無意根山(1464m)C〜小白山(983m) 
 薄別コース 単独 山スキー 13,5,9 
@94,7,17の「薄別コース」
A07,6,17の「白水川遡行」
B12,8,27の「元山コース」
かつてないほど遅い雪解けに助けられて念願の雪山登頂を果たし、下山途中で小白山にも寄ることができた
 
2:15 自宅発 
6:15 薄別コース登山口着 
登山
地点
下山
 6:25
 6:55
 8:25
 ----
 9:25
10:30
11:25
登山口
宝来沼
宝来小屋
小白山
無意根尻小屋
テラス
無意根山
14:00
13:45
13:20
12:50
----
12:10
11:45
[5:00]
「所要時間」
[2:15]
15:30 秀岳荘(買い物)
17:00 小金湯温泉・まつの湯(入浴)
19:15 旧道路情報館駐車場(車中泊)

  札幌市南区と京極町の境界線上に位置する無意根山は、アイヌ語のムイネシリ(箕の形の山)が由来だが、まさに箕を伏せたような形のどっしりとした山で、余市岳に次いで札幌市第2峰でもある。

 今年は雪解けが異常に遅く、最近新雪も降ったりで、この時期としては珍しいほど真っ白な山容を呈していた(1)(中山峠手前から撮影)

 過去、94年に薄別コースから、07年に白水川を遡行し、12年に元山コースから登っている。しかし、まだ雪山は未踏であった。4度目となる今回は、かつてないほど遅い雪解けに助けられて薄別コースから念願の雪山登頂に挑戦。元山コースからの冬山登山も人気はあるが、すでに千尺高地や長尾山〜大沼山〜美比内山のときに途中まで歩いているので、今回は薄別コースにした。地図を見ていたら、下山時に尾根をまっすぐ下ると札幌50峰に入っている小白山に寄れることが分かり、そちらへも寄ることにした。

  4月から5月上旬に掛けてずっと天候が悪く、山からずっと遠ざかっていた。久しぶりの好天予報に、前日の花見の後、酔いに任せて19時に寝て、2時に起きて家を出た。ちょうど4時間の運転でほぼ快晴状態の薄別コース登山口に到着(2)
 
○まずは、宝来小屋までの長い林道歩きから 

 登山口から宝来小屋までの長い林道歩きがこのコースの難点だ。最初にこの山に登った夏もこの長い林道歩きを経験している。しかし、最近夏の間は宝来小屋まで申請すれば車で入れるようになっている。

ゲートは開いていたが、そのすぐ先からまだ雪が残っていた。200mほどスキーを担いで歩くとあとはずっと雪が繋がっていたので、スキーを履く。ひと月半ぶりの山キー登山となる。GW中のものと思われるツボ足やスキーのトレースが多く残っていた。

 早朝からポカポカ陽気で、汗を流しながらのんびり進む。30分も歩くと、湖面が融け始めた宝来沼に到着(3)

 さらに歩を進めると、林道を横切るクマの足跡。4月は3回しか山に入っていなかったこともあり、今年初めて目にする足跡だった(4)
 
帰りに寄る予定の小白山から直接林道へ下るためのスノーブリッジを探しながら進む。しかし、とうとう見つからなかった。小白山からは宝来小屋から続く薄別林道を横切る小白山への尾根をピストンして、宝来小屋で往路と合流するしかない。

 予定通りぴったり2時間で宝来小屋に到着(5)まだスッポリと雪に埋まっていた。その近くにGW中に登った誰かが作ったと雪だるまが残っていた。しばし休憩。持参してきたかんじきを不必要と判断して、そこにデポしてスタート。

○次に無意根尻小屋を目指す
 
 宝来小屋から林道と離れて、夏道コースへと入っていく。先日新聞にも載っていた今シーズン新しく設置された距離標識を目にする。最初が「無意根小屋まで約1.7km」だった(6)。小屋まで1時間の予定で、その標識や古いトレースを辿って登り返しの多い複雑なコースを進む。


 やがて、大蛇ヶ原へと入っていく。目の前にはこれから取り付く左側の通称シャンツェからテラスへと続く尾根がくっきりと見える(7)。そこからまもなく、無意根尻小屋に到着。セルフタイマーで記念撮影(8)ここまでもやはり予定通りの3時間だった。

○シャンツェと呼ばれる尾根に取り付き、テラスから頂上を目指す

 トレースは下りのものが小屋の前の急斜面に残っている。しかし、非常に急でそこは登る気にならない。先の夏道の方へ進んで、斜度の緩んだところから登った。振り返ったら真っ白な雪面に映える赤い屋根の小屋が見え、その奥には烏帽子岳と神威岳が見えた(9)しかし、せっかく登ったのに通称シャンツェ尾根への取り付き地点までは下らなければならなかった。そこで合流するトレースを見たら、小屋の手前から入るのが登り返しのない効率の良い冬道コースらしい。ちょっと遠回りをしたことになる。

