○前回と同じ地点から入渓し、美しい渓相を再満喫
前回のメンバーが2名入れ替わっているので、前回と同じミズノ沢出会いから入渓することにし、車を1台、右股沢の源流部と林道が交差する地点に回して入渓地点へ戻る。ここから460二股手前の御神木地点までが美しい渓相の核心部である。ここは何度歩いてもすばらしいところである。
(多くの写真は、前回のページに掲載)
3日ほど雨が続いた後なので、心配していた水量は前回と同じ位なので、ホッとして入渓する。両岸の樹林は新緑から幾分濃さを増した感じである。ただし、前回と違って曇り空なので、木漏れ日の美しさがないのは残念である。
最初の見せ場である3段の雑魚止まりの滝を越えて(1)、
20以上も次々と現れる小滝と深い釜や淵やナメを堪能しながら遡行していく(2,3)。感動は初遡行の前回の方が勝ることは仕方ないが、やはりすばらしい。
前回、足を滑らせて渦巻く滝壺に巻き込まれた地点は、前回と反対側の右岸をへつって、越えてしまってから、そこだったと気づいた。改めて見直すと、足を滑らせたのは前方で構えられたカメラに目が行って、足元を良く見ていなかったことに気がついた。巻き込まれた滝壺は底の方が白く渦巻いていた。
新しいメンバーの2人には悪かったが、スタートが前回より遅かったのと、遡行距離が長いこともあって、歩くペースが速いようである。前回より30分ほど早い2時間でブナの御神木を通過し、さらに15分で昼食予定地点の460二股に到着する。
○460二股から右股沢へ
小雨がぱらついてちょっと心配した昼食後(4)、いよいよ楽しみな右股沢へ進む。前回歩いた左股沢よりは水量が多いようである。下ってくる渓流釣りの2名に出会うが、あちこちで土砂崩れの倒木が邪魔して、すんなりと歩けないと教えてくれる。
すぐに、左岸が岩盤が露出した急な壁が現れ
、その先は上から崩れ落ちた倒木が邪魔で、何度も右岸を藪漕ぎをしながら進んで巻くことが多い。
やがて、反対側の右岸が今度は同じような崖となり、ナメの上に岩がごろごろした中を遡っていく(5)。
途中、合流した沢がスパッと切れ落ちて合流する小滝があったりするが、高巻くような難しいところもないまま45分ほど進むと、「見えた!見えた!」と声が上がる。
右側に予想よりはるかに大きな羽衣の滝が現れ(6)、すぐその左側の先の木陰に天女の滝がチラッと見える。今回のメインである念願の二つの滝との対面である。
まずは、右側から合流する羽衣の滝の下へ進む。30mと聞いてはいたが40mはある大滝である。下に積み重なっている岩や倒木を伝って根元まで登る。滝壺はなく、滝登りのスペシャリストにとっては、なんとなく登れそうな感じのする滝である。しばし、見上げながらみんなでそのルートを検討して楽しむが、今回詰める沢はこの滝の懸かる沢ではなくて、天女の滝の沢である。
下で、集合写真を撮って(7)、天女の滝へ向かう。このころになって、ようやく上空に青空が広がって来る。
すぐに天女の滝の下に到着する。ペロンとした垂直に切り立った岩崖の上から落ちる滝である。こちらは落差30mくらいである。この滝はホールドになりそうなものがまったくなく、どんな人でも登れそうにもない滝である(8)。
滝壺を眺めて、少し戻り、微かに踏み跡が認められる左岸の急な尾根に取り付いて高巻きに入る。登っていく途中の右手に羽衣の滝も見える。途中の小沢を越えて笹薮をトラバースして、滝の上流に再び下り立つ。
滝の上からは、苔むした大きな岩やごろごろしたところ(9)やナメが続いたりで(10)、結構変化に富んだワイルドな登りが続く。
高度を上げていくにつれて、
あちこちにミゾホウズキの群落が目に付くようになる(11)。また、青々とした柔らかそうな大きなフキが生えている。ゴールも近くなったので、10本ほどいただく。切ると中から水がジャッと落ちてくる。
林道が近くなってくると、沢は細くなり、周りが笹で覆われ出すが、それを掻き分けて進んでまもなく車をデポしておいた林道へ到着する。林道の下を通っている土管の中を潜って反対側に出る者もいたりで、楽しかった遡行も終止符を打つ。
次回は紅葉時の再訪を誓い、長い林道を車に揺られながら入渓地点へ戻る。遠征組は我が家に泊まるので、近くの富岡温泉へ案内する。その後、近くのスーパーで買出しをして、道南低山巡りにやってきた札幌のSuご夫妻も合流して、我が家を会場とした反省会で盛り上がる。