松倉川遡行第3弾・「羽衣の滝」上部の沢  
<ご神木〜林道830m地点> 3名  13、6,09
「ミズノ沢〜黒滝〜アヤメ谷地」の記録
 「ミズノ沢〜天女の滝〜林道」の記録


まだ残っていた松倉川上流部の「羽衣の滝」を越えて、予想外の変化に富んだ遡行を楽しんだ

8:20 自宅発
9:30 出渓地点の林道
    (車デポ)
登山
地点
10:25
10:35
11:25
11:40
13:05
14:00
ご神木(440m)
460二股
天女の滝
羽衣の滝
690二股
林道(830m)
[3:35]所要時間

14:40 ご神木(車回収)
15:40 昭和温泉(入浴)
16:30 帰宅

  松倉川は函館市の袴腰岳付近に端を発し、湯の川温泉街から津軽海峡に注ぐ24kmほどの川である。

 この川の魅力は上流部の大小の数々の滝や釜や淵と豊かな河畔林を持つ清流である。最近、その美しさゆえに人気の銘渓のひとつにもなっていて、全道各地から訪れる沢愛好者が多い。

 その美しい景観を味わえる遡行の核心部は、ミズノ沢出会い(300m)からご神木(430m)の間である。その上の460二股から左へ詰めると、「黒滝」を越えて水源の「アヤメ谷地」へ突き上げている。右を詰めると、550二股で30m級の「羽衣の滝」と「天女の滝」の沢に分かれ、詰めると、それぞれ上の林道へ出ることができる。

 これまでに、「アヤメ谷地」への沢と「天女の滝」の沢は上の林道まで遡っているが、残っていたのが、「羽衣の滝」の沢であった。今回同行をいただいたSHOさんもTaoさんもその沢が残っていた。3人とも初めての沢で、まったく情報がないので、とても楽しみだった。

 今回は、2度遡っている美しい景観の核心部ミズノ沢出会いからご神木までの部分はパスし、車で入ることのできるご神木から入渓した。まずは、この沢と林道がクロスする830地点へTaoさんの車をデポし、入渓地点のご神木へ戻った。

○ご神木の上から入渓

 ご神木までの林道は歩く覚悟だったが、下まで車で降りれるようになっていた。準備して入渓。ここから「羽衣の滝」と「天女の滝」までは、一度歩いているので、何の変哲もない渓相ということは分かっていた。

 30分ほどして、最初は右側に、二つの滝が近くなると左側に現れる急な崖を見上げながら、平凡な沢を1時間ほど遡って行く(1.2)。

 やがて、550二股で、「羽衣の滝」が右側に見えてくる。今回は、右からその滝の上の沢を詰めるのが目的だ。先に「天女の滝」を見るために左へ進むと、すぐに見えてくる。

 ほぼ垂直に落ちる「天女の滝」を真下から眺めて、しばし感動(3,4)。前回は「天女の滝」を右から高巻いて、その上の沢を林道まで詰めている。Taoさんと自分は、この二つの滝は眺めているが、SHOさんは初めてなので、このような大きな滝の存在に驚いている。 次に、今回越える予定の「羽衣の滝」まで戻る。

 

○羽衣の滝を越えて

 「羽衣の滝」の下まで登り、記念撮影(5)。最初は、右上の窪んで見えるところまで登り、その上から高巻こうとしたが、偵察の結果、その奥は崖になっていることが判明。少し下って、右の藪から突入して高巻くことにした(6)急斜面だったが、笹や灌木を利用して、意外と簡単に巻くことができ、落ち口から下を覗くこともできた。



















 これまでに遡った「黒滝」の上も、「天女の滝」の上も、滝はなく、平凡な沢だったので、こちらもそれほど期待はしていなかった。ところが、まもなくして、小滝の上に大きな滝が見えてきた(7)。下まで登って見上げる。15mほどの滝だが、直登は無理である(8)初めは、右側から高巻こうと試みたが、あと少しのところで、泥壁に阻まれて断念。滝の下まで戻った。次に左下からの急な小沢を見つけて、そこを利用して高巻くことに(9)沢面よりかなり高く登ったが、その上にはまだ植林して間もないトドマツの人工林広がっていた。斜度の緩いところから再び沢に下りた。


 さらに進むと、まん丸な深い釜を持った小滝が現れた。予想以上のなかなか変化に富んだ渓相が続く(10)。690二股からは右へ進むのだが、右の沢の上に大きな滝が見えたので、そちらへ進んでみた(11)



 690二股へ戻り、さらに遡行を続ける。地図で見ても、その上は高度差のある細い沢地形が続くので、滝が出てきそうだ・・・と思ったら、案の定、両側が急な崖の間に、ずっと上まで小滝の連瀑状の地形が続く。しかも、ホールドもないペロンとした岩盤である(12)。急なところで直登できそうもない地点へぶつかった。そこはTaoさんがバイルを上手く利用して、足場を削りながら突破して、上からロープを出してくれた(13)自分は持っていないバイルの利用効果を実感した。その上でもロープを使ったり、お助けロープを利用するところもあった。結果的に、このような連瀑が700m〜780mまでの高度差80mほども続いた(14)

それが終わったら、笹藪が上から覆い被さった沢へと変わった。その笹を掻き分けながら進むが、ゴールを楽しみの我慢の辛い歩みが続く。やがて、狙い通りの車をデポしておいた地点の林道へ出ることができた(15)

 全身着替えをしてさっぱりとして車に乗る。さらに奥のアヤメ谷地を見てから、自分の車をデポしてある入渓地点へ戻る。

 「黒滝」の上の沢や「天女の滝」の上の沢はまったく楽しみのない平凡な沢だったが、この「羽衣の滝」の上の沢は、想定外の滝が連続し、なかなか手強くも楽しい沢で、3人とも大満足だった。

 
この松倉川の最も美しい核心部の記録は下記でどうぞ!
「ミズノ沢〜黒滝〜アヤメ谷地」の記録  「ミズノ沢〜天女の滝〜林道」の記録




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