松倉川遡行(アヤメ谷地ルート) 7名 17,6,24
8:30 水の沢林道入口
9:00 アヤメ谷地手前・車デポ
9:25 水の沢林道入口
遡行 | 地点 |
9:30
11:25
11:45
13:40
14:15 |
入渓(ミズノ沢川出会)(300m)
ブナの御神木(435m)
455m二股<昼食(30分)>
黒 滝690m)
アヤメ谷地(745m) |
[4:45] | 所要時間 |
14:55 車デポ地点
15:20 水の沢林道入口
16:30 戸井湯遊館(入浴)
17:30 なとわえさんキャンプ場(泊)
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松倉川は函館市の袴腰岳付近に端を発し、湯の川温泉街から津軽海峡に注ぐ24kmほどの川である。
1998年に「松倉川を考える会」の運動が実を結び、時のアセスメントによって、松倉ダムの建設計画が中止となった川としても有名である。その理由の中に流域の豊かな自然の保全があった。道南の多くの川の中で、これほど大小の数々の滝や豊かな河畔林を持つ清流は他にはないと言われている。
この川の魅力は上流部の大小の数々の滝や釜や淵と豊かな河畔林を持つ清流である。その美しさゆえに人気の名渓のひとつにもなっていて、全道各地から訪れる沢愛好者が多い。
その美しい渓相を味わえる遡行の核心部は、ミズノ沢出会い(300m)からご神木(430m)の間である。その上の460二股から左へ詰めると、「黒滝」を越えて水源の「アヤメ谷地」へ。右を詰めると、550二股で30m級の「羽衣の滝」と「天女の滝」の沢に分かれ、それぞれをを詰めると、上の林道へ出ることができる。これまでに、その3コースのすべてを遡行している。
今回は、HYML仲間の札幌のあっきさんの企画で、室蘭の怪物・80歳の山じいと、札幌の女性なのにおとーちゃんと呼ばれている(姓が音読みの藤に由来)の3名とともに、T1年ぶりのアヤメ谷地までの遡行を楽しんだ。
まず、車2台で、松倉大船林道を走り、入渓地点のすぐ上の水の沢林道分岐(1)まで行く。もう1台を遡行のゴール地点であるアヤメ谷地へ回そうとしたが、その1kmほど手前で林道が決壊していた。その付近に車をデポして再び戻った。
○まずは、前半の小滝と滝壺や釜などの渓流美が続く御神木まで
水の沢林道分岐をスタート。とても80歳には見えないたくましい山じいと息子と娘のようなおとーちゃんとあっきさん。いずれも同行経験のある気心の知れたメンバーである。(2)。ここから入渓するのはT1年ぶりだが、水の沢林道はすでに薮に覆われていて、沢登りをする人が歩く踏み跡だけになっていた。松倉川本流に架かっていた橋もなくなっていた。
沢の大ベテランである山じいの先頭で進む。ちなみに自分が知る限り、このような80歳は見たことがない(3)。
入渓して10分ほどで現れる「雑魚止まりの滝」を越える。白い飛沫と深い滝壺が美しい(4)
濃い緑に包まれた流れが美しい(5)。次々と小さな滝や30cmものオショロコマの魚影が濃い淵などが現れて飽きることのない遡行が続く(6)。
山じいのルートファンディングに従い、へつったり、フリクションを効かせて楽しい歩を進める(7〜10)。
変化の続く滝の連続を慎重に楽しみながら1時間ほど進むと、c400の滝にぶつかる(6)。過去2回は、左から高巻いていたが、山じいとあっきさんは、急な右側に挑戦。自分とおとーちゃんは、11年間の間に明瞭な高巻き道ができていた左から巻いた。
やがて、河畔が広くなり、入渓から2時間で、c435m付近のブナの御神木に到着。樹齢300年と言われ、前回はそばに古い鳥居が祀られていたが、朽ちたのかなくなっていた(8)。近くまで林道が入ってきていたが、ここも薮に埋もれていた。
時のアセスメントで松倉ダムを中止に追い込んだ「松倉川を考える会」の著書によると、このような大木が流れのすぐそばに残っているということは、この川が洪水に見舞われたことのない証拠であり、治水のためのダムは必要がないという根拠にもなったそうである。この木を御神木として、鳥居まで祀っていた昔の人の想いはどのようなものであろうか・・・などと考えて、変化があって楽しかった遡行の前半部を終える。
ここまでが、連続する小滝や滝壺や釜を楽しむ遡行の核心部である。ここまで遡行して、20分ほど林道跡を歩き、上の林道へ出ることも可能である。