南峰下から尾白利加岳(奧徳富岳)を群別川本流越しに眺める
8:25 (南峰の岩峰下)
 コルから群別川本流越しに険しく聳える尾白利加岳(奧徳富岳)を眺めながら休憩(1)。さらにその南峰の崖を右から巻くようにして、やや下り、稜線の下の東側の急斜面をトラバースしながら、本峰の下を目指す(2)。あまりに急なトラバースに怖くなり、渡辺さんにステップを切ってもらいながら進む。50度を超えるような地点から這うようにして直登して、稜線のすぐ下を本峰のコルを目指す。
南峰稜線の東側をトラバースして奧の本峰を目指す 本峰の急斜面を幌天狗からやってきたと思われる3人が登って行く。その左側の尾白利加岳(奧徳富岳)から続く吊り尾根のコルから現れた2名がやはり本峰を目指しているのが目に入ってくる。コルからは休まずに一気に急斜面を登り切り、藪の中の頂上へ(3)・・・先の3名はもうすでに浜益岳目指して出立した後で、暑寒別岳下にに一泊したというご夫婦らしい2人連れがいるだけであった。
本峰下のコルから本峰をバックに
9:30 頂上着
 ついに昨年浜益岳から眺めて1年間温めて来た念願のあの鋭峰の上に立ったのである。快晴、展望見事・・・増毛山塊のすべて見渡せるのがうれしい。昨年登った浜益岳、その奧に雄冬岳(4)、向かい合うような暑寒別岳とその隣の南暑寒別岳、さらには隣に険しく聳える尾白利加岳(奧徳富岳)、そして、奇異な形で天を突く黄金岳などなど・・・・ 渡辺さんたちが設置したという立派な頂上標識を挟んで記念撮影をして腰を下ろす(5)。幌天狗の方を見ると蟻の行列のようなものが見える。双眼鏡で覗くと15名ほどの大パーティがこっちへ向かっている。ポカポカ陽気の中、昼食を摂っていると、暑寒別岳の方から5人がやはり向かって来るのが見える。
昨年の登った反対方向の浜益岳や雄冬岳を望む この5名が到着し、まもなく、幌川から7時間も掛かったという単独行の男性が到着。みんないろいろ苦労をして登って来ている中で私たちが一番楽なルートであった。意外とこのルートは知られていないらしく、みんな「そんなに簡単に日帰りできるルートがあったなんて・・・」と話していた。
 ポカポカ陽気に、私にしては珍しく1時間50分も休憩して、幌天狗から頂上に向かっていた15名ほどの大パーティの到着を確認できないうち下山を開始する。
頂上にて渡辺さんと
11:20 (頂上発)
  渡辺さんが、「時間の余裕があるので、少し遠回りになるが、尾白利加(奧徳富)との吊り尾根をコルまで下りてみませんか?」とのこと。私も暑寒別から眺めたあの吊り尾根のコルに立ってみたいと思い喜んで同意し、急斜面を滑るように下る。振り返ると、5名