俣落岳(1003.5m)〜クテクンベツ岳(995m)〜ソーキップ岳(1026m)<中標津町/標津町> 
[ルベス林道〜北尾根ルート]  山スキー 3名 2010,3,29 
08,7,19のクテクンベツ川からの「クテクンベツ岳」へ

稜線と吊り尾根で繋がっている3山の欲張り循環縦走・・・ 

6:00 Miさん宅発
7:00 忠類川沿いのルベス林道入口
登山
地 点
下山
 7:20
 8:15
10:15
11:30
11:40
12:55
13:20
13:55
林道入口
北尾根取り付き
910ピーク
俣落岳着
  〃 発
クテクンベツ岳着
  〃 発
ソウキップ岳
16:50
16:05
14:25
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14:10
[6:35]
所要時間
[2:40]
17:30 標津町「鉄の湯」(入浴)
18:30 Miさん宅着
19:30 中標津公共駐車場(泊)

標津山地の主稜線上には1000mをわずかに越えた山が5山ある。俣落岳と通称・ソーキップ岳がそのうちの2山である。地図には名前が載っていないが、地元では1026峰をとソーキップ岳と呼んでいる。

 やはり地図に名前の載っていないクテクンベツ岳と呼ばれている995峰はその稜線と吊り尾根で繋がっている中標津町側の山である。中標津の市街地からもこの3山はよく見える(1)  

俣落岳は、俣落川の源流部にあることに因るが、俣落の語源は、「マタ・オチ・イ」(冬・居る・処)の意で、冬でも鮭や鱒がたくさん獲れたことによるらしい。ソーキップ岳は、ソウキップカオマナイ川の源流部にあることに因り、ソーキップの語源は、「ソウ・キ・ペ」で、(滝の上の山)の意らしい。 またクテクンベツ岳もクテクンベツ川の源流部に位置することに因るが、「ク・テク・ン・ベツ」(弓と・手甲の・ある・川)の意と、「クテク・ウン・ベッ」(鹿熊取る柵・ある・川)の両説があるようだ。

 自分は、クテクンベツ岳に2年前の夏、クテクンベツ川を遡行して登頂している。連日同行してくださっているMiさんはこの主稜線を全て繋いでいるので、俣落岳とソーキップは登っているが、クテクンベツは未踏とのこと。Moさんは全て初登頂とのことで、全員の希望を一気に叶えるべく、欲張った3山縦走の計画となった。ルートは、『ガイドブックにない北海道の山々』(八谷和彦著)のルートを参考に、Miさんも初ルートとなる中標津とは反対側の忠類川側からとなった。

 Miさんの車で国道244号線を北上し、忠類川の支流の橋を渡ったすぐ左側の林道入口へ駐車スペースを作って車を停める。

○まずは、俣落岳を目指して
 
 林道入口には「ルベス林道」の看板が立っていた(2)その林道を1.5kmほど進むと分岐がある。そこは左へ進み、右岸の道を進む。すぐに橋を渡る。橋から数えて4つ目の沢形の先の尾根が主稜線上の俣落岳とソーキップ岳の間に繋がる北尾根である。沢形を数えながら進む。正面に522ピークが見えてくる。その一つ手前の尾根である。
 
 その尾根の末端に取り付くが、林が濃くて先が見えず、地形も少し複雑で、ルートファンデングに少し苦労する(3)しかし、なんとか588ポコに乗ることができた。ここまで来ると、あとはすっきりとした尾根なので心配はない。

 773ポコの次のポコへの細くて急な登りは、スキーを担いでツボで登った(4)。さらに、910ポコへ上がると、右斜め前方に目指す俣落岳が見えてくる(5)

 そこ先のコルからは、主稜線の平坦なところを狙って等高線沿いにトラバースする。主稜線に出たら、あちこちにスノーモービルのトレースが走っている。当然、俣落岳の頂上にまで続いていた。それらを利用して背丈の低いダケカンバ帯の緩やかな稜線を進む(6)

 やがて、目の前に頂上が迫ってくるスタートしてから4時間10分で、まず最初の俣落岳をゲット。風も強く、横殴りの雪が降って来る中で、記念撮影(7)

