白雲岳「幻の湖」(2230m)
<黒岳経由ルート> ツボ足 単独 13、5,27
2年越しの念願が叶った満水状態の白雲岳「幻の湖」

4:00 旭川道の駅発
6:00 層雲峡・黒岳ロープウェイ駅
7:00 ロープウェイ山麓駅発
登山
地 点
下山
 7:10
 7:40
 8:40
10:10
11:10
11:25
ロープウェイ黒岳駅
リフト終点
黒岳
北海岳手前
幻の湖
白雲岳
14:45
14:30
14:00
12:45
11:50
11:35
[4:15]
所要時間
[3:10]
15:15 ロープウェイ駅着
15:30 黒岳の湯(入浴)
20:00 音更道の駅(泊)

 例年、5月中旬から下旬に10日〜15日間ほどしか姿を現さないという大雪山の白雲岳「幻の湖」・・・メカニズムは、湖底となる表土が凍り、その上に雪解け水が流れ込んでできる湖・・・というよりは沼だが・・・。この湖底の氷が解けると水が抜けてしまうので消えてしまうらしい。

 昨年の5/21にもこれを狙ってやってきたが、異常に早い4/30に現れ、その時点ではすでに幻となっていた。市根井さんの大雪山写真ミュージアムへの表敬訪問だけで帰った。

 今年は、雪解けが異常に遅いので、好天に恵まれたこの日に掛けてやってきた。黒岳ロープウェイ駅で聞いたら、「意外と早い5/10ごろから現れているようです。数日前に行った人の話では見られたとのことです。もしかしたら小さくなっているかもしれませんが、まだ大丈夫だと思います。」とのことだった。期間的にやや不安もあったが、7:00発のロープウェイに乗った。同乗者は美幌のテレマーカーと3人と観光ツアー客。


 リフトは5月中は夏季営業切替作業のため動いていないので、5合目のロープウエイ黒岳駅からのスタートである3人の照れマーカーもスキーを担いであとから続いてきた(1)

 圧雪されたゲレンデの中を登っていく(2)リフト終点まで30分を要した。7合目からの黒岳への急斜面に備えてプラブーツにアイゼンを着ける。まずは、前日のトレースを参考に急斜面を直登する。徐々に方向を変えて、斜めにトラバースするようにマネキ岩方向へと登っていく(3)ときどき股までズボッと踏み抜くことがあるが、足がなかなか抜けなくて大変だった。



 5合目から1時間30分で、黒岳に到着。目は当然これから進む白雲岳とそこへ行き着くまでのルートを目で追う(4)黒岳からの下りは雪がなく、夏道が露出しているが、それ以降はほとんど雪を繋いで行けそうな感じだ。まだ雪に埋もれている黒岳小屋を右手に見て、夏道に沿って前日の物と思われるトレースを辿る。北海沢は完全に雪で覆われている。左の尾根の上の夏道の取り付きは判らなかったが、途中から夏道へと合流した。雪がなくて歩きづらいところもあり、北海沢をそのまま詰めた方が楽だと思った(5)


 夏道は北海岳のピークを通過しているが(6)、そちらへは向かわずに、左手の黒い岩山の縁を巻いて、まっすぐ白雲岳を目指した(7)途中で夏道に合流するが、白雲岳の東尾根を巻いて直接登っていく。



 「果たして、湖はあるか?」とドキドキしながら尾根の上に立った。目の前には、なんと、小さくなっているところか、「現実の湖」が満々と水を湛えて迎えてくれた。思わず万歳を叫んだ。その向こうにトムラウシ山も見えている。湖畔を観察すると、ここ数日の暖かさで周りの雪解け水が流れ込み、今年最大の状況のようだ。いつ底が抜けるか知れないが、今週末までは持ちそうな感じだ(8)


 白雲岳の上からも見下ろしたいので、湖畔の雪の上を辿り、頂上を目指す(9)。まずは、記念撮影(10)


 上から見下ろすと、夏にはグランドのように見える地形が実はこの湖の痕跡だと言うことが良く解る。右の雪渓が湖に崩れ落ちている状況からも、とりあえず、今年の中では最大の面積であろう(10)


 頂上の反対側には、何度も目にしている後旭岳〜旭岳〜熊ヶ岳とその手前斜面のストライブ模様(11)。南側には、高根ヶ原の向こうに忠別岳とその奥のトムラウシなど、この時期ならではの新鮮な眺めが広がる(12)


頂上から、再び湖畔に戻って昼食を摂り、大満足のうちに下山の途に就く。夏には何度も眺めている北海岳から続く尾根の上からは熊の後ろ姿のような黒岳と層雲峡を挟んで聳えるニセイカウシュッペの連なりも新鮮な眺めだ(13)。その稜線を越えてすぐに雪で埋まっている北海沢へ下って黒岳を目指す。振り返ると上空に飛行機雲が線を引いていた(14)

 時間的には、この時期でないと登れない凌雲岳へ寄ることも可能だったが、疲れもあるし、幻の湖をみた感動と満足感だけに止めておきたいのでそのまま黒岳へ戻った。黒岳からの下りは急なだけに速い・・・登りの半分の時間で滑るように下った。

 ロープウェイの係員に写真を見せて報告したら、「まだこんなに大きかったのですか、良かったですね。今年は意外と長く見れるかもしれませんね」と話していた。黒岳の湯に入っていたら、ユースホステル会員向けの雑誌の取材で、お願いされて入浴シーンを斜め後ろから写された。 


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