裏沢〜室蘭岳(911m)B〜滝沢A
7:30 滝沢への林道途中
(車1台デポ)
7:55 牛舎奧林道終点
登山 | 地点(裏沢) |
8:05
9:45
11:10
11:35 |
入渓地点
480二股
北尾根登山道
室蘭岳頂上 |
[3:30] | 所要時間 |
下山 | 地点(滝沢) |
12:10
12:40
13:35
14:00 |
室蘭岳頂上
滝沢分岐
脱渓地点
車デポ地点 |
[1:50] | 所要時間 |
19:10 帰宅 |
室蘭市の背後に聳える室蘭岳(鷲別岳)は、南斜面は緩やかで穏やかな表情を呈する山だが、北斜面は鷲別来馬川の源流部が鋭く突き上げて、崖状の険しい地形を形成している。その源流が裏沢であり、滝沢である。
10数年前に最初に室蘭岳に登った際、頂上に裏沢から登ってきた人がいた。そのとき覗いた頂上裏側の崖状の険しい地形と共に「裏沢」という名がインプットされた。当時、山を始めて3年ほどの自分には縁のない沢だった。しかし、沢をやるようになって、いつかは遡ってみたい沢の一つになったが、なかなか機会がなかった。ちなみに、「滝沢」は3年前に遡っている。
たまたま、この6月に大千軒岳にご一緒した室蘭の岳友のなかよしさんからのメールで、HYML仲間のMoさんと一緒に裏沢を遡り、滝沢を下る計画があることを知り、仲間に加えてもらった。前夜、札幌での会議を終えて室蘭へ向かう。室蘭工大の駐車場で車中泊の用意をして、3人でなかよしさんの店の隣の室蘭焼き鳥一平學亭で前夜祭をする。
翌朝、改めて待ち合わせて、登別市鉱山町から鷲別来馬川沿いの牛舎奧林道へ入る。まず、滝沢への林道へ入り、途中に車を一台デポする。3年前に滝沢を遡ったときは入口のゲートが閉まっていたが、今回は入ることができた。そこで、身支度をして、更に牛舎奧林道終点まで入る。
○まずは、裏沢を遡る
林道終点から秘湯・川又温泉への道を進み、その分岐で入渓する。直ぐに深い釜を持った階段状に流れ落ちる滑滝が現れる(1↑)。
白っぽい岩盤の上を滑るように流れる様が美しい。途中に大きな甌穴も見られる(2)。
苔むした垂直の岩壁を滴り落ちる湧水の滝が涼しげだ(3)。この滑滝の連続がこの沢の第一核心部らしい。ゴルジュ風の所に滝が見える(4)。そこは釜の縁をへつって遡っていく(5)。。
しかし、わずか20分ほどで、それらの滑滝の連続は終わり、その先は石がゴロゴロした変哲のない渓相が続く。標高も稼げない単調で退屈な歩きが40分ほど続く(6)。途中で4本ほどの枝沢が右手から合流するが、全て水量の多い左股を進む。標高400mを越えて、少し斜度が急になった来たら、滝がいくつか現れる。その変化に喜ぶ(7)。
やがて、480二股へ到着。ここは、水量のほとんどない左股へ進むのだが、まさに涸れ沢状態である。上の方に第二核心部の急な滑滝の連続があるそうだが、水流から考えると、そのようなことは考えられない感じだ。しかし、地図で確かめても地形的には絶対間違いはず・・・と話しながら、半信半疑で登っていく。
やがて、徐々に水流が現れて、残置ロープと鎖が設置された滝が現れる。なかよしさんが印刷して持ってきたその画像を確認して、やはり間違いないことを確信して、登り続ける(8)。その上は、急なゴツゴツした岩肌の滑滝が続く・・・陽光を反射して輝く流れが眩しい(9)。その滑滝は連続しながら、徐々に斜度を上げて、源頭部へと突き上げていく。その上の二股で、ノーマルルートとされている左股の滑滝へと登っていく。
○源頭部から北尾根へ
なかよしさんの記憶を頼りに、尾根に取り付く地点を探しながら急な源頭部を登っていく。やがて、左手の尾根に登るような急な岩壁が現れる。その基部の足跡やその上の沢形の様子から、どうもその岩壁を登って尾根に出るような感じだ。登って登れないほどではないが、ちょっと怖い。しかし、赤テープもロープもない。なかよしさんが、その右手の薮を高巻いて偵察に行く。自分は、もう少し沢形を登ってみるが、踏み跡もなくなる。
なかよしさんから「ロープが見つかったよ。踏み跡もあるよ〜」との声が掛かる。途中の崖状の草付き斜面を怖々トラバースして、先ほどの岩壁の上の方へ出ることができた。蟻の戸渡りのような細い岩稜の先に踏み跡があり、ロープが設置されていた。そのロープを頼りに、急な薮尾根を登っていく。踏み跡もはっきりしていて、笹を掴んで上がれるところに、ロープは要らないから、下の岩壁状の所にロープがあれば、いろいろ迷ったり怖い思いをしなくてもよかったのに・・・と思いながら、汗だくになって登っていく(10)
やがて、数年前に開削されたという北尾根コースの登山道へ出て、ひと安心。まだ、標高750m地点で、樹間から見える頂上はまだ遠い(11)。
南側の登山道を辿ると1時間ほどで登れる頂上へ、3時間半も要して到着・・・・しかし、ここに設置されている山頂標は、おそらく日本一の大きさと立派さだろう。三百名山巡りでもこれほど大きな物は見たことがなかった(12)。一等三角点の設置されているところから、室蘭市街地の眺望が広がる。やや霞み勝ちだが、その向こうに噴火湾越しの駒ヶ岳から恵山までの山並みがうっすらと見える(13)