 稜線の東側には、かろうじて5日前に登ったサマッケヌプリが見えている(8)。さらに、振り返ると、これから目指すクテクンベツ(右)とソーキップ(左)の2つのピークが見える(9)少し待てば、天候が回復し、展望が開けてきそうな感じだが、先が長いので、すぐに出発。

 ○次に、クテクンベツ岳へ

 途中まで来たトレースを辿って稜線上を戻る。さらに稜線を外して、クテクンベツ岳への吊り尾根のコルを目がけて効率よく進む。徐々にクテクンベツへの吊り尾根に近づいていく。目指すクテクンベツの頂上が見えてくる(10)吊り尾根手前から振り返ると、先ほどまでいた俣落岳が端正な形できれいに見えている(11)

 944ポコをかわして、稜線から吊り尾根のコル目がけて等高線上にトラバース。コルへ出て、ひと登りすると、目指す頂上はすぐだった。2年前の夏にクテクンベツ川を遡行して来たときにも見えた頂上の大きな岩が懐かしい。

 そのときは曇っていて、展望はなかったので、主稜線がこんなに近くにあるとは知らなかった。今日は、東側に一昨日登った尖峰や2度も登っている武佐岳などを初め、360度の展望が広がっている。(12)。

俣落岳から1時間15分でクテクンベツ岳到着。まずは、ハイマツで覆われた片方の岩の上で記念撮影。左手バックには俣落岳とサマッケヌプリ(13)さらに、2年前に登ったときには、向かいの岩に座って記念写真を撮っている(クリックすれば前回の写真が見れます)ので、そちらにも登って撮してもらう(14)


○最後のソーキップ岳へ

 腹ごしらえをして、稜線上に見える3山目のソーキップ岳を目指して、吊り尾根を戻る。広い吊り尾根の先の稜線上がソーキップ岳の西コルなので、思ったより近そうだ(15)

 稜線上へ戻り、ハイマツの濃い地点の手前でスキーをデポして、ツボで頂上を目指す(16)稜線の右側は緩やかな斜面になっているが、左側は急ながけになっていて、その北側には不思議なほど広い台地上の平坦な地形が広がっている。

 クテクンベツからわずか35分で呆気ない到着。俣落岳から見たときは、クテクンベツもこのソーキップも遠く感じたので、最悪の場合、MiさんとMoさんはクテクンベツへ、私はソーキップへと別行動も考えたが、クテクンベツから戻った先がソーキップのようなもので、その必要はなくなった・・・・。

 まずは、恒例の記念撮影(17)。その後は、当然、2日前に登った尖峰へ目が向く。こちらから見ると、まさに山名の通りの天を突く鋭さである。「こちら側の尾根はとても急で登れないね」と話す二人(18)東側に続く標津町と中標津町の境界稜線の先には2日前に反対側から眺めた武佐岳が見える。

○大満足の下山

 予定通りの3山をゲットし、大満足で下山の途に就く。稜線上を登ってきた北尾根の分岐を目指して戻る。その先にはようやく全容を見せつつある斜里岳が・・・(19)

 15分ほどで、稜線から少し下った北尾根上の910ピークで、登りのトレースに合流

 どんどん下っていくと、予定通り踏破できたこれまでの標津山地の最後の山行を祝うかのように、斜里岳が青空の下にすっきりとした姿を見せてくれた。斜里側から眺めることが多い山だが、反対側のこの方向からの姿は、この標津山地の稜線へ登らないと見えないだけに貴重な眺めである。昨年頂上直下の急な壁で敗退した東斜里岳と歩いた尾根もきれいに見えている(20)

 下る北尾根も林道も登り返しがあるので、最後までシールを外すことはなかった。ソーキップ岳から2時間40分、トータルで9時間30分のロング山行を無事終えて、車に戻ったら16:50だった。その後、2日前と同じ標津町の「鉄の湯」に入って、Miさん宅まで戻ったら日はとっぷりと暮れていた。



08,7,19のクテクンベツ川からの「クテクンベツ岳」へ

 同行いただいたMoさんのページへたくさんの大画像に、私がいっぱい写っています) 


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