8:00 自宅発
9:00 濁川入口合流
(下山口へ車1台デポ)
9:20 本石倉2号線終点
登山 | 地 点 |
9:30
10:15
11:00
11:50 |
入 渓
120二股
200二股
頂 上 |
[2:20] | 所要時間 |
下山 | 地 点 |
12:30
12:45
13:40 |
頂上
林道跡交差
車デポ地点 |
[1:10] | 所要時間 |
12:50 車回収
13:10 濁川温泉
・にこりの湯(入浴)
15:00 帰宅
|
森町濁川カルデラの外輪山の最高峰で、山腹には地熱発電所を抱えた山。冬なら発電所の横から簡単に登れそうだし、夏でも薮漕ぎで楽に登れそうな低山である(1)。
ところが、今年の沢納めをしたつもりでいたのに、「道南は暖かいから低山ならまだ沢登りが楽しめる」と、札幌から沢登りの本を3冊も出している沢のスペシャリストganさんほか2名の遠来のお客様・・・、何を思ったのか、この377mの低山に噴火湾に注いでいる石倉川から登るとのこと・・・数百本も遡っているganさんの沢登りの最低標高記録らしい。
天候も良く、暖かかったし、こちらとしても未踏の山だったので、お付き合いすることに・・・。
○石倉川を遡り、頂上へ
濁川への入口で待ち合わせ、ganさんの車を下ってくる南東面沢と濁川の合流点近くにデポし、国道5号線を北上。JR本石倉駅の先の石倉川沿いの林道へと入る。国道から1kmちょっと入った本石倉2号線の終点から入渓。
ところが、林道終点から川沿いにずっと刈り払い道が続き、あちこちにピクテープがぶら下がり、長い棒杭や赤いペンキが塗られた木杭が打たれている(2)。途中の看板を見たら、「石倉川火山土砂防止工事地質調査」と書かれていた。どうやらボーリング調査に関するものらしい。
30分ほどで、刈り払い道やそれらの杭はなくなり、ようやく沢歩きらしくなる(3)。
入渓地点から頂上まで、距離は3.5kmほどあるが、標高差が少ないし、地図からも見ても、滝などは期待できる地形ではなかった。それでも、何か出てこないか?と期待しながら歩を進める。
「こんな沢を登るのは、我々以外にはいないだろうな?」と話していたが、ピンクテープだけはところどころにぶら下がっていた。しかし、それも200二股までだった。
変化に乏しいので、小さな沢型が合流する地点での現地確認が楽しみの一つである。ganさんが「何も記録することがない」とこぼす。ようやく、120二股に到着し、確認して左へ進む。
他の沢なら珍しくもないちょっとした岩壁が出ているだけでもうれしい(4)。
c130地点で、目の前に小さな釜を持った1mほどの小滝が見えてくる・・・思わず、「おっ、F1だ!」と叫ぶ。kennさんが沢の中に下りて、うれしそうにカメラを向ける。岸を歩けるのだが、せっかくの滝である。全員楽しそうに直登する(5)。
地形図のc150付近は狭くなっているので、あるいは函か滝が現れるのではないかと期待したが、両岸が迫った急になっているだけだった。それでも、狭い流れと苔と落ち葉に覆われている岩が美しい(6)。頭上には岩壁が迫っていた。
200二股は、左へ進むのだが、右股の方が水量が多いような感じだった。地形を見ると、確かに右股の方が源流部が奥の方へ入っていた。
ここからは、少し急になり、高度を稼ぐことができそうだった。
やがて、水流がほとんどなくなり、きれいなV字谷を形成してくる。その先に260二股が見えている(7)。
ここも左股を進むのだが、沢型が右股の方が顕著で、左股は笹に覆われている。両方の沢型を偵察し、さらに高いところに上がって、その先の地形を確認する。その結果、左股が正しいと確認し、笹藪の覆われた中へ潜り込む。
c350付近までは明瞭な沢型が続き、その先には行く手を遮るような壁状の源頭地形が現れた(8)。
直登すれば頂上へ出るのだが、急な上に泥壁状で掴まる笹も灌木もない。仕方ないので、右の尾根の端の笹や灌木を利用して登る。
西側から巻くようにして一番高い地点を目指す。頂稜は一面笹に覆われていたが、幸い太いネマガリダケではないので、手こずることなく頂上へ到着。頂上付近には2本のピクテープがぶら下がっていた。多分、冬に登った人が付けたものだろう。
笹藪の中に三角点は簡単に見つかった。期せずして二等三角点だった(9)。確かに木ですっきりした展望は望めないが、太平洋も内陸側も含めて360度遮る物のない山だった。
特にこれと言って驚嘆場面や緊張場面のない沢だったが、それなりに2時間以上も十分楽しむことができたし、低山といえども登頂の満足感に遜色はない。
今時期にしては考えられないほど暖かい上に無風で、寒さは全く感じることがなく、昼寝でもしたくなるような典型的な小春日和の下でのんびりと休憩(10)。直ぐ下からは地熱発電所のゴーゴーという音が聞こえ、白い湯気も見えていた。