 シャンツェ尾根に取り付いてちょっと登ると、「頂上まで1.9km」の新しい標識があった。この標識は冬道に設置されているようだ(10)その尾根をジグを切って登ると、頂上稜線が見えてくる。登り切ると、だだっ広いテラスと呼ばれる平坦なところに出る、ここでも、セルフターマーで頂上をバックに一枚。立ち位置が決まらず、3本ほどのトレースを残してしまう(11)


 テラスからは稜線に繋がる広い尾根を辿り、左斜め方向へ進路を取り、頂上稜線を目指す。そのころからヘリコプターがやってきて、頭上と無意根山頂上付近を5回ほども旋回する。(12)その意図が解らない。自分に都合良く解釈すれば、この山は広い雪庇がせり出ていて、毎年大規模な雪崩が起きているので、それに対する注意・警告かとも思ったりした。広い雪庇の上は歩かないようにルート採りをしているのを見て安心したのか、やがて去っていった。

 頂上稜線へ上がると、雪庇のところどころに亀裂の走っているところもあった(13)。案の定雪庇が本来の稜線から30〜40mの幅で発達している。その上を歩きたくなるが、右のハイマツやダケカンバのモンスター群の左端を進む(14) 予定通りぴったり5時間で4度目の頂上到着。本来であれば、後ろに見えるはずの羊蹄山は、朝の内はくっきりと見えていたのに、残念ながら低い雲で覆われて、その姿を消していた(15)夏は、確かこの頂上標識の立つところのすぐそばから崖状に切れ落ちていたはずだが、雪庇が30m以上もせり出していた。

○シャンツェ尾根を下り、さらに小白山に寄って下山


頂上から北側を望む〜頂上とされている三角点ピークより高い越えてきた本峰(1646m)の左側には余市岳、右側には定山渓天狗岳(16)


下り始めて少しすると、元山コース上の長尾山、その後ろに余市岳〜朝里岳〜白井岳〜ヒクタ峰〜定山渓天狗岳などの連なりがすっきりと見える(17)


東側には、札幌岳〜狭薄山〜空沼岳〜漁岳〜小漁岳のつらなり(18)

 稜線からテラスまでの広大な斜面での滑降を楽しみにしていたが、最近降った新雪がザラメ状になった重い雪質で、滑りにムラがあり、気持ちの良いターンを楽しむことはできなかった。しかしそれなりに久しぶりの滑降を楽しんでシャンツェ尾根の下まで降りる。そこから往路から離れ、まっすぐ小白山の尾根へ繋がる斜面を下る。さすがにトレースは見当たらなかった。小さな沢が入り組んだ複雑な広い斜面だったが、GPSのお陰で効率よいコースを採ることができた。


 やがて、眼下に宝来小屋の前から続いている薄別林道が見えた。その左側の尾根が小白山への尾根に繋がっているので、そちらへ滑り降りる(19)。薄別林道を横切って、緩やかな尾根上の小白山を目指す。標高差がわずか20mほどなので、シールなしで登った。手前のポコが頂上かと思ったが、頂上はさらに細い尾根の先だった(20)


 無意根山頂上から約1時間で、標識の設置された小白山に到着(21)登ったというよりは立ち寄ったという感じの「札幌50峰」の新ピークゲット。特にこれといった特徴も探訪もない山である。しかし、ネット上では、この山を目指しての記録も多いが、長い薄別林道を辿って登頂しているものがほとんどである。その古いトレースも残っていた。薄別林道まで戻り、林道を下って宝来小屋を目指す。途中に、冬しか登れない山なのに、「小白山へ→」の標識まであった。橋を渡る手前で、辿った緩やかな尾根と小白山のピークが見えた(22)

 宝来小屋で往路に合流。デポしておいたかんじきを回収する。往路では2時間かかった長い林道も下りは40分でゴール。いつかはと思ってきた無意根山スキー登山は小白山というおまけ付きで念願が叶った。これで、夏も冬もそれぞれコースを変えて4回登頂したことになる。

 すぐにでも温泉に入ってビールを飲みたかったが、ゴールしたら、ストックのリングを落としたことに気づく。仕方ないので、秀岳荘まで往復して、3時間後に小金湯温泉・まつの湯まで戻り、終止符を打った。

 @94,7,17の「薄別コース」  A07,6,17の「白水川遡行」 B12,8,27の「元山コース」


「北海道山紀行」目次へ   HOMEへ

inserted by FC2 system