南八甲田・櫛ヶ峰(1516.5m)<青森県>
猿倉温泉旧道コース  単独  13,8,29
ヤブ潜りの連続で悪路のロングコースだったが、素晴らしい展望に救われた南八甲田最高峰「櫛ヶ峰」(8/29)(工事中)
5:00 酸ヶ湯公共駐車場発
登り
地 点
下り
5:20
6:35
7:55
9:35
猿倉温泉
矢櫃橋
駒ヶ峰分岐
頂上
13:50
12:30
11:20
 9:50
[4:15]
所要時間
[4:00]

14:00 猿倉温泉(入浴)
18:00 青森発(青函フェリー)
21:50 函館着

                         

3時間を越えてようやく対面できた櫛ヶ峰

 今回の山旅の最後の山は、南八甲田の最高峰櫛ヶ峰。観光地化して、俗化の感をまぬがれない北八甲田に対して、自然豊かで静かな玄人好みの山行が楽しめるとのこと。確かに、長年、登山道の刈り払いや枝払いなどは一切されてなくて、登山道も実に自然豊かでワイルドだった。猿倉温泉から旧道コースを往復した。実に長い悪路のコースだった。

 この登山道は、昭和8年、不況や凶作の時代に、経済活性化のため、県の公共事業として、猿倉温泉から十和田湖までの23.5キロの自動車道路が基本になっているらしい。しかし、わずか2年ほどで工事が終わってしまい、結局、1台の車も通ることなく放置されたままになった。

 事前の情報で、藪と悪路のロングコースは覚悟はしていた。前半はそれほどでもなかったが、後半は、登山道を覆う笹や木の枝や幹が顔の辺りでクロスしているので、それを手で除けたり、腰をかがめて歩いたりとストレスが大きい。藪漕ぎではなく、藪潜りの連続。ときおり現れる湿原で深呼吸をして、また、潜っていくといった感じの歩きが続く。


夜明け前の猿倉温泉を出発
 おまけに足元がぬかるんだり、水溜りがあったり、洗掘部分は非常に滑りやすかったりと悪路の連続。下を気にして歩いていると、斜めに伸びている木の幹に頭をぶつける。これほど木に頭をぶつけた山行はない。下に水溜りがあるところで、行きで、こめかみの辺りをしたたかぶつけた木の幹に、帰りも頭を強烈にぶつけた・・・悔ジイ!また、水溜りを避けようとしたが滑って、四つん這いの格好で水溜りの中に落ちた。カッパを着ていたので助かったが、悪戦苦闘の連続だった。一番快適に歩けたのは、3時間ほどして通過した黄瀬萢湿原の木道の上だった。急な登りは、最後の標高差150mくらいで、登ったというよりは辿り着いたという感じだった。

 しかし、頂上からの展望は全方位が見渡せるすばらしいものだった。眼下に色がる黄瀬萢湿原、津軽のシンボル岩木山、十和田湖の向こうに岩手山、北八甲田の山々、青森湾と青森市街地、一昨日登った戸来岳と十和利山などなど。

 帰路は、駒ヶ峰分岐から、駒ヶ峰〜猿倉岳経由で周回できる山道コースもあったが、強烈な笹藪らしいので、そのまま同じ道を下った。

 下山して、猿倉温泉に入る。ここのお湯が、前日入った十和田湖温泉郷の湯元となっているとのこと。9kmのパイプで源泉80℃のお湯を送っているらしい。数軒の大きなホテルもあったことから考えると、かなり多くの湯量が湧いているということだ。酸ヶ湯温泉で腹ごしらえをして、フェリーターミナルを目指した。18:00発、21:50着のフェリーが取れた。2週間ぶりに無事帰宅。


昭和8〜9年度に開鑿設されたが、幻に終わった
観光用自動車の痕跡が残る前半の登山道。
左側は石垣が積まれている

1時間ほどしてようやく目の前に開けた矢櫃萢・・・一面に咲くキンコウカ


最近架け替えられた矢櫃橋

朝日を水面に映す太平洋

黄瀬沼分岐にある沼


後半の湿原以外は、概ねこのような藪が続く。

黄瀬萢湿原の南側に2日前に登った戸来岳と十和利山


もっとも快適に歩けた木道の敷かれた黄瀬萢湿原と櫛ヶ峰。
この後のコル付近の藪と道が最悪だった

一面頂上まで続く花畑の斜面。花の季節にはきれいだろう。

悪戦苦闘の末に辿り着いた頂上からは、その苦労が報われる素晴らしい全方位の大展望が広がっていた・・・。

4時間15分の悪戦苦闘の末、ようやく辿り着いた頂上

津軽のシンボル岩木山と津軽平野


陸奥湾と青森市街地

北八甲田の山並み

草原の頂上斜面から見下ろす黄瀬萢湿原・・・後ろは乗鞍岳

湿原の右奥に佇む南八甲田最大の黄瀬沼をズームイン

十和田湖とその向こうの岩手山

下山後、酸ヶ湯公共駐車場から見えた櫛ヶ岳頂上



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