横津岳(1167m) [横津岳国際スキー場から]   00、1、5
真冬の山スキーもどき、初体験とは・・・いっても、好天に恵まれたスキー場から1時間の楽なコース 
 
登山地点下山
10:50

11:50
スキー場上
(登山口)
頂   上
12:00

12:10
[1:00]所要時間[0:10]

  横津岳・・・函館近郊の最高峰で、昔から夏山登山や冬山の最も身近なフィールドであり、北海道新聞社選定の『北海道百名山』にも選ばれている山である。昔は冬の遭難死亡事故が何度も起きている山である。現在では、ばんだい号墜落事故の後、頂上に巨大な航空レーダー基地ができ、頂上まで舗装道路が引かれ、夏山の対象ではなくなり、七飯側と大沼側に二つのスキー場が標高800mまで延びて、冬山としても魅力ある山でなくなったのが残念である。若い頃、夏には七飯駅から「七曲がりコース」を4時間掛けて登ったり、春には雪を求めてスキーを担いで登ったりしたことが懐かしい。函館の町を背に
 
 久し振りの好天に、新調した滑り重視の山スキーブーツ(スカルパのデナリ)の履き心地を試したくて、アルペン用のスキーにセキュラフィックスとシールを着けて、スキー場から、初めて真冬の横津岳の頂上を目指す。昨年の3月には、反対側の七飯・大沼スキー場から大沼や駒ケ岳を背に登ったが、今回は函館山と津軽海峡を背にした登りである(1)。
 登山口
  リフトを降りてちょっと左に滑り降りると夏道との交差部分があり、そこが冬山の登山口である(2)。急斜面のまったくない標高800mからのダラダラ登りである。すでに、トレースがついていて、誰か先に一人入っているようである。しかも、下界は暴風雨だった2日前の荒天のせいで、雪面はクラストした上にさらっと新雪が積もり、ラッセッルの必要のない楽な登りである。ダケカンバの枝も樹氷に覆われ、重そうに垂れ下がっている(3)。白と空の青のツートンカラーの向こうには頂上のエメラルドグリーンの巨大な球が待っている。前の人のトレースは、夏には目にすることのない朽ち果てて錆びた冬山用の標識に沿って進んでいる。ラッセルの必要がないので、どこでも歩けるが、そのトレースを辿ってみる。他人のトレースにはその人の心の動きが見えておもしろい。
 樹氷に覆われたダケカンバ
  風も弱く汗も出てきたので、ヤッケを脱いで進む。40分程登ると前のトレースの男性が滑り降りて来るのと出会う。袴腰岳の途中まで行って来たという。この辺りからは夏でも笹原と灌木帯で、全部雪の下で、ホワイトアウトになったら方向がまったく分からなくなる世界である。見渡せば、レーダー基地の施設と団子状の氷に覆われた雲井神社の鳥居と社殿(4)だけが目立つだけである。真っ直ぐ頂上を目指すのもおもしろくないので、雲井神社の方へ向かう。
 氷に追われた雲井神社
  昨春、反対側から登ったときに、物凄いスノーモービル軍団の爆音が山中に鳴り響いていたのに、今回はそれがまったくない風の音だけの世界であるのがうれしい。そうこうしているうちに頂上に到着。反対側には駒ケ岳は見えるものの、羊蹄山やニセコ連峰は雲の中である。
 
  セキュラフィックスとシールを外してリュックに詰め、10分ほど休んで、滑降開始である・・・といっても、スキー場までの間にはおいしい斜面もなく、ほぼ直滑降である。少し斜度のある所で小回りを試みるが、ちょっと力を入れるとクラスト面が割れて、テールが引っ掛かり、うまくターンができないのが残念である。スタートしてまもなく、二人のスキー登山者に出会う(5)。結構、愛好者はいるものある。
 頂上へ向かう登山者
  スキー場までわずか10分のチンタラ滑降である。その欲求不満を解消すべく、ゲレンデで5本ほど大半径の大回りで思いっきり飛ばして切り上げる。
 
  滑り重視の山スキーブーツであるが、普通のスキー靴に比べて、まず軽く、歩きモードにすると結構歩きやすい。く靴ずれの心配もなく(昨春は、普通のスキー靴で歩いては水膨れを作っていた)、歩きモードのままゲレンデでかなりハードな滑りをしても違和感がないほど履き心地が良い。いよいよ、ピュアーカーブかイージーカーブの板に、兼用できる山スキー用のビンディングが欲しくなったところであるが・・・来年まで我慢、我慢である。                          

3月の「七飯スキー場からの横津岳」へ 


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