無類岩山(1613.4m) <遠軽町>
<十四の沢コース> 単独  14、7,2
山中ら受ける印象ほど手強くもなく、展望には恵まれなかったが、単独で登頂できた北大雪の奥深い山 
 
6:30 留辺蘂の道の駅
7:25 武利川十四の沢・ホロカ林道へ
登山
地 点
下山
 7:55
 8:05
 8:40
 9:45
10:55
車デポ地点
林道終点広場
1070二股
1330二股
頂 上
13:20
13:05
12:30
12:00
11:30
[3:00]
所要時間
[1:50]
13:50 留辺蘂滝の湯・夢風船(入浴)



 北大雪の武利岳の北東隣の山である。類のないほどの岩山となると、かなり手強そうなイメージを抱いてしまう。事実最初にこの山名を目にしたときは、強烈なインパクトを受けたものだ。
 しかし、無類の語源は、武利川の源流部に位置することから、武利(むりい)(アイヌ語でイラクサの意)と同じで、武利の岩山ということのようだ。

 また、この山の三角点の設置者は、新田次郎原作の映画にもなった『剱岳・点の記』の主人公・柴柴崎芳太郎測量官である。

 そのような話題性のある山だが、毎年晩秋に行なっている2009年の薮山の会がこの山だった。都合が悪くて参加できなかった。そのときの記録を読むと沢詰めのルートだが、難しいところもなく、単独でも登れそうな感じだったので、機会があればと狙っていた山である。

 濃霧の朝で上空の様子が分からない。山の天気予報では期待できそうもない。しかし、翌日は車の修理で山には登れないので、ダメモトでも新ピーク狙いでトライすることにした。

 武利川支流十四の沢が直登沢である。その沢沿いのホロカ林道へ入ったら(1)、 1kmほどのところに倒木があり、それ以上車では無理。そこから情報通りにスパイク長靴でスタート。林道終点まで800mの歩きで済んだ(2)


林道終点から右岸に続く踏み跡を辿り、狭くなった940二股から入渓して川の中を歩くが、本当にスパイク長靴でも歩ける穏やかな沢だ。滝らしい滝は唯一(3)
ところどころに伐採された丸太が落ちているところをみると、昔は大掛かりな伐採が行われたのであろう(4)


1070二股を左に進む。高度を上げていくと水量も徐々に減って、小川状態になってくる(5)。1250m辺りからは真っすぐ沢地形が見通せるが、目指す方向は濃いガスだけ(6)晴れているとこの辺りから頂上稜線がみえるらしい。1300mを越えると水流がなくなる。


 1330二股にはまだ雪が残っていた。ここは情報通り右へ進む(7)。やがて、沢も笹で覆われるが、足下には鹿道と思しき踏み跡が続いている(8)ところどころにピンクテープも残っている。
 薮漕ぎの途中で、葉の感じからするとチシマノキンバイソウと思われる蕾に癒される(9)


1400mを過ぎると、沢型がはっきりしなくなり、急斜面の灌木帯となる(10)なるべく薄いところを選びながらも、木の枝を潜りながら強引に直進する。稜線が近くなったと思ったらハイマツまで現れる。
苦闘3時間で、稜線に乗ってすぐ右側が、ハイマツの中に細長い裸地の広がる頂上だった。柴崎測量官が設置した三等三角点が迎えてくれた(11)


すぐ隣にこちらより高いと思われる南峰の頭が見えるが、あとは濃いガスの中(12)それでも時折上空から夏の太陽が照り付けて露と汗でびしょ濡れの体には嬉しい。
15分ほどしたら、一瞬だけ西側の展望が広がった。手前の稜線は武利岳とニセイチャロマップを結ぶ稜線だと思うが、その奥の山は1668峰か?(13)さらに15分粘ったが、再び姿を現すことはなかった。諦めて下山開始。沢の中では転倒による怪我に気を付けて慎重に下る。


1000mの手前で左岸に続く林道跡を見つける。鹿道がしっかりと続いているのでそれを辿る(14)沢を遥か眼下に見る高さなので、果たしてホロカ林道へ繋がるのか心配になるほどだった。
林道終点に下りて、残りの林道を歩き、無事ゴールイン。下山は1時間45分だった。
登った山の姿も分からず、展望にも恵まれなかったが、久しぶりの単独での沢登りでの念願だった新ピークゲットに大満足だった。
saijyoさんのサイトに掲載されていた大規模林道から眺めた画像を拝借した。この画像を見ると、南峰と頂上の間のコルへ突き上げる急な沢型を登ったのか思うと、より満足感が大きくなった(15)

国道に出て、留辺蘂の滝の湯センター夢風船へ。ここは65歳以上は250円なので、何度か利用している。 石北峠を越えて、翌日の車の修理のディーラーに近い当麻の道の駅まで走った。


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