武佐岳(1006m)   武佐コース  単独  02,08,05

あいにくの天候だったが、急な登り、足下や周りの植生なども高山の雰囲気が漂い、登り応えのあるいい山であった。
 
8:50 標津岳登山口から移動
登山
地点
下山
 9:35
10:00
10:30
11:28
登山口
憩清荘
2合目
頂 上
12:47
12:29
12:12
11:35
[1:53]所要時間[1:12]
西別岳登山口へ
開陽台からの武佐岳(翌日撮影)
  この山は、北海道新聞社発行の『北海道の百名山』にも選ばれている山であり、3月下旬に海別岳からも見えていた山である。知床岳で同行したOさんも、「この山は標高の割には登り応えのあるいい山ですよ。」と話されていたので、楽しみにしていた山である。

 この山はなぜか、頂上が4合目という不思議な山である。訳はあるのだろうが、なぜこのようになっているかが書かれたものが見当たらない。また、「地球が丸く見えます」の謳い文句で有名な開陽台の近くにある独立峰のような山なので(1)(翌日撮影)、道東一帯の展望がすばらしい山なのであろうが、残念ながらガスの中の登山であった。本来ならば、何も見えないガス中登山は主義に反するのであるが、函館から遠く離れた地の山である。今度いつ来れるか分からないので、登ることにする。
憩清荘
 標津岳を下りて、車で昨日確かめておいた登山口へ向かう。標識上の登山口は遙か下のクテクンベツの林道へ入るところにある。1合目にはきれいなトイレが立てられていて、そこに「入山届け」のポストが設置されている。入山届けを見ると、一昨日にこの山と同じ名前の札幌の武佐さんという人の名前があった。どんな思いで、この山に登ったのであろうか。本日もすでに70歳の単独の男性の先行者が入っているようである。そこからさらに2kmほど林道を進むと、広い駐車場があり、先行者の車があり、そこが実質的な登山口となっているようである。
憩いの沢
 古い林道は憩清荘まで続いているようであるが、とても車では入れるような道ではない。広い林道跡を25分ほど進むと左側に「武佐岳憩清荘」(2)が建っていて、その左上には「憩いの沢」(3)があり、ビニール管から冷たい水が流れている。小屋には、「頂上まで3km」と書かれた標識が張られている。標津岳よりは距離が短くて、ほぼ同じ標高である。きっと急登が多いのであろうと覚悟して登りを続ける。
3合目
 チシマザサとダケカンバの広い斜面を登る。小屋から少し進むと休憩している先行者を追い越す。やがて、短い急登に差し掛かる。『夏山ガイド』によると、振り返ると根釧原野や野付半島が見えるらしいが、乳白色の世界のみである。やがて山小屋から30分ほどで、。「山頂まで1.9km 2合目」と書かれた標識が立っている。この辺りが距離的にも時間的にも、登山口からの中間地点付近なのであろう。その辺りからは細い尾根道となり、標高680m地点辺りでは、まだ遅咲きの花を少し付けたコメツツジやハイマツが出現してきて、高山の様相を呈してくる。
頂上の手前
 突然目の前に岩場の上にハイマツの枯れた幹を絡ませた露地に出る。その枯れた幹の間にはコケモモが繁っている。ここが3合目で(4)、双耳峰の頂上が右手に見えるらしい。そこからは細いダケカンバ林の中の急な登りとなる。露岩も出てきて登り応えがあるのがうれしい。やがて、稜線に乗り右手に進路を変える。ここが双耳峰のコルらしい。当然反対側の展望が開けるところなのであろうが・・・・・・・。そこから5分ほどで、ガスの中に頂上が見えてくる。(5)
頂上の様子
 頂上は露地になっていて、大きな岩がどんと座っていて、そこに頂上標識が付けられている。周りにも岩があちこちに点在している(6)。360度の大展望が広がるらしいのだが、今は、360度乳白色の世界である。本来であれば、3月に登って向こうから見えた海別岳からつながる知床半島の山々が見え、近くに連なる1000mほどの山々が見えるらしい。

 展望もなく、腰を下ろして休むほど疲れてもいないので、すぐに下山を始める。3合目の上で、登りで追い越した男性が登ってくるのと出会う。「70歳で、こんな日の単独行、家族の方が心配しませんか?」と聞くと、「いつもは家内と登るのだが、お互い道楽が多くなって、都合が合わなくて一人で登っているのです。ゆっくり参ります。」とのことである。その後、淡々と下山を続ける。

西別岳へ


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