中山(905m)&春日風穴(600m)<置戸町>
<中山林道コース&風穴遊歩道> 単独  11,10,6&10,8  

国内で一番最初にナキウサギの生息が確認された中山と今でも生息している春日風穴へ

10/6<春日風穴>
登山
地 点
下山
12:15
12:30
12:35
12:45
林道ゲート
レリーフ設置地点
案内板
風穴帯
13:20
13:05
13:00
12:50
[0:30]所要時間[0:30]

10/8<中山>
登山地点下山
5:40
6:45
7:15
中山林道ゲート
送電線下
頂 上
8:40
7:45
7:20
[1:35]所要時間[1:20]

帰路へ
GPSトラックログ
(サトマサさんから借用)
 置戸町の公式HPによると、置戸町の中山の中腹南斜面は、「ナキウサギが北海道内で最初に確認された場所で、北海道のナキウサギ分布域の最東端に当たる。その中でも「春日風穴」は、今でもナキウサギが生息していて、辺り一帯は、昭和50年には学術研究や森林施業の参考とするため、道有林保護林設定要領に基づき「ナキウサギ生息アカエゾマツ保護林」に設定、平成17年に北海道の「学術自然保護地区」の指定を受けている・・・とのこと。 

 たまたま、北見地方にまだ登れる山はないかと、ネット上でいろいろ探していたら、岳友のサトマサさんの「アソビホロケール山」にこの中山と春日風穴の記録が載っていた。国内で最初のナキウサギの生息が確認された山で、林道を繋いで頂上まで登れるこという情報に興味を覚えて計画に入れておいた。

○まずは、春日風穴へ

 仁頃山を下山後、まず、「春日風穴」へ向かった。留辺蘂温湯根から置戸に抜ける道々247号線を走る。雨上がりの置戸町勝山地区から中山の全容が見える(1)勝山市街地からさらに仁居常呂川沿いの道々211号線を進む。下春日林道との分岐を過ぎて直ぐの分岐に「風穴→ここから1.5km」の新しい看板が立っていた(2)

 林道ゲートは施錠されていた。空身で、雨上がりなので、スパイク長靴で林道を辿る。林道分岐に洒落た「風穴」の字を芸術的に崩した標識が立っている(3↓)。その指示に従って右の林道を5分ほど進むと、案内図があり(4↓)、その先に登山道が続いていた(5↓)



 矢印の道標が細かに立てられている細い登山道をジグを切って登っていくと、壊れた小屋が建っている。これは、この風穴地帯で北大が学術調査を続けていた頃の観測小屋らしい(6)。その辺り一帯は針葉樹林帯で、林床の積み重なった岩が一面目苔で覆われて、いかにもナキウサギの生息地にふさわしい景観である(7)

 苔に覆われた斜面の道を登って行くと、ロックガーデンに出る。風穴と言うと、普通は一つの穴から冷たい風が吹き出ているところが多いが、ここは、いわば風穴帯である。規模は長さ約80メートル幅50メートル。風穴内の温度は年中摂氏5度と一定で、ナキウサギの生息条件になっているようだ(8)しかし、寒いことや雨上がりなどから、泣き声すら耳にすることはなかった。その風穴帯の上には、東三国山の端正な頂王が見えている(9)

 その後、中山へ登れる中山林道入口へ廻る。サトマサさんの記録によると、そのゲートは開いているとのことだったが、施錠されていた。ここから歩くとなると、時間が足りないし、また雨が降ってきそうなので、出直すことにして、留辺蘂へ向かう。『Ho』の無料クーポン券が利用できる塩別つるつる温泉で入浴して、道の駅おんねゆ温泉に連泊することに・・・。

○一日置いて、中山へ

 雨で一日停滞し、3連泊となった留辺蘂道の駅おんねゆ温泉を出発し、国道39号線を石北峠に向かって走る。厚和から道道88号線に入り常元から左折し、足寄方向へ向かう。その途中で、ハプニング発生!

 路外にいる一頭の立派な角を生やした大きなオス鹿を発見。鹿は良く車の前を横切って反対側へ逃げたりすることが多いので、スピードを緩めた。ところが、何を思ったのか、その鹿、道路上に飛び出し、車の左側面に衝突しやがった・・・やばい!・・・バキッ!ドスン!・・・鹿はそのまま林の中へ逃げていった。鹿が大怪我をしていないような様子に安心して、車を停めた。

 車を降りて、見たくない心境ながら恐る恐る覗いてみた・・・バキッという音は、サイドアンダーミラーの折れた音で、ドスンは、フェンダーとドアが凹んだ音だった(10)・・・フロントにぶつからなかったのが不幸中の幸いだ。フロントにぶつかったら、ボンネットに跳ね上がり、こちらも鹿も大怪我をしていた可能性大だった。道東では、この様な事故が日常茶飯事らしいが、まさか自分がその対象になるとは・・・・トホホ!

 走行には支障がないので、そのまま中山林道入口へ向かう。

 施錠されているゲートの前に車を置いてスタート(11)。まもなく、立派な看板が立っている分岐に到着。その看板に見入る。「置戸勝山学術自然保護地区」の地図付き看板で、内容は、「この地区は、置戸町勝山の南西、標高905mの中山の中腹に位置し、面積486haの区域です。地区の林相は針広混交林となっており、林内には岩石の堆積地が見られ、そこから冷気が噴出しています。このため、その周辺は、風穴植生となっており、林床はコケ類に覆われ、低地であるにもかかわらずミヤマハンショウズルなどの亜高山から高山性の植物が生育しています。また、岩石地はエゾナキウサギの良好な生息地となっています。平成17年12月2日北海道」と書かれていた(12)
 
 しかし、中山頂上への林道は、その指定地区から外れており、期待したような景観は一切なく、針広混合林の中に続く変化のない林道歩きだけだった。その横に「中山反射板」の道標が立っている。この道標林道分岐には必ず設置されていて、それを辿って行くと間違うことなく頂上まで到着できる。

 標高700m地点のヘアピンカーブから唯一展望が開け、手前の山の向こうにクマネシリ山塊が見えた(13)。その先で、送電線の下を通過。その地点から送電線沿いの中山支線林道へ向きを変えて進む(14)

 5分ほどで再び分岐があり、「中山反射板→」の道標に従って、右の林道跡へと進む(15)。上に行くにつれて笹が覆いかぶさってくる。雨上がりなので雨具の下を穿いて進む。頂上手前には傾いた小屋が建っていた(16)。その上が頂上で、三等三角点が設置され、倒木の根の向こうに反射板が立っていた(17)

頂上からは、置戸方面の展望も開けているが、雨上がりなので、よく見えなかった。南側には東三国山の稜線が見えた(18)。

 途中から見えたクマネシリ山塊と東三国山の展望以外に、これといった楽しみはなかった。しかし、ナキウサギの生息が最初に確認されたいわく付きの一山をゲットできて大満足で林道入り口まで戻った。しかし、忘れていた鹿と衝突した車を見たら、ちょっとブルーに・・・。車両保険に電話して確認したら、補償の対象になり、全額負担してもらえることが分かって、ひと安心。鹿だけにしかたない・・・。これまで、新車を購入しても車両保険に入ったこともないのに、今回だけは、セールスの「3年ぐらいは入っておいた方が良いですよ」の勧めに乗って入ったのである。これで、3年で2回の適用となり、大いに助かっている・・・・ってなわけで、気持ちも明るくなり、そのまま道々88号線を南下し、足寄〜上士幌〜日勝峠〜美笛峠経由の520kmを走って、1週間ぶりの我が家に帰ってくることができた。


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