[春山スキー] ニセコアンヌプリ北壁 1308m)(アンヌプリスキー場から)99,5,3

標高差500mもの一枚バーンの急斜面に最高気分のターンを刻む。

 時刻  地  点標高差
登り

[0:25]
11:35

12:00
アンヌプリスキー場リフト終点
(つぼ足)
アンヌプリ頂上
約100m
下り


[0:30]
12:05

12:15
12:35
頂上下
(北壁滑降とトラバース)
見返り坂コル
アンヌプリスキー場下
約900m










※参考にした案内コース

  これまで何度か冬のアンヌプリの頂上には立ったことはあるが、いずれも、スキー場側の頂上斜面の深雪滑降が目的であった。今回まで、あの急な標高差500 m近い35度〜40度くらいの一枚バーンとなってイワオヌプリのコルまで続く北壁を滑降の対象として見たことはなかった。確かに、真冬は雪崩の危険地帯でもあるわけで、昨日、余市岳からこちらに向かう途中から眺めた滑降対象としての北壁の素晴らしさは見事なものであった。
右側の斜面が目指すアンヌプリ北壁

  余市岳と目国内岳はほぼ登ったコースを滑ってきたが、このコースは、アンヌプリのリフト終点から頂上へ登り、北壁をイワオヌプリのコル付近まで滑り降り、五色温泉方面へトラバースして、見返り坂のコルからアンヌプリスキー場へ降りるという1周するコースである。
頂上を目指して登るスキーヤー

 スキー場の下で、それと分かる山スキーヤーの格好をして下りてきたばかりの男性を見付け、コースの状態を聞いてみる。「頂上の直ぐ下は雪が切れているので、夏道を少し下ったところかスタートになります。あとは、トレースが付いていますので迷う心配はないですよ。」とのことである。意を強くして、ゴンドラとリフトを乗り継いで終点到着。
滑り出す地点から下を見下ろす

 そこから、スキーを担いで、つぼ足で頂上斜面を、前の人の足跡を辿りながら登る。手前のピークから100mくらいはスキーを着けて少し下るが、その後もつぼ足で合計25分で頂上に到着。頂上にはやはり雪は無く、北壁斜面の雪も確かに夏道を100mほど下ったところから続いている。数人が休んでいたが、誰も北壁を滑り降りようとしている人は見当たらなかった。直ぐ近くで休んでいた若い男女二人連れに、「今、これからあの斜面を滑り降りんですよ。」と話すと、「えっ! あんな急な斜面をですか?」とびっくりした声を上げている。
斜面の向かいに迫るイワオヌプリ

 頂上からスタート地点まで夏道を下り、スキーを着ける。斜面の真っ直ぐ下に五色温泉側から続く道路が見える。それを挟んでイワオヌプリが夏山とは違う凄い迫力で聳えている。この広い急斜面を一気に下ると思うと嬉しくて鳥肌の立つ思いである。狭いスキー場では、多分恐怖心が起きるのであろうが、雪面の堅さも程よく溶けエッジがバッチリ利く最高の状態である。転倒したらはるか下までずり落ちていくかも知れないが、そんな思いは、昨日、今日と余市岳と目国内岳の斜面の経験からまったく無に等しい心配である。
トラバース途中から五色温泉を見下ろす

 思いっ切り飛び出して行く感じでスタートを切る。カービングスキーの性能を大いに実感できる斜面である。最大傾斜線に向かって体を投げ出しても怖さはなく、その後は思いっきりエッジング感覚を楽しみ、ターンを切り上げて行く。スピード感覚はその安定感からかまったく麻痺状態である。そんな快感に酔いながらいくつかターンを刻んで頂上を降り仰ぐ。首が痛くなるような急斜面である。ずいぶん滑ったようでであるが、まだ半分も下りていないのがうれしい。再び、残りの斜面を楽しみ、あまり下り過ぎるとトラバースが登りばかりになってしまうので、切り上げて、五色温泉の上の見返り坂を目指す。長いトラバースである。
見返り坂からの尾根コースを振り返る

  やがて、アンヌプリの西側に延びる稜線の一番低いコル(見返り坂)を抜けると、アンヌプリスキー場の下の迂回コースが見える。そこに続く尾根の林の中をほぼ真っ直ぐに下る。何と、そこは、まるで木を刈り払ったような道状態になっている。夏道でもあるのであろうか? 狭いので小回りを楽しみながら下ると迂回コースに合流する。

 2日間にわたる自然の大斜面の滑降を目的とした春山スキー行の疲れを、下の鯉川旅館の温泉で癒して、札幌に向かう。


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