七飯岳(779m) <登り〜城岱スカイラインゲート右林道ルート、下り〜牧場下スカイライン>
    4人  05,02,07
02,12,07のMTB登山
04,03,14の山スキー登山
04,12,11のMTB登山
春のような好天と3人の同行者に恵まれ、登りと下りのルートを変えて、頂上から牧場の長い斜面の滑降を楽しむ。

8:20 自宅発
8:40 城岱スカイラインゲート前
登下山地点
 9:00
 9:55
10:35
11:10
11:30
11:50
12:05
12:40
13:10
ゲート前(170m)
石切場上(450m)
牧場(620m地点)
頂上着(779m)
 〃 発
牧場下・スカイライン(480m)
スカイライン350m付近
(昼食タイム)
ゲート前(170m)
[4:10]所要時間
13:40 花の湯(入浴)
14:30 帰宅

 この山は、これまで何度も登っているが、函館近郊の七飯町の直ぐ後ろに聳え、頂上斜面が牧場になっているので、近郊の眺望とスキー滑降には最適の山である(1)。

  天候に恵まれ、平日も登山可能な3人の同行者を得て、北海道の山メーリングリスト編集の仮称『北海道雪山ハイキング』(北海道新聞社から今年中に発行予定)の取材山行ができた。

 メンバーは、先週のルート探索山麓スキーハイクにお付き合いいただいた私の山の元祖師匠であるYaさんと、その仲間で私と学生時代の同期・同研究室のIさん(スノーシュー)、そして、その二人が再開削整備した袴腰岳登山道(新中野ダムコース)を昨秋登ったときに出会ったFuさんである。

 今回のルートは、冬期間閉鎖される城岱スカイラインのゲート前を発着点とする1周ルートである。登りは、地元の登山愛好家たちが2年掛けて整備をした最短距離の夏道ルートを採る。ゲート前から右手の林道を進み、カーブの手前から右手の尾根に取り付き、石切場の縁を通って頂上を目指すルートである。このルートはカンジキやスノーシューは下りもいいが、山スキーでの下りは下と上の尾根の林が濃くて滑りには適さない。そこで、下りは、先週の偵察結果を生かし、頂上から続く長い牧場の斜面を一番下まで滑り降り、スカイラインへ出るルートを選ぶ。(GPSトラックログ参照)

 
 9時にゲート前を出発。林道のスノーモービルのトレースをスキーを担いで歩き始めるが、埋まるのでスキーとスノーシューを着ける。林道を10分ほど進み、林道が左へカーブする手前から、右の植林地の斜面の作業道を利用して、尾根に登る(2)。新しいスノーシューの足跡が続いている。

 尾根は雑木林であるが、灌木に鉈目が入り、赤いテープなども付けられて夏道の雰囲気を醸し出している。

 その尾根を抜けると、上の石切場の下に出る。目指す頂上とこれから登る尾根も見えている(3)。石切場の横の道路に続くスノーシューのトレースを辿るが、ずっと先にその主である先行者の姿が見える。

 石切場の縁の道路を辿り、尾根の下に1時間半ほどで到着。函館の町を眺めながら休憩する。尾根への取り付き部分のスノーシューのトレースは、スキーでは登れないような狭く急な崖の縁に続いている。Yaさんの昨冬の偵察で、その先に続く道路が尾根の先端を削って尾根の末端を巻くように作られ、尾根の直ぐ下に取り付けることが分かっているので、その道路を進む。案の定、楽に尾根に取り付くことができる。

 そこから牧場までは、広い雑木林の尾根の真ん中に続く踏み跡を辿る(4)。スキーでは登れないような急なところは、外れてジグを切りながら登っていく。30分ほどで、牧場の縁に出る(5)。一気に函館平野の眺望が広がる。そこで、体調がすぐれないと言うYaさんとスノーシューのIさんは、登頂を諦めめて、牧場の管理道路の続く斜面からスカイラインへ降りるという。

 私とFuさんは、そのまま頂上を目指す。途中まで登って下を見ると、その二人とあとから登ってきた単独行の女性が話をしている。やがて、彼等も歩き出し、沢の上を巻いて管理道路の方へ向かい、単独行の女性は、まっすぐ頂上へ向かってくる。

 下りが怖そうなウインドクラストしている頂上斜面を大きくジグを切りながら登っていく。しかし、北側の斜面は心なしか雪が柔らかい。

 やがて、頂上へ到着するが、頂上で迎えてくれたのは、予想通り、この夏道を整備してくれた地元のYaさんであった。この方は、昔の吉野山スキー場の支配人で、若い頃とてもお世話になった方である。昨年の3月にやはりこの山で25年振りに懐かしい再会を果たしていた。彼は、週に2回は登っているそうである。

 この時期には珍しく無風のポカポカ陽気である。駒ヶ岳や噴火湾(6)、後ろの横津岳(7)、眼下の函館平野から津軽海峡まで(8)、360度の眺望が広がる。この山に昨年から4度目であるが、これだけの天候と眺望は初めてである。昨年から仕事の関係で札幌から函館へ来られたので、初めてこの山に登るFuさんも大感激である。



 3人でそんなすばらしい眺望を楽しんでいるうちにスノーシューをリュックに括り付けてツボ足で登ってきた単独行の女性が到着する。Yaさんの予想通り、桔梗にお住まいのUさんという方である。この方が、いきなり私の顔を見て、「坂口さん、いつもホームページ参考にさせていただいています。」と挨拶される。びっくりして、「どこかでお逢したことがありましたか?」と聞くと、下の二人から私のことを聞いて来たとのことである。

 その彼女が横津岳スキー場の上からこの頂上に続く吊り尾根を歩いてみたいという。自分もいずれはと考えていたことである。こちらから眺めると、スキー場の上のばんだい号慰霊碑の建つピークの下はオープン斜面になっているので、スキーでの滑りも楽しめそうである。いずれ、こちらの計画のときには連絡するという約束をして、全員下山を開始する。

 私たち二人はスキーなので、少しでも雪の柔らかい北側の斜面の方へ移動して滑り降りる。

 下の斜面も北側の沢に近い方がクラストしていないので、そちらを狙って気持ちよいシュプールを刻む(9,10)。
 
 牧場の一番下までの標高差にして300m近い滑降を楽しむ(12)。あとは、直ぐ下のスカイラインへ降りるために林の中を慎重に下る。

 標高480m付近でスカイラインへ下り立つ。登りの途中で別行動になったYaさんとIさんのトレースが残っているところを見ると、先にこの地点を通過したようである。スノーモービルのトレースで踏まれたスカイラインを下っていくと、彼等の姿が見えてくる。
 
 ちょうど振り返ると七飯岳が見え、眼下に函館平野が広がるところで昼食タイムにする。ポカポカ陽気で非常に気持ちのよいのどかなひとときである(13)。
 
 途中の送電線の下で、大きく迂回するスカイラインをショートカットすべく、植林地の中を抜けて下る(14)。

 あとは、緩やかなスカイラインをのんびり下り、振り出しへ戻る。スキーの3人が靴を脱いで帰り支度の整ったところへ、スノーシューを脱いでツボ足になったIさんが到着し、4時間強の楽しい山行は終わる。帰路の途中、Fuさんと二人で、花の湯で汗を流し、帰宅する。


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