に植林地の続く頂上までの稜線上の道を辿る(11)。6年前には同じ道を歩いているが、展望が全くなかっただけに初めての山を同じである。30分ほどで6年ぶりの三角点だけが設置されている頂上に到着。北側には、今年冬(山スキー)と夏(苅分道)の2回も登った砂蘭部岳とその右の横山、その手前眼下には桜野牧場が見える(12)


 更に、左側へ目を転じると、小鉾岳の南面が見える。まさに屹立する感じのなかなか迫力ある姿だ(13)。笹藪の中の頂上で、砂蘭部岳をバックに記念撮影をして休憩(14)
 登る途中から頂上の右手に見えた尖って聳える626ピークにも管理道路が続いているので、下山途中に寄ってみた。その道は、頂上の直ぐ下を通過しているが、私とSHOさんが鉄砲岳へ登るときに歩いた林道から続いているようだ。頂上には何もないことは分かっているが、背丈以上の笹藪を漕いで一応ピークを踏んで戻った。


 もとの分水嶺上の道へ戻ると、右側に一応ピークを踏んだ626ピーク、その正面に駒ヶ岳が見えた(15)下山のはずなのに、笹に捕まらなければ下れない急な下りで汗を掻き、急な登り返しではあえぎながら登る・・・単純標高差(スタート地点と頂上の差)ではわずか320mなのに、登山と下山の累計標高差はかなりあるはずで、結構疲労感の残るハードな山だった。

 439地点で管理歩道と別れて苅分道を下ったが、どこかで登りと違う作業道を下ってしまった。怪我の功名でトンネルから続く林道の終点に出ることができた。登りもこちらの方が楽勝の正解ルートだろう。

 その疲れを、無人無料の源泉掛け流しの盤石温泉で癒したことはいうまでもない(16)

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