七飯岳(779m) スカイライン通行止め右林道ルート    単独  04,03,14

雪の状態から、山スキー登山は最後のチャンスであろうと、城岱スカイライン通行止めの右側の林道から最短コースで頂上を狙う。
02,12,07のマウンテンバイク登山


登山地点下山
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 9:35
10:30
11:00
11:30
城岱スカイライン
通行止め地点
採石場最上部
629地点下
頂 上
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12:40
12:22
12:15
11:50
[1:55]所要時間[0:50]

GPSトラックログ(120kb)
(登りは赤色、下りは青色)
 この山は、七飯町市街地の後ろ聳え、函館近郊のどこからでも目立ち、標高450m以上一帯は樹木が全然生えてなく天然の芝生状のために頂上も含めて広大な城岱牧場になっている山である(1)。5年ほど前に城岱スカイラインが開通し、夏の間は途中まで車で行けるようになり、函館平野を見下ろす絶好の展望の山である。

 一昨年の初冬にスカイラインが通行止めになっても雪がなかったので、家からスタートして、マウンテンバイクでそのスカイラインと途中からの頂上までの道を登ったことがある。しかし、冬になると、頂上からの広大な樹木の生えていない斜面を眺めては、いつかは滑ってやろうと思っていた。近くて、いつでもと思うと逆になかなか行けないものである。

 雪の状態から、今シーズン最後のチャンスだろうと思い、急遽決行することにした。多分、下の方のスカイライン上や尾根にはもう雪がないはずなので、通行止め地点から雪の状態を見てルートを決めようと、一応頂上までの最短距離を地図上で狙って家を出る。通行止めまで行くと(2)、すでに車が7台ほど駐車されており、そのグループの足跡が、雪のまだ十分ある右側の杉林沿いの林道に続いている。多分、このツボ足はスノーシュー持参のグループで、行き先は七飯岳以外考えられないので、スキーを着けて同じルートを辿ることにする。

 その林道は400mほど先で左側に大きく曲がっているが、足跡はそのまま沢地形の右の雑木林の尾根に続いている。古いスキーのトレースも微かに認められる。この尾根を辿り、採石場の左側を通り、頂上から南西に採石場の上まで伸びる尾根を狙えば、間違いなく最短ルートである。雑木林の急な斜面をジグを切って登り切り、尾根に乗るとテープや枝払いした夏道状の痕跡が続いている。今度、夏に一度その状況を確かめに登ってみることにする。(頂上で逢ったYaさんは1年中、何度もそのルートを利用しているとのことである。)右手下には採石場が見える。

 その尾根の上を進むと採石場の道路にぶつかる。その上の採石場の上に頂上が見えている(3)。地図上の採石場の表記より、実際の採石場は北西側にかなり広がっていて、コンタ350辺りから483ポコの直ぐ下までその端が来ているようである。その道路は上の採石場まで続いており、道路を進み、途中で道路に雪がないので、道路の縁の雪の付いている部分を繋いで、採石場の上部から頂上へ続く尾根の下に到着する。(帰宅してGPSのトラックログを見たら、483ポコも採石場として削られてしまっているようである。)

 そこでようやく採石場から離れ、629地点へ繋がるダケカンバ中心の尾根へ取り付く(4)。上に行くに従ってダケカンバの密度は濃くなってくるが、何とか滑り降りることは可能である。629地点の下で林の中から牧場へと抜け出す。北西の強風が吹き抜ける頂上斜面を15人ほどの先行グループの一団が登っている最中である(5)。振り返ると函館平野の西側にはずっと雪雲が広がり、眺望がいまいちである。

 頂上下に広がるおいしい斜面は残念ながら黄砂が上を覆い、黒っぽいウインドクラストのアイスバーン状態である。しかし、シールも利くし、滑るときもエッジが利かないほどではない。大きく4回ほどジグを切って頂上へ到着すると(6)、先行グループのリーダーの方がこっちの登っていくのを待っていて、挨拶してくれる。向こうから「どこかで見たことがあるのですが・・・?」と聞かれ、名乗ると、「ああ、しばらくでした。昔、吉野山スキー場にいたYaです。」とのことである。約20年ぶりの再会である。吉野山スキー場が閉鎖した段階で本州の会社の方へ転勤したと聞いていたので、びっくりする。15年向こうにいて、こっちへ戻ってきたとのことで思い出話に耽る。

 彼にHPの名刺を渡したら、それをグループの人に話したらしい。その中の3人がmyHPの愛読者で、2人は江差の元山でお会いしたことのある方々で、わざわざ挨拶に来てくれて、しばらく歓談する。その後シールを外して、小屋の後ろを通り(7)、函館の方から見える頂上の南側の岩場の様子を見たくてそちらへ移動し(8)、それを下から写真に収めて、頂上の下をトラバースして滑降を楽しむ。先行グループはすでに下山を開始している。その上から黄砂で黒くなったアイスバーンに結構楽しいターンを刻み、629地点で休んでいる彼等に追いつき、挨拶して、先に尾根のダケカンバ林の中へ入る。

 尾根の上の方は樹木の密度が高く木々の間を潜りながら慎重に滑り降りる。ふと後ろを見るとキタキツネが付いてくる。こちらが停まるとそばへ寄ってきてお座りして、追い返そうとしても離れない(9)。その後滑り降りると、ついては来なかった。尾根を抜け、採石場の道路の縁の雪の付いているところを繋ぎ、再び下の尾根の林に入る。ここは雪付きが十分でなく、樹木の密度が高いので、スキーを脱いで林道まで下り、再びスキーを着けて林道を滑りゴールイン。

 今回は雪が少なく、登りと同じルートを下ったが、厳冬期であれば、牧場の斜面の夏道方向の斜面の滑降を楽しみ、途中からスカイラインの除雪されていない道路を滑降するのが最も滑りを楽しめるロングコースである。



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