七ッ岳(957m)A <上ノ国町/知内町/福島町>  
湯ノ岱コース   4名  09,9,09
98,10,10の紅葉の「七ッ岳」へ
数年ぶりに新しく開削・再整備された登山道を辿り、11年振りの再訪

 7:15 自宅発
 8:35 厚沢部町・檜山森林管理署
     (林道ゲートの鍵借用)
 9:10 上ノ国町湯ノ岱林道へ     
登り
地点
下山
10:10
(東)
10:50
11:05
12:00
登山口
(コース)
東・西コース分岐
稜 線
頂 上
14:00
(西)
13:15
13:05
12:30
[1:50]
所要時間
[1:30]
15:00 湯ノ岱温泉保養センター(入浴)
16:30 厚沢部町・檜山森林管理署
     (林道ゲートの鍵返却)
18:00 帰宅

頂上が上ノ国町・知内町・福島町3町の境界点となっている七ッ岳はどこから見てもそのピラミダルな山容が目を引く山である(1)(東隣の燈明岳とのコルから望む)。

 七ッ岳の由来は、知内側にボコボコと林立する親岳・馬岳・燈明岳・牛岳・長岳・丸岳とこの山を含めた7座の盟主としての山名らしい。まさに盟主に相応しい姿である。

 この山への登山口は、上ノ国町湯ノ岱地区から長い上の沢林道を詰めた七ッ岳大沼手前にある。しかし、ここ数年、林道や登山道の決壊で登山禁止が続いていた。昨年?林道の修復が終わり、今年の6月下旬に檜山森林管理署が中心となってボランティアを募り、新しく登山道を整備し数年ぶりに解禁となった。

 今回は、Fuさん、yamaさん、Kuさんを誘って、4名での11年振りの再訪となった。

○檜山森林管理署で林道ゲートの鍵を借用

 この上の沢林道には、入口からおよそ9km地点に鍵の掛かった林道ゲートがある。まずは、この鍵を厚沢部町にある檜山森林管理署で借りなければならない。そのためには、前もって電話にて連絡をし入林許可願いを提出する必要がある。今回はFAXで用紙を送ってもらってFAXで送信しておいた。平日は8:30から借りることができるが、休日も貸し出しできるように現在検討中とのこと。

 檜山森林管理署に8:30に到着できるように、メンバーを拾って、厚沢部町を目指す。鍵を借りる際の口ぶりでは、整備後、まだ登っている登山者はあまり多くないようだ。わざわざ、我々のために前日に林道と登山道状況を確認しに行ってくれたとのこと。畏れ多し・・・。

 さらに、江差経由で35分ほど走り、上ノ国湯ノ岱の上の沢林道へ入る。9km地点の林道ゲートを開けて、標識に沿ってさらに9kmほど走ると、以前と同じ地点に広い駐車スペースを備えた登山口があった(2)



 登山口には新しい登山道の案内地図が設置されていた(3)以前の登山道は、七ッ岳大沼の東端から稜線のコルを目がけてトラバース気味に続いていたはずだが、新しい登山道は沼を半周ほどして、さらに稜線の西側へ取り付くように変わっている。以前より距離が長くなっているようだ。また、稜線への取り付きの下までは東コース(頂上まで2590m)と西コース(頂上まで2400m)の2コースがある。

○新しい東コースの登山道から

 七ッ岳大沼の湖畔を半周する西コースを登り、下山に東コースを廻る計画でスタート。5分ほどで静かな湖畔に出る。新しい標識が設置されている。新しい登山道は、どうやら湖畔の反対側から目の前に連なる稜線の西側へ上がっているようだ(4)

 昔、この沼にニジマスを放流した話は聞いたことがあるが、若い頃、yamaさんはこの沼でチューブの浮き輪を使って釣りをしたことがあるそうだが、釣果はゼロだったとか。。

 植物の専門家であるKuさんやキノコに詳しいyamaさんに、いろいろ教えて貰い観察しながらのんびりと歩を進める。ところどころに枝道があるが、きちんと標識が設置されていて迷う心配はない。東・西コース分岐までの間に、明らかに前日に整備し直した箇所が3ヶ所ほどあった。一同、「皇太子が登山する前の整備みたいだな〜。」と感激しながら通過する(5)

