中山道歩き旅
       前半<武州路・上州路〜信濃路〜木曽路> 単独 2016,5,24〜6,4
後半<美濃路〜近江路> 妻同行 2016,11,12〜11、19
 

○中山道とは

 中山道は慶長6年(1601)から7年間で他の4街道(東海道、日光街道、奥州街道、甲州街道)とともに整備された街道である。古くは都と東国を結ぶ東山道と称された。

 当初、「中仙道」と称されたが、享保元年(1716)「中山道」と書くように改められた。江戸日本橋から、上野、信濃、木曽、美濃、近江を経て京三条大橋まで135里32丁(約534km)69宿あり東海道とともに幹線道路であった。草津宿では東海道と合流。東海道よりは40kmも長い道程である。中山道は木曽路をはじめ、峠道が多く、人馬の往来は困難であった。参勤交代の大名は東海道の154家に対し中山道は34家と少なかった。しかし、往来が少ないうえに、大河もなく、氾濫に伴う渋滞も少なかったことから、二条城番、大阪城番、日光例幣使などは、片道を必ず利用した。又、将軍へ献上する宇治茶の茶壷道中や、将軍に輿入れの皇女和宮、清河八郎を総大将にした浪士隊も通過した。
   
 各所に中山道の風情のある宿場町が残っている。特に木曽谷の奈良井、福島、妻籠、馬籠、すっかりおしゃれな町となった軽井沢、温泉地の下諏訪、山の中に取り残された大湫、細久手、河川運輸の要衝だった赤坂等々。地域の人々が、一体となり、町並みの保存に当たっている。

○計画と準備

 大きな役職も退任できて、これからは、時間が今までより自由になるので、もっともっと本州の山旅と歩き旅をしてみたいと考えていた。これまでも、歩き旅は、四国遍路(37日間)、熊野古道(中辺路・小辺路)(10日間)、ぐるり富士山トレイル(6日間)を経験している。

 いつものことだが、北海道では触れることのできない中世や近世を含めた重層的な歴史に触れることができるのが大きな魅力である。それらにじっくり触れることができるのが歩き旅である。

 次に考えていたのは旧街道だった。五街道をすべて踏破した箱館歴史散歩の会主宰中尾仁彦さんによると、一番のお勧めは、五街道の中でもっとも江戸時代の面影をそのまま残す宿場町やその遺構が多い中山道のとのこと。有名な木曽路の妻籠宿や馬篭宿もこの街道にある。

 そこで、まずは、「中山道69次」の歩き旅を計画した。全長534キロで、日本橋から京都三条大橋までを山側で繋ぐ街道である。1日25km平均で歩くにしても、20日以上は必要だ。できれば、一気に歩き通したかったが、暑い夏を外して今年のスケジュールを見ると、まとまった日程が組めそうにもない。

 仕方ないので、梅雨前と紅葉時の2回に分けて挑戦することにした。今回の前半の部が、武州路・上州路〜信濃路〜木曽路、後半の部は、残りの美濃路〜近江路とした。 峠越えが多いので、五街道の中では最も気力・体力を必要とするらしいが、歩き応えのある魅力的な旅になりそうだ。 

 中山道歩き旅の本はたくさん出ているが、山と渓谷社の『歩いて旅する中山道』を持参して歩くことにした。コース地図や細かな見どころなどが詳しく載っている。ネット上にも多くの記録が見られるので、それらを参考にしたい。

 新しくこのために買った装備は、靴とリュックに付けられるチェストバックだけだ。あとは、登山用品で十分間に合う。

 靴は、現在登山靴として使用しているサロモンの堅牢でフィット感もホールド感も最高なトレランシューズでも良かったが、もうへたってきて、ゴアテックスがダメになっている。雨の日も歩きたいので、amazonで同じような作りのサロモンの靴を探したら、半額近いウォーキングシューズが見つかった。チェストバックも、本が入る大きさのものをやはりamazonで見つけた。

 費用は、宿泊代も入れて1日1万円以内で収めたい。したがって、宿泊はできるだけ安い宿やビジネスホテルの予定だ。これまで同様に歩く距離と相談しながら、スマホで探しながら、前日か当日にでも予約を入れて歩くつもりだ。できれば、旧宿場町での泊まりにこだわりたいと考えた。

 結果、<前半の部・337km>は、14日間で組んだ計画を、1日当たりの距離を延ばして、12日間で踏破できた。また、いつも通り、連日、スマホからブログを更新しながら歩いた。
 
 <後半の部・196km>は、日も短く、妻同行だったので、7日間で組んだ計画を、後半の3日間の距離を縮めて、予備日を利用して8日間に延ばした。今回も、連日、スマホからブログを更新しながら歩いた。



○行程結果 ※クリックすれば、その記録が見られます。
<前半の部>(単独行)
5/24(火) 函館〜(飛行機)〜羽田、
【武州路・上州路】 
      日本橋〜1,板橋宿〜2,蕨宿  <計18.7km>
@5/25(水) 2蕨宿〜3,浦和宿〜4,大宮宿〜5,土屋宿〜6,桶川宿〜7,鴻巣宿 <計29.0km>
A5/26(木) 7鴻巣宿〜8,熊谷宿〜9,深谷宿  <計27.4km>
B5/27(金) 9深谷宿〜10,本庄宿〜11,新町宿〜12,倉賀野宿〜13,高崎宿  <計34.3km>
C5/28(土) 13高崎宿〜14,板鼻宿〜15,安中宿〜16,松井田宿〜(横川) <計28.0km>
D5/29(日)( 横川)〜17,坂本宿〜18,軽井沢宿〜19,沓掛宿〜20,追分宿〜21,小田井宿〜(岩村田宿手前) <計28.3km>
【信濃路】
E5/30(月) (岩村田手前)〜22、岩村田宿〜23,塩名田宿〜24,八幡宿〜25,望月宿〜26,芦田宿〜27,長久保宿 <計24km>
F5/31(火) 27長久保宿〜28,和田宿〜29,下諏訪宿  <計29.3km>
G6/1(水) 29下諏訪宿〜30,塩尻宿〜31,洗馬宿〜32,本山宿〜33,贄川宿〜34,奈良井宿 <計37km>
【木曽路】
H6/2 (木)  34奈良井宿〜35,藪原宿〜36,宮ノ越宿〜37,福島宿〜38,上松宿 <計29.2km>
I6/3 (土)  38上松宿〜39,宮ノ越宿〜40,須原宿〜41,野尻宿〜42,三留野宿〜43,妻籠宿 <計35.5km>
J6/4 (日)  43妻籠宿〜43,馬篭宿〜44,落合宿〜45,中津川宿 <計16.9km>  中津川〜(JR)〜名古屋
6/5 名古屋〜(飛行機)〜函館

<今回の合計距離 約338km(残り196km)> ※1日平均距離 30.7km       

中山道歩き旅(前半の部)を振り返る

<後半の部>(妻同行)
11/11(金) 函館〜(飛行機)〜(列車)〜中津川 
【美濃路】      
@ 11/12(土) 45中津川宿〜46大井宿〜47大湫宿〜48細久手宿〈29.4km〉
A 11/13(日) 48細久手〜49御嶽〜50伏見〜51大田〈24.4km〉
B 11/14(月) 51太田宿〜52鵜沼宿〜53加納宿〈24.5km〉 
C 11/15(火) 53加納宿〜54河渡〜55美江寺〜56赤坂〜56垂井〜57関ヶ原〈29.9km〉 
【近江路】    
D 11/16(水) 58関ヶ原宿〜59今須宿〜60柏原宿〜61醒井宿〜62番場宿〜63鳥居本宿〜64高宮宿 〈28.5km〉  
E 11/17(木) 64高宮宿〜65愛知川宿〜66武佐宿〜(JR野洲駅)〈29km〉   
F 11/18(金) (野洲駅)〜67守山宿〜68草津宿〜(膳所駅)〈20km>
G 11/19(土) (膳所駅)〜69大津宿〜京都三条大橋 〈14km〉 京都〜(JR)〜大阪 
11/20(日) 大阪(伊丹)〜(飛行機)〜函館
 
<今回の合計距離 約196km(合計534km)>  ※1日平均距離 24.5km       

中山道歩き旅(後半の部)を振り返る


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