目国内岳(1202.5m) 新見温泉〜862ピーク経由ルート  2人  03.3.01
山スキーデビューの元同僚を滑りを楽しめる山「目国内岳」へ案内する。

 6:00 函館発
 9:00 新見温泉
登山地点下山
 9:15
11:00
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12:15
新見温泉
861ピーク北コル
(昼食休憩)
頂   上
13:55
13:00
12:40
12:25
[3:00]所要時間[1:30]

14:10 新見温泉(新見本館泊)

GPSトラックログ(66kb)
<登り〜赤色、下り〜青色>
 スキー技術1級レベルのアウトピステ好きの元同僚Saさんから「山スキーを買ったので、どこかへ連れて行って欲しい。」と頼まれ、まずは滑りを楽しめる山&滑るために登る山の第1候補としてこの目国内岳を選ぶ。それも、頂上からコルまでの南側の大斜面、さらにはその下の疎林の急な東斜面をやはり最大傾斜線に向かっての滑りを楽しむことができる新見温泉からスタートして、862mピークを経由し、コルから頂上をねらうルートである。私自身は、4回目(うち、3回は山スキー登山)の山であるが、過去の2回の山スキーは4月上旬と5月上旬の春山であり、本格的な冬山は初めてである。

 早朝、彼の車で登山口となる蘭越町の新見温泉を目指す。天候は曇り空であるが、高曇りで、ニセコ連峰のほとんどがそのピークを見せている中を、蘭越〜岩内線の車道の除雪最終地点の新見温泉前のゲートから出発する。ちょうど、20名ほどの登別山岳会のメンバーが出発の用意をしていた(1)。まずは、除雪がされていない車道の地図上に記されている標高568m地点のヘアピンカーブまで古いトレースを辿る。そのトレースは前目国岳南斜面経由ルートの方へ続いている。こちらは、新見の沢川を渡り862ピークの斜面に取り付くために、そのトレースと離れて、新しいトレースを刻む。

 新見の沢川まで下り、スノーブリッジを探し、そこを渡る。862ピークの疎林の急な東斜面をジグを切ってラッセルしながら登っていく。雪はちょっと重めだが、帰りは膝下くらいの快適な深雪滑降を楽しめそうである。初めて山スキーで急斜面を登るSaさんはかなりきつそうであるが、静かな疎林の林の中の雰囲気や高度を上げて行くに連れて見えてくるニセコ連峰の山々に感動している。

 彼に合わせ休み休みゆっくり登っていく。それでも予定通りの1時間45分ほどで、862ピークをかわし、頂上南斜面との平らなコルを越える。あとは、この山のシンボルである黒い岩塊がまだ雪が覆った状態の頂上を目指し、広い南斜面を登るだけである(2)。

 広い樹林限界を越える斜面を登って行くに連れて隣の白樺山〜シャクナゲ岳〜チセヌプリの白いピークとその向こうのアンヌプリや頂上部分を雲の中に隠した羊蹄山が曇り空の下に並んで見えるようになる(3)。だんだん西風が強くなり、帰りの大滑降を楽しめるはずの大斜面はウィンドクラストしていて、ラッセルの必要はないが、帰りの滑りを楽しめる状態ではない。山スキー登山初体験のSaさんは、苦しそうであるが、なんとしても頂上まで行きたいと言う。だんだん、これまで3回の登頂では見たことのない白く覆われた迫力ある岩塊が近づいてくる(4)。        

 ついに登り切り、強い西風を突いて、頂上の岩塊の陰へ回る。展望は見事に広がっているが(5)、岩塊を巻いて吹き付けるビル風のような強烈な風に見舞われ、休んでいられる状態ではない。シールを外しただけで直ぐに滑降に移る。スキーはお手の物であるはずの二人であるが、風が強く、地吹雪状態で空の色と斜面の色が同じに見えるために斜面の様子がよく見えない上に、強烈なウィンドクラストで、スキーが雪面を割って食い込み、思うようなターンを刻むのは大変である。春山になると、表面が解けて柔らかくなり、最高の気分の大半径のターンを刻むことができるのに・・・・。Saさんにその気分を味あわせてあげられなくて非常に残念である。

風の弱いコルまで、とにかく安全第一で滑り降りる。それでも下の方は何とか表面だけがクラストしている雪面を踏みながらの小回りターンを楽しむことができる。平らなコルで休憩し、簡単な昼食を摂る。
 
 あとは、登りで楽しみにしていた862ピークの東斜面の疎林の中の滑りである。案の定やや重い感じはあるものの、心地よい小回りターンを楽しむことができて、二人とも子供のようにはしゃいで滑り降りる(6)。登りで苦労した分を取り返すべく何度も立ち止まりながら大事に大事に滑る。大満足の滑りを楽しみ、やがて、新見の沢川まで下りる。スノーブリッジを渡り、道路まで登る。

 道路上のトレースを下っていくと、スタートがほぼ同時だった白樺山へ行って来たという登別山岳会のグループが白樺山の西斜面を下って来るのと出会う。その地点から宿泊先である新見本館の露天風呂の上までの短い斜面で最後のターンを楽しみ、駐車場へ下る。

 まずはチェックインだけして、時間的余裕もあるので、飲み物とつまみ購入のために蘭越の町へ向かう。戻って、早速ビールを片手に温泉の露天風呂へ向かう。この露天風呂の雪壁も見事であるが、温度がちょうど体温と同じくらいで、おしゃべりしながらいつまで入っていられるのがうれしい(7)。十勝連峰三段山麓の吹上温泉の白銀荘の一番下の露天風呂と同じで大好きな湯温である。温泉の中で心地よい疲れとビールに酔いながら贅沢な時間をのんびり過ごす。夕食後、テレビを見ている内に、二人とも9時頃には眠ってしまった。





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