茂刈山(382.5m) <上ノ国町>  
茂刈林道コース  単独 08,5,06

数年前に、この麓に住んでいる方から「この山にも登ってください」というメールをいただいていた念願の変わった小等三角点の山

豊田地区から茂刈林道へ
登山
地点
下山
 9:45
10:10
10:25
仮登山口
林道跡終点
頂  上
11:15
11:00
10:35
[0:40]所要時間[0:40]

一等三角点の「649峰」(点名・三角
山)と「木無山」へ続く林道へ

上ノ国町中須田地区の東側に聳える裏山的存在の山で、頂上部は低い笹で覆われているような感じである(1)。山名で検索すると、中須田地区にある河北小学校の校歌にも歌われていて、平成16年度には、地区生涯学習推進会議の行事として子供たちの登山会も行われていたらしい。

 この山に登ろうと思ったのは、数年前に、この地に勤務している登山愛好家のkoss1754さんから、「地元にこんな山がありますので、ぜひ登ってください」というメールをいただいていたことがきっかけである。

○貴重な小等三角点の山

 しかし、今回のアタックを決断させたことがもう一つ・・・この山について調べている内に、我が国で、渡島半島南西部30数カ所にしか存在しない「小等三角点」の山だということが判明したことである。たしかに、国土地理院の「基準点成果等閲覧サービス」によると、三角印のマークで表示されていて、上ノ国、江差、厚沢部、木古内、知内に集中しているようだ。もし、その標石が残っていたら、ぜひお目に掛かりたい・・・。

 「小等三角点」・・・初めて目にする言葉である。もっと調べてみると、次のような記述にぶつかった。 三角点と名前のつく変わりものの測量標石では小三角点があります。1911年(明治44)北海道庁から陸地測量部に要請があり設置された基準点で、渡島半島南部(函館の西)に30数点ありました。現在もまだ数点残存しており国土地理院のデータベースでは「小等三角点」として整理されています・・・。

 ○だんだん藪が濃くなり、とうとう藪漕ぎ登山に・・・

 4/22の「元山〜笹山〜八幡岳」の帰りに登山口の偵察を兼ねて、この山の麓を走る豊田地区から桂岡地区へ抜ける茂刈林道を走っていたら、「茂刈山仮登山口」の標識が見つかった(2)
 

  近くの広い場所に車をデポして、スタート。どうやら、地図に記載されている林道跡か作業道跡を利用しているらしい。ところどころに標識があるところをみると、koss1754さんからメールをいただいた当時は、登山会のための登山道も整備されていたことが分かる。初めのうちは、林道跡に明確な踏み跡が続く(3)

 しかし、それも徐々に藪が覆い始め、林道跡に続く足元の微かな踏み跡が頼りの藪漕ぎ状態となる。林道跡終点から先は、完全な藪である(4)やがて、人工林の中に入っていくが、踏み跡もはっきりしなくなる。

  いよいよになったら、沢地形を詰めてコルに突き上げて右に進めばいいと腹を括る。しかし、ところどころに微かな踏み跡と赤いテープを標識が現れるので、それを頼りに進む。人工林を抜けると、標識が現れ、笹藪の中に微かな踏み跡が見える(5)

 やがて、林を抜けると、膝丈くらいの笹藪に出る。その中に微かな踏み跡が認められる(6)。途中で、その踏み跡もはっきりしなくなるが、なんとかそれを繋いで頂上を目指す(7)

 頂上は気持ちの良い草原状になっていて、蕾を付けたヤマツツジも生えている。西側には上ノ国町市街地へ続く平野と日本海の展望が広がる(8)。この山に登った河北小学校の児童たちは眼下に広がる展望に感動したことだろう。

 遠望は霞んではっきりとしないが、それでも、南西方向にはこれから登る予定の一等三角点の649峰と木無山も微かに見え、南側には七ツ岳や昨年登った大岳と赤岳、さらに、北側には、先日登ったばかりの元山〜笹山〜八幡岳の連なりも見える。

  一通り展望を楽しんだ後は、小等三角点探しである。頂上には、2種類の標石が見つかったが、一つはよく目にする土地か森林の境界を示す物である。しかし、他では目にしないもう一つの白っぽい標石があった。普通の三角点標石よりは細くて、1辺が10cmくらいの安山岩である。方角を示す上面の+印は他の三角点のように中心部だけでなく、ほぼ東西、南北方向の相対する辺間全長にわたり入っている。横には文字も彫られているが、欠損が酷くて、読むことができないのが残念。ただし、「北」という文字は判読できた。これが、刻まれているらしい北海道庁の「北」という文字かも・・・・?(9)

  これについては、10cmの安山岩という点は一致していが、他の小等三角点で確かめるしか方法はないようだ。近々、車で簡単に行けそうな低い地点の小等三角点探しをすることにしよう。
  
  下山は、あちこちで目にしたタラの芽を採りながら下ったので、登りと同じ時間を要した。いつもは、5月下旬でないと目にしないのだが、今年は早い。道端に今年初めて目にしたハクサンチドリをカメラに収める(10)

 下山後、一等三角点の649峰と木無山を目指して、河北小学校の横を通り、小森地区から石崎地区へ抜ける林道へ向かう。



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