芽室岳(1753m )〜西峰(パンケヌーシ岳)(1746m) 2回目  [芽室川北尾根コース]    3人 04,6,13

95.8,13のガスと雨の「芽室岳」へ
先輩の日高デビューに付き合い、足下の花を楽しみながら、急な尾根を登り詰めたら、日高山脈を覆っていたガスが取れ、前回のガス中登山のリベンジが叶う。

4:45 音更発
登山地点下山
5:40
8:30
8:50
登山口
西峰分岐
頂上着
14:00
11:55
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[3:10]所要時間-----
9:35
10:25
頂上発
西 峰
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11:30
[0:50]所要時間[1:35]
14:45 芽室・鳳の舞温泉(入浴)
17:00 伏美岳避難小屋(車中泊)
日高山脈の山では、登山道も整備された北日高のメジャーな山で、双耳峰の端正な形の山である(「十勝千年の森」から撮影)(1)。この山に登ってからすでに9年の歳月が過ぎていた。そのときはガスと雨の中の登山であったので、いつかは晴れたときに再訪したいと思っていた山である。

 たまたまHYML(北海道の山ML)の「小さな写真館」の岳@札幌さんから日高デビューの相談を受け、この山と次の日の伏美山を紹介したこともあり、この山が初めという同じ退職組の「オジロワシの空の下で」のtaka@千歳さんを誘って、お付き合いさせていただくことになる。

 視界数十メートルの濃いガスに覆われ、不安な気持ちで早朝の音更を出発するが、山に近づくに連れてそのガスも晴れてきて、上空に青空が広がるが、まだ目指す芽室岳は低い雲の中である。清水町営の円山牧場を抜け、登山口のある林道を走る。

 すでに、出発の準備をして待っている二人に挨拶をして車を降りると、隣の車の男性から「いつもホームページ楽しませていただいております。」と挨拶され、びっくりする。最近HYMLに登録して我々3人の行動予定を知っていたという置戸町のOさんとのことである。すでに8人ほどが先行しているらしい。

 夕方までに伏美岳登山口へ移動するだけでいい時間的余裕も十分ある60代退職組3人連れである。のんびりペースを合い言葉に、日高デビューの岳さんを先頭に、標高差1140mほどの本峰と西峰を目指し、立派な山小屋などが整備された登山口をスタートする。まずは芽室川に架かる丸太橋を渡ってスタートである(2)。広く刈り払われたばかりの緩やかな登山道を辿る。足下にはまずヅダヤクシュの花の群生がまずは目を楽しませてくれる。

 体が温まったころ標高800mほどからは顕著な尾根道となり急登が続くが、上空はだんだん晴れてくるのと、足下にミツバオウレン、ツバメオモト、マイヅルソウなどの花が切れることなく付き合ってくれるのがうれしい。花に詳しいtakaさんと写真のプロである岳さんと足下の花をカメラに収め、楽しみながらのんびり歩を進める。

 1200を越えると、傾斜が緩み、足下にはミツバオウレンが消え、コミヤマカタバミやヒメタケシマランが目に付くようになる。1300mを越えると、左手前方に頂上が見え、右手に西峰が見えるようになるが、ときどきガスに覆われてハラハラさせられる。振り返ると、十勝平野が広がる。

 1400mから西峰分岐のピークまではこのコース最大の急登である。植生もダケカンバとハイマツ、ミヤマハンノキが中心の高山らしい雰囲気となり、ミヤマエンレイソウ、コケモモ、サンカヨウなどの花が増えてくる。西峰分岐からはまず本峰を目指すことにする(3)。先行グループは先に西峰へ向かったらしく、雪渓には一人に足跡しか残っていない。

 分岐からハイマツ帯の登山道を進むと、キバナシャクナゲやウラシマツツジの花に迎えられ、岩が積み重なった頂上が近づく(4)。

 前回一人で登ったときは2時間20分だった頂上へ3時間10分のうれしいのんびりペースで、それほど汗も掻かずに到着する。しかし、上空は晴れているが、日高側からどんどんガスが流れてきて、剣山や翌日登る伏美岳と隣の妙敷岳が見えるだけで、肝腎の日高山脈の山並みはまったく見えない。すでに1時間以上も晴れるのを待っているという先行者にシャッターを押してもらい(5)、風を避けて十勝平野側の展望が広がる岩陰へ移動して休憩してまもなく、突然、嘘のようにガスが晴れ、日高山脈の展望が広がり、それまで姿を隠していた西峰も見えるようになる。

 日高デビューの岳さんに対しての粋な演出に歓声を上げて、その大展望と山座同定を楽しむ。しかし、南の方ははっきり見えるが(6)、1967峰や幌尻岳・戸蔦別岳や北側の方はガスの中である。ちょうど、その晴れ渡ったところへ、タイミングよく、登山口で初対面したOさんご夫婦が到着する。

 そろそろと思っているところへ、「あとから追いかけます」と前日メールをいただいていた帯広のとしさんから、携帯に「先に西峰へ向かいます。」とのメールが入り、彼の先行する鋭く天を突く西峰を目指して出発する(7)。

 分岐まで戻り、西峰への以前よりかなり整備されている登山道を進む。稜線の東側は大きな雪渓に覆われているので、前回、源頭まで雨の中を滑りながら笹薮をトラバースする必要はなく、稜線の東側をずっと辿ることができるのはうれしい限りである。先行グループの人たちが下りてきて賑やかな稜線である。残雪の間にショウジョウバカマの花も顔を出している。

 前回はハイマツの枝にしがみつきながら必死で登った西峰頂上への急登(8)はすっかりステップが刻まれ、それほど苦労しないで、としさんの待つ狭い西峰頂上へ到着である(9)。

 ここで、昼食も兼ねて1時間以上も休憩するが、とうとう、幌尻岳と戸蔦別岳や1967峰はとうとう姿を見せることはなかった。

 明日の伏美岳からの晴れ渡った展望を期待して、4人で下山を開始する。下山もまた新緑と青空のコントラスト(10)足下の花々を楽しみながら(花一覧)、のんびり下る。

 下山後、明日の買い物もあるので、芽室町の市街地に出て、鳳の舞という温泉で汗を流す。立派な施設でシャンプー類も備えられているにもかかわらず360円という銭湯料金である。

 夕食と明日の買い物を駅前のスーパーで済ませ、明日の伏美岳の登山口にある避難小屋を目指す。小屋には、予定を変えてこちらへ来たという芽室岳の頂上でシャッターと押していただいた男性が先に着いていた。

 小屋の中を覗いたが、意外と狭く、夜遅く北見のクーラカンリという山岳会の9人が到着するという情報を得ていたので、我々全員は車で寝ることにして、小屋の前で小宴会モードに入り、6時過ぎには眠ってしまった。9時過ぎに彼等が到着して、その中の3人と昨秋の支湧別岳とニセイチャロマップ以来の再会を果たし、再び、車に潜り込む。


ズダヤクシュ

ミツバオウレン

ツバメオモト

コミヤマカタバミ

コケモモ

ミヤマエンレイソウ

ウラシマツツジ

ショウジョウバカマ

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