野塚岳(1353m)〜オムシャヌプリ(1379m)〜十勝岳(1457m) 1泊縦走  
(登り)豊似川左股沢ポン三の沢   (下り)コイボクシュメナシュンベツ川十勝岳南面直登沢右股沢
  同行者1名  02,6,29〜30
思わぬ同行者を得たお陰で、沢登り、藪漕ぎ、岩越えとワクワク・ドキドキ感に満ちたこれまででもっともワイルドでハードな南日高3山の一泊縦走が叶う。
28日(金) 17:00 札幌発  
       21:00 楽古山荘前(車中泊)
29日(土) 6:30 楽古山荘発(車1台デポ)
 7:15
 9:10
10:05
10:20
11:30

15:10
15:30
15:50
天馬トンネル十勝側出入口入渓
三股出会(1050m付近)
野塚岳西コル東寄り
野塚岳着(大休憩)
  〃 発
(途中昼食30分)
オムシャヌプリ
  〃 発 
オムシャヌプリ東コル(テント泊)
[8:35]1日目 行動時間

30日(日)
 5:00
 5:20
 7:10
 8:40
 9:30
 9:45
10:25

12:30
12:50
13:28
オムシャヌプリ東コル発
オムシャヌプリ東峰
最低コル(1215m)
十勝岳着(大休憩)
  〃 発
1350コルから源頭へ
十勝岳南面直登沢合流点
(途中昼食30分)
楽古岳直登沢出会
林道跡へ
楽古山荘
[8:28]2日目 行動時間

ルート図

 14:15天馬トンネル十勝側出入口デポ車回収
 14:30 浦河町あえるの湯(仮眠)
 20:10    〃     発
 2:00 帰宅
天馬街道から野塚岳を望む
 登山道のある山や一般向けの日高の山は登り尽くしている中で、どうしても登りたい山がまだいくつか残っている。今回の3山もその中の山々である。一人でも1周縦走が可能で比較的メジャーなニオベツ川からの野塚岳(1)に登り、オムシャヌプリのコルから上二股の沢を下りるのは一昨年からの計画であった。ところが、それを「北海道の山ML」で知った今年のGWの伏美岳〜トムラウシ〜妙敷岳に同行したmyHPの愛読者である名寄の0さんから同行の熱いラブコールをいただく。
 
 私をはるかに上回る体力の持ち主であることは実証済みである。お互いに沢は初心者であり、初めての山と沢であるが、二人ともこれまで一人歩きで200山近く(彼の場合は本州の山も含む)登ってきた実績はある。急遽、インターネットを媒介とした、旺盛な体力と冒険心で結びついた合わせて110歳にわかコンビの誕生である。

 せっかくの同行者を得ての1泊山行の最初の滑滝をバックに初めて被った赤ヘル機会である。2台の車をうまく利用して十勝岳までの縦走を計画し、登りと下りに利用する沢の相談を今春の残雪期に3度も同行している(美笛峠〜漁岳縦走、伏美岳〜トムラウシ〜妙敷岳、余別岳)夏は沢専科男のgan@室蘭さんに相談する。高所恐怖症の私でも、体力さえあれば何とかなるであろうと選んでくれた沢が、今回の二つの沢(登り〜豊似川左股沢ポン三の沢、下り〜コイボクシュメナシュンベツ川十勝岳南面直登沢の右股沢)である。


 6/30は、「長万部毛ガニロードレース・ハーフマラソン」の部にエントリーしていたが、久しぶりの週末の好天予報と前日札幌出張という好条件がマラソンをキャンセルさせ、迷わず山へと向かうことになったのである。
 
 6/28、札幌での午後の会議が終わり、秀岳荘へ寄り、沢用のヘルメットの購入と渓流シューズの新調をして、彼との合流場所であり、下山口となる楽古山荘へ向かう。8年ぶりの楽古岳登山口であるが、その時には別のところにあったはずの立派な楽古山荘が建っていて、周りが整備されているのには驚いた。車の中で寝て、夜中に目を覚ますと隣に彼の車も駐まっている。

○まずは、豊似川左股沢ポン三の沢を遡行し、野塚岳を目指す。
涸れ沢から稜線を仰ぐ
 約2ヶ月ぶりの再会を果たし、朝食を済ませ、彼の車をそこにデポし、明日無事にそこへ辿り着けることを願いながら、新調した渓流シューズに履き替え、入渓口となる天馬トンネルの十勝側の出入り口へ向かう。途中、目指す山は全てくっきりとした姿で迎えてくれて、2日間に渡る2年ぶりの日高山行に胸躍る。 
滑滝の中を登る
 天馬トンネルの十勝側出入り口の駐車場には2台の先行者と思われる車が2台。この日のために新調した赤いヘルメットを被り、すぐ側を流れている沢に入渓する。2年前のエサオマントッタベツ岳以来の縦走装備(このたび、65リットルのリュックを新調)にやや不安を抱きながら歩き始めてすぐに濡れた岩でズルッと滑り、その後の行動を慎重にさせてくれる。

 それほど広くない沢の岩を伝ったり、微かに認められる踏み跡などを辿り35分ほど遡行すると50mほど連続するの滑滝が現れる(2)。800m付近で水は一時伏流して涸れ沢になる。850m付近では涸れ沢のまま合流している二股出会いにぶつかるが、赤いテープが付いている右股へ進む。頭上には目指す稜線が覗いている(3)。

 だんだん傾斜がきつくなり、再び水流が現れ、急な滑滝が次々と現れる(4)。中でも2つ目の10m滝が垂直状態でちょっと緊張させられるが、ganさんの情報通り右岸が岩登り状態で突破できるようになっている。そこを登り切ると1050m付近の三股出会が現れ、その中股を登るとやがて水流は消える。そこで、水を3.5リットル汲み、源頭を目指す。
野塚岳西コル上の稜線へ出る
 コルめがけてまっすぐ藪の中に延びる細い溝のような沢地形を両手でヤブを掴みながら辿ると、やがてそれも消え、あとは人の通ったような跡を探しながら、強引に急斜面の頭が隠れるような藪漕ぎを続けるが、渓流シューズはずるずる滑って何度か転ぶ。疲れに新たな水の重さも加わって、休み休み登る。だんだん藪の丈も短くなり、最低コルの頂上よりの稜線に飛び出す(5)。
トヨニ岳
 稜線に飛び出して目に飛び込んでくるはずの2年振りの日高の山々は、タイミング悪く日高側からガスが湧いてきて、トヨニ岳(6)や西峰は見えるものの、それより北側の山が見えないのが残念である。それでも、これから目指す南側のオムシャヌプリや十勝岳、その奧の楽古岳はガスを纏いながらもすばらしい姿で迎えてくれる。

 一息入れて、2年振りの日高らしい岩混じりのはっきりとした踏み跡を辿って、野塚岳頂上を目指す。ミヤマダイコウンソウの花が目に付く。10分ほどで、先行グループの拍手に迎えられて、最初の野塚岳頂上へ到着する。入渓地点から3時間5分である。先行グループの4名は滝川山岳会の方々らしい。同じ沢をピストンするそうである。
野塚岳頂上にて
 時間的にも余裕あるので、いろいろお喋りしながら、のんびり休憩する。周りのガスがだんだん濃くなり、眺望がかなり遮られてくる。記念写真を撮り合い(7)、彼等は下山していったが、我々は1時間10分ものんびりする。







つづく

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