[春山スキー] 目国内岳 (1202m)(新見温泉から) 99.5,3

まさに山スキーツアー気分で、自然の大斜面を何度か登り返してダイナミックな滑降を楽しむ。

登り地点下り
5:20
5:40

7:50
新見温泉前
近道取り付き
前目国内岳
目国内岳頂上
10:10
10:00
9:30
8:30
[2:30] 所要時間
(登り返しも含む)
[1:40]
約700m 標高差約700m

※参考にしたコース案内
新見温泉駐車場から仰ぐ目国内岳斜面

 昔から「春山スキーには絶好の山」と耳にしていた山への挑戦である。前日、新見温泉ホテルの湯船に漬かりながら、窓から暮れなずむ目国内岳の黒い岩塊の頂上とその下に広がる大斜面を窓から眺め、明日への意欲を掻き立てる。
頂上岩塊とその下の斜面

 ホテルの駐車場で車中泊をし、早朝5時過ぎにスタート。温泉より上の道はまだゲートで閉ざされており、舗装道路の上をスキー靴のまま、スキーを担いでのんびり歩く。木々の芽吹きにはまだ遠い枯れ木状態の枝からいろいろな小鳥の囀りやキツツキのドラミンゴも聞こえる。20分程歩くと、山スキールートの取り付き地点に到着する。
頂上岩塊の間から覗くニセコ連峰の重なり

 そこからは、小さな沢地形に沿ってスキートレースがはっきりと付いていて心強い。シールとセキュラフィックスを着けて、「滑るために登る山スキーもどき」のスタートである。ダケカンバ林の張り出した尾根に登り、まだ埋まっている深い沢を渡り、前目国内岳下の南東斜面を登る。帰りが楽しみなおいしそうな疎林の大斜面を抜け、コルの下の方から目国内岳頂上方向を目指して、斜めに登って行く。
これから滑り降りる斜面とその下に見えるに新見温泉

 新見温泉から見上げた樹林限界を越えた大斜面をジグを大きく切りながら登って行くと、頂上の黒い岩塊が見えてくる。下りの大滑降のイメージを膨ませながらひたすらその岩塊を目指して登る。頂上が見えてからが結構長く感じる。南風がかなり強く、頂上の近くはクラストしている。
広がる斜面と微かに見えるマイシュプール

 スタートしてから、2時間半、ひたすら帰りの滑りを楽しみに登り続け、ついに頂上岩塊の根元に到着。7年前の夏にここにやってきたときは、本格的に山を始めた年で、まだこの頂上岩塊が怖くてその上に立つことを断念したものである。それから7年、130近くの山を登ってきた自信であろうか、スキー靴のままで岩登りを開始する。結構なスリルはあるものの、強風と戦いながらなんとか岩塊のピークに立つ。その証拠に頂上標識と羊蹄山まで重なって見えるニセコ連峰をカメラに納める。その後、風を避け、岩影で食事を摂り、帰りの大滑降に備えて40分程ゆっくり休憩するも、登ってくる人影はまったくない。
自動シャッターで寂しいポーズ

 いよいよ、滑降スタートである。標高差400 mもの30度近い大斜面に思いっきり大半径のパラを刻む。それでも、やはり貧乏性なのであろうか、一気に下るのが勿体なくて、途中止まっては、自分の描いたシュプールを振り返ってしまう。このまま下ってしまうのが惜しくて、2度目に止まったダケカンバの木々が生えてくる地点にリュックを置いて、スキーを担いでつぼ足で再び頂上下を目指して、再トライする。

 そのまま、斜度の緩む下まで滑り下り、トラバースして、今度はつぼ足で前目国内岳の南東斜面を登り返す。ここも、目国内岳斜面よりは斜度は緩いものの、おいしい斜面が広がる。そこにも大半径のシュプールを刻み、あとは、林の中を振り出し地点へと下る。結構なトレースが残っているので、誰かとは出会うであろうとは思っていたが、ついに、誰とも出会うことのない静かな春山スキーである。

 上りでは歩いた舗装道路の路肩の雪の上を滑りながら、最後は、入浴しているおばあちゃん方を驚かしてしまったが、新見温泉の露天風呂の上を通過して駐車場に到着。靴だけ取り替えて、ニセコアンヌプリ北壁滑降のためにアンヌプリスキー場へ向けて車を走らせる。


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