鍋岳(928m) <八雲町>
  
<清水林道終点〜南東尾根ルート> 山スキー&カンジキ  2名  09、2,11

9時間半のロング山行の末、数年来の念願がようやく叶う

4:45 自宅発
6:15 清水林道入口
登山
地 点
下山
 6:30
 8:40
11:30
12:00
林道入口
林道終点
825ピーク
頂  上
16:00
13:55
12:55
12:30
[5:30]
所要時間
[3:30]
17:30 しんわの湯(入浴)
18:30 帰宅

  鍋を伏せたような山容が由来と思われるこの山は、乙部岳から北東に延びる稜線上に聳え、ずっとその存在が気になっていた900m峰である(1)(昨冬撮影)。

 記録のまったくなかったこの山への挑戦は、数年来の念願であった。夏に乙部岳を越えてコルまで下りて、薮漕ぎに挑戦し、濃密なネマガリダケ帯に阻まれたのが3年前・・・。そのとき以来、冬季以外には無理とのことで、八雲町の桜野牧場から姫待峠への林道を詰めるか、厚沢部町の清水林道を詰めるか、山仲間といろいろ検討して来た。結果、清水林道の方がベストとの判断に立ち、昨冬挑戦するはずだったが、大腸癌で入院。しかし、Ko玉さんとその仲間が2度目の挑戦で登頂を果たしていた。今回は、その情報を参考にSHOさんと二人で出掛けた。

 
乙部岳や鍋岳を源流とする清水川の左岸に続く清水林道入口は、厚沢部町清水地区の道道67号線沿いにある(2)昔(1960年代まで?)、乙部岳登山道はこの林道の途中から415ピークを経由して九郎岳へ繋がる尾根上にあったらしい。その名残なのか、入口には「清水乙部岳線」の標識も立っている。

 ルートは、6.5kmに及ぶ清水林道を終点まで詰めて、その末端のある南東尾根に取り付き、頂上へ繋がる南尾根に合流するルートである。(GPSトラックログ参照

 林道は、私は山スキー、SHOさんはスノーシュー。林道終点から二人ともカンジキに履き替える計画で、ラッセルがきつくないことを願ってスタート。スキーは埋まらないが、スノーシューは5cmほど埋まるようだ。林道を進んでいくと、正面に九郎岳〜乙部岳の荒々しい東斜面が見えてくる(3) 
 6.5kmの林道は川へぶつかったところで終点になっている。ここまで2時間10分を要した。川を渡渉して目の前に見える尾根に取り付くことになる(4)

 川を渡渉して、トドマツ林の外側を巻いた尾根の末端で、カンジキに履き替える。植林地の端の急で細い尾根に取り付く。そこを登り切ると、古い伐採道が残る広いところに出る。
  
 その先に続く尾根は、ブナの疎林帯であるが、この辺りから雪が柔らかくなり、膝頭ほどのラッセルとなり、それが徐々に深くなってくる(5)

 斜度が増してくると、二番手にいてもステップが崩れてきて一歩一歩が捗らない。黙々と我慢のラッセルを1時間ほど続ける。
 c740付近で南尾根に合流すると、雪が締まって堅くなり、ラッセルから解放されるが、東側に雪庇が発達している。樹間から乙部岳の東面と頂上が覗き、東側には、狗神岳や濁川の毛無山などが見える。

 c720ポコを越えてコルまで下ると、中央分水嶺(渡島と檜山の境界稜線)上にある825ピークへの急登となる(6)このとき、左奧に頂上が見えていたのだが、そのときは気付かなかった。雪庇を崩さないように左側の林の縁を登る。ラッセルがなくなり、カンジキの歯を利かせての登りとなる。

 825ピークに登り切ると、目の前に双耳峰的な頂上がド〜ンと現れる。ここまで来ると、もう手中に収めたようなものだ。嬉しさがこみ上げてくる(7)
 
 少しの間分水嶺上を進み、方向を変えて、八雲町側へ延びる頂上への広い尾根を進む(8)。手前ピークまでのクラストとした広い斜面を登り詰めると(9)、その先に頂上が・・・・。木も生えていないが、赤テープなどが一切ないのがうれしい。スタートして、5時間30分、12:00ちょうどに頂上到着。遅くとも13:00には着きたかったので、うれしい時刻である。まずは、乙部岳をバックに記念撮影(10)

 頂上からは、雲は低いが360度の大展望が広がる。これまで登ってきた山々があちこちに見えるのがうれしい。

 頂上へ着いて一番先に目に飛び込んできたのが、生々しい全層雪崩を見せる824ピーク?と野田追岳方面の山々(11)。東側には濁川盆地の南側の毛無山と狗神岳など・・・(12)。天気が良ければ、駒ヶ岳や羊蹄山も見えるはずだが、残念!

 反対側には、冬に間近で眺める乙部岳(13)。その北側に苦労して登ったササマクリ山(14)





北側には、中央分水嶺上の山々とその奧に遊楽部山塊(15)

 さらにその右側には砂蘭部岳や小鉾岳とその右側に八雲市街地と噴火湾も見える(16)

 それらの大展望を十分楽し見ながら、昼食を摂り、30分後に下山開始。
 下りは、半分以下の1時間30分で林道終点まで下り、林道はスノーシューのSHOさんに合わせてスキーでのんびり下る。途中で、葉を細く丸めて春を待つハクサンシャクナゲ(17)や林道を横切る初めて目にしたテン(18)をカメラに収めたりしながら、予定より早い16:00にゴールイン。

 帰路途中から、今までは憧れの存在だった頂上をじっくり眺める。できれば完登したいと思っている「道南700m超峰76座」の内、これまで残っていたのが8座・・・その中でも大物の山だっただけに、感慨も一入である。残り7座はもう一つの900m峰の沖沢山を初めいずれもアプローチが遠い山ばかりである。



初試みの頂上からの360度グルッとの動画展望は下記をクリック!
http://www.nicovideo.jp/watch/sm6118027


SHOさんのページも見たい


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