 やがて、雨が降り出してくる。雨具を着けて前進する。その後、降ったり止んだりを繰り返す。新しい道ゆえに、足元のネマガリダケの切り口が上を向いているので歩きづらい。転んだら痛そうなので、慎重に歩く。

 やがて、東・西コース分岐に到着(6)そこからは稜線を目がけての急登が続く。ところどころ、整備後に伸びた草や灌木のの葉が道を覆い、足元が見えないところもあるので、下りは注意が必要だ。3ヶ所ほど土留めを兼ねた階段やロープが設置されている(7)

○稜線上の道

 稜線へ登り詰めた地点がおよそ中間地点のようだ。そこからは、道南中央分水嶺となっている檜山と渡島の境界線上の稜線を辿って頂上を目指す。周りはブナの木が多い。ネマガリダケの他に立木の枝を切りながらの開削なので苦労が偲ばれる。感謝をしながら歩かせていただく。

 ところどころから、左手の下にこの山のチャームポイントである七ッ岳大沼が見えるようになる。晴れていれば、湖面が青いはずなのだが、残念(8)

 やがて、コルに差し掛かり、正面に目指す尖った頂上が見えてくる(9)
 
 古い登山道はこのコルで合流していたはずである。その痕跡もまだはっきりと認められるし、「頂上まで四〇〇m」の古い標識もあった。そこから頂上までは、歩き込まれているので非常に歩きやすいのはいいが、頂上が近づくに連れて雨脚が強くなる。

 のんびり歩いたこともあって、それほど疲れを感じないまま雨の頂上に到着。まずは、立派な新しい標識を囲んで記念撮影(10)

 しかし、直ぐに雨は止み、昼食を摂ることができた。そのうちに、周りのガスが取れ始め、少しずつではあるが展望が広がってくる。

 車で走ってきた北側の上の沢林道方面や中央分水嶺上の東隣の親岳とその先のFuさんと昨冬登った袴腰岳と尖岳はなんとか確認できた(11)しかし、もっとも見たかった大千軒岳付近やこの山が従えている馬岳・牛岳・燈明岳・長岳・丸岳はガスで覆われたままなのが残念・・・。 

○下山〜西コースへ

 30分ほど休み、それ以上の展望は期待できない頂上を後にする。

 下りの稜線の先に登りでは見えなかった870ポコが見える。このポコを越えて中央分水嶺が南へ向きを変える地点が、大沼方向への下り口だった(12)途中で、登りで見つけておいたボリボリを収穫する。

 西コースは、タケノコ採りのフィールドになっているのか、東コースより幅広で非常に歩きやすく、途中から林道跡に合流する。そのまま10分ほどで、登山口に到着できるのだが、湖面と一緒に頂上をカメラに収めることのできる大沼の西端への踏み跡を辿る。

 湖岸に着いたときは頂上にガスが懸かっていたが、待っているうちになんとかそのガスも取れて、すっきりとした姿を現す。小雨の降る湖面にその姿を映す様をカメラに収めることができた(13)そのまま戻らずに、その先の湖畔の踏み跡を辿って、東コースの湖畔分岐まで進み、登山口へ・・・。

登山道沿いで目にした花・実・キノコ類

トチバニンジンの実

エゾノクロクモソウ

ツルシキミの実

岩場に咲いていたダイモンジソウ

ナギナタダケの仲間?

翌日の我が家の夕食に上ったボリボリ(ナラタケ)
 天気予報が外れて、雨が降ったり止んだりの天候だったが、頂上すら見えないという最悪の状況は避けることができた。植物観察も楽しみながらの久しぶりのグループ山行に満足し、今度は展望狙いの再訪を誓って登山口を後にする。

○温泉入浴〜鍵返却

 上の沢林道入口の湯ノ岱温泉保養センターで汗を流す。この温泉は珍しい炭酸泉で、好きな温泉のひとつでもある。

 木古内経由で帰ると近いのだが、鍵の返却のために、再び厚沢部まわりで帰路に就く。

 江差市街地を通過中、檜山森林管理署の担当者から電話が入る。遅かったので心配したらしい。鍵を返し、担当者とお礼がてらいろいろ情報交流をする。今後の登山道整備や管理ともっと登山者を増やしたいという意欲に感激する。このページが少しでもお役に立てれば幸いである。
 

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