鉞山(779m) [神恵内村] 
 <南尾根ルート>  2名 08,07,12

往復6時間半の藪漕ぎで、念願の山の一つであった奇峰・鉞の刃の上に立つ。

6:00 珊内林道へ
登山
地 点
下山
 6:20
 6:35
 6:45
 8:15
1045 
ゲート前
マッカ川橋
尾根取り付き
c410ポコ
頂 上
14:00
13:50
13:40
12:30
11:05
[4:25]所要時間[2:55]
14:30 珊内ぬくもり温泉(入浴)

 積丹半島の西側、珊内川の上流に聳えるまさに鉞の刃のような頂稜をもつ奇峰とも言うべき山がこの鉞山である。標高は1000mにも満たないが、5年前に珊内山に登ったときに、その山容を目にして、機会があればぜひ登りたい山となっていた。

 昨秋、「地図がガイドの山歩き」のsaijoさんから誘いを受けたが、急用で参加できず、チャンスを失ったままだった。しかし、道内700m超峰踏破挑戦中のKo玉さんさんから誘いをいただき、昨秋のsaijoさんの記録を参考に、終始藪漕ぎで挑戦した。ルートは、珊内川とカジ山沢川の出会いにある尾根の末端から、頂上へ繋がる南尾根の藪漕ぎピストンである。

○まずは、尾根の末端へ

  前夜、神恵内漁港の駐車場で待ち合わせて、翌朝、珊内地区の珊内林道へ向かう。珊内川河口の橋の上から目指す鉞山が見えている(1)林道を進むが、途中で決壊のためにゲートが閉まっていた。そこから1kmほど歩くことに。途中から、越えなければならない手前のc410ポコとその先に頂上が見える(2)15分ほどで、マッカ川に架かる橋へ到着。雨上がりでもあり、藪漕ぎに備えてカッパの上だけ着る。

 藪を漕ぐより沢を利用した方が楽なので、マッカ川へ下りて、珊内川とカジ山沢川の出会いへ向かう。10分ほどで、出会いに到着。前夜の雨で増水が心配されたが、スパイク長靴でも渡れる水量であった。

○4時間に及ぶ藪漕ぎ 

 一番緩いところから尾根の末端に取り付く。尾根に乗ると、カジ山沢川に懸かる10mほどの滝が下に見える(3)。

 尾根といっても下部は急な広い斜面で、藪もそれほど濃くはなく、気持ちよく登ることがができる。c300mを越えると割と顕著な尾根となり、c350付近から濃いネマガリダケ林となる。Ko玉さんが帰りの目印のために木の枝や笹の葉を折りながら進む。
 
 
 途中で、直径1cmくらいの実を付けた常緑低木を見つける。木は良く目にするが、この実を目にするのは二人とも初めてである(4)

 帰宅後、図鑑で調べたら、樹木の名はハイイヌガヤで、果実は、熟すとやや甘く、食べられ、果実酒にもなるらしい。しかも、その果実は今年咲いた花のものではなく、前年に咲いた花のものだという。

 ずっと、藪の中なので、周りは全く見えないが、c410ポコに乗ったときだけ、目指す先にそそり立つような頂上が頭を見せている(5)c410ポコを越えると、しばらく、平坦になり、藪も薄くなり歩きやすくなる。
 しかし、登りに掛かり、c500mほどから再び強烈なネマガリダケとなり、それを抜けると、今度は、ヤマブドウとコクワ(サルナシ)の蔓が行く手を挟むようになる。これが、なかなか厄介だ。帰りのことを考えてなるべく切って進むようにするために、歩がはかどらない。

 c550mを越えると、徐々に斜度が急になり、頂稜に近づくに連れて、灌木が中心の藪となってくるやがて、c670mで、まずは左側が足元から切れ落ちている頂稜に乗る。この辺りから結構明確な踏み跡っぽい痕跡も見られるようになる。

 周りはビッシリと灌木に覆われていて、いつの間にか周りがガスって、下がよく見えないために高度感をそれほど感じないのが幸いである。 途中、一ヶ所だけ、岩場をトラバースしなければならない地点があったが、根元に足場があり、それほど手こずらないで通過できた(6)。その岩場に、イワベンケイ(7)やカワラマツバ、カワラナデシコなどが咲いていた。

 頂上が近づくと、右側も切れだし、いよいよ鉞の刃渡り状態となる。周りの灌木にしっかり掴まりながら進む。幅が狭く、足元が切れているところもあるので、むりやり木の枝をかいくぐらなければならないところもある(8)

 やがて、頂上と思われるところには三角形の岩があり、そのそばの枝に赤いテープが結ばれていた(9)藪漕ぎに入ってからちょうど4時間の長丁場であった。

 生憎、ガスで覆われて眺望がまったくないのが残念である。晴れていれば、積丹半島の山々が見えるはずである。三角点のない山なので、Ko玉さんこだわりの三角点探しは必要なかった。

○手こずる下山 

 腹ごしらえ等で20分休んで下山開始。灌木の尾根は、下りといえども登りとそれほど時間は変わらない。さらに、670m付近で顕著な尾根に引っ張られて、登ってきた尾根を外したことに気付く。標高差20mくらいであったが、GPSのログを参考に登ってきた尾根に戻ることができた。
あとは、登りで目印に折った枝や笹を探しながら下る。それでも、それを見失ったり、尾根を外したりでGPSで微調整をしながら下っていく。

 頂稜の端まで下ると、ガスが取れて、周りの展望が少し利くようになり、正面に珊内地区の集落も見えるようになる(10)。
  
 登り4時間の藪尾根を、2時間35分で下り、沢出会いに下りてホッとする。マッカ川を10分ほど遡り、林道に出る(11)

 国道に出る手前の珊内温泉ぬくもりの湯でゆっくり汗を流し、疲れを取る。

  翌日、函館はお盆なので私はお付き合いできないが、Ko玉さんは、「地図がガイドの山歩き」チームのsaijoさんとチロロ2さんと一緒に岩平峠という山に登る予定。その「地図がガイド」チームが19:00ごろには神恵内温泉998の駐車場に着くという。彼らとはお見舞いに来ていただいた以来逢っていないので、一緒に飲んで明日の朝帰ることにする。ビールを飲みながら夕食を摂って彼らを待つ。18:30には到着し、さらに21:00過ぎまで山談義等でで盛り上がった。


「北海道百名山紀行・目次」へ     HOMEへ

inserted by FC2 system