丸岳(531m)〜長山(580.5m) <知内町>  
ツラツラ林道〜小股沢の枝沢ルート 2名 10,5,22

七ッ岳の子分の6座の内、残雪期には厳しいと思っていた2山を意外と楽勝で踏破

 8:00 自宅発
 8:50 ツラツラ林道へ
 9:10 母沢と小股沢合流地点 
登山
地点
下山
 9:15
 9:35
 9:45
10:30
11:10
11:55
入渓地点
小股沢の枝沢へ
260二股
丸岳
コル
長山
13:35
13:15
13:10
----
12:45
12:15
[2:40]所要時間[1:20]
14:00 知内温泉(入浴)
15:50 帰宅

 頂上が知内町と福島町と上ノ国町3町の境界となっている七ッ岳(956.8m)の山名の由来が、知内町側にボコボコと林立する500〜600m台の燈明岳、馬岳、牛岳、丸岳、長山、親岳と合わせた7座の盟主であることに因るらしい。

 これらの内、登山道のあるのは親分の七ッ岳だけで、子分の6山には登山道はない。燈明岳・馬岳・牛岳は残雪期に登頂済み。なんとしてもあとの3座も登りたいと思っていたが、今回SHOさんの同行を得て、丸岳と長山に登ることができた。今回の長山と丸岳は一番南に位置し、稜線で繋がっている。国道228号線の道の駅「しりうち」手前の正面に見え、それぞれの山名は頂稜の形に因るようだ(1)

 昨年4月初旬、燈明岳・馬岳・牛岳に登ったときに眺めたこの2山は、急な雪壁を巡らせ、しかも稜線も細く急峻で、雪のあるときは無理だと思っていた(2)そこで、林道も開き、雪の消えた今回の挑戦となった。実際に登ってみなくては分からないものである。急な尾根も細い稜線も周りに生える木々に助けられ、予想より楽勝の山であった。

 知内温泉奧のツラツラ林道を走って、母沢と小股沢の合流点を目指す。近くで駐車スペースを探しながらゆっくりと走っていると、ちょうどその合流点へ下りる林道があり、下りたところに広い駐車スペースがあった。

○まずは、丸岳を目指す

 その合流点で入渓し、左側の小股沢を進む(2)次々と現れる新しいのや古いのが続く砂防ダムを6つほど越えて、2山のコルへ突き上げる枝沢へ入る。

 
 当初はコルまで登り詰めて、そこから両山をピストンするつもりでいたが、状況によっては、260二股から左沢へ入り、そのまま丸岳へ直接登ることも考えていた。
 
 その260二股で(4)、改めて地図で確認する。左沢を進んで直接頂上を目指す方が、急ではあるが、コル経由より距離的にはかなり近いので左沢へ進むことに。

 地図で見込んだ沢より1本左の沢へ進んだらしく、途中で沢がなくなってしまう。尾根は薮も薄く、まったく気にならないほどなので、沢にこだわることを止めて尾根をひたすら登ることにする。徐々に斜度がきつくはなるが、周りの灌木や笹を頼りに登り続ける(5)

 c350〜400mは特に急登で、心拍数も上がり、汗がほとばしり出るが、あちこちに咲くムラサキヤシオツツジの花が疲れを癒してくれる(6)。新緑の樹間からまだ多くの雪を抱いた大千軒の頂上が覗く。新緑と雪を抱いたピークのコントラストもこの時期ならではの眺めだ(7)


 やがて、斜度も緩み、頂上直下で顕著な北西尾根に乗る。それまではなかったネマガリダケが出てくるが、それほど濃くはない。それを掻き分けてブナが生える細い稜線上の丸岳頂上に到着(8)コル経由で稜線を登って来るよりは40分ほど早かったようだ。

 頂上の木にピンクテープが結ばれていた。今は転勤で札幌へ戻ったKo玉さんとnumaさんと函館のTAOさんのグループが、コル経由で昨年の同時期に登ってはいるが、彼等はテープなどは残さないので、他にも登る物好きな山屋がいるのだろう。

 西側だけの展望が広がり、知内川沿いの知内平野と津軽海峡(9)とその右側に矢越岬に続く知内山地の山並みが見える


○コルへ下り、さらに長山を目指す

 新緑のブナに覆われた稜線をコル目指して下る。樹間から岩壁を見せて屹立するギョッとするような長山稜線東端のピークが覗く。登るのは右の尾根だが、細い上にかなり急な感じだ。しかし、木がびっしりと生えているので心配はないようだ(10)

 右側には、母沢と小股沢を挟んで聳える馬岳とその左奧に七ッ岳も見える(11)

 やがて、コルに下り立つ。長山頂上までは標高差230mの登り返し。ずっと木の枝が頼りの両手両足を駆使した急登が続く。気温もかなり高いようで汗が噴き出る。

 振り返ると、先ほどまでいた名前通りの丸岳頂上が見える(12)。 やがて、斜度が緩み、長山の由来となっている550mの等高線が細長く続く稜線の東端に到着。頂上はその一番奥である。この稜線も痩せてはいるが、両側にビッシリと木が茂っているので、怖さはまったくない。それらの間を潜ったり、掻き分けたりしながら進んでいくと、目の前に高見が現れる。そこが長山頂上である。

 明らかに三角点を設置するために人工的に平らにしたような地形に飛び出す。昨年登った3人が掘り出して頭だけが見える三角点を前に記念撮影(13)。南西方向には、知内山地の最高峰(通称知内岳)とその右に岩部岳が見える(14)

○大満足の下山

 昼食を摂り、下山を開始。木の枝や笹を頼りにときどき後ろ向きに下らなければならない急なところもある。

 コルに下り立ち、雪渓で埋まった沢に下りようとしたが、急で木も生えていない急な草付き斜面で、直接降りることができない。怖々トラバースして、左の尾根から割り込んで雪渓の上に下りた。

 雪渓で埋まった沢の斜面には、いろいろな花が咲き乱れ、最近花に凝り出したSHOさんは撮影に忙しい(15)。登りのルートと合流する260二股の上で小滝が連続して現れる。安全を期して左の尾根や斜面を巻いて下る(16)。  
 やがて、小股沢へ出て、4時間20分でゴール地点へ。丸岳までが1時間20分、丸岳から長山までが1時間20分、そして、長山からの下山が1時間20分と3等分の時間配分だったのも面白い・・・予想したよりは楽勝だったが、変化に富んだコース採りに満足の2山ゲットだった。

 ○咲いていた花々
 左のサンカヨウ(17)、スミレサイシン(18、)オオバキスミレ(19)、エゾエンゴサク(20)、オオサクラソウ(21)の他にカタクリ、、キクザキイチゲ、ヒメイチゲ、ニリンソウ、イワカガミなどが目に付いた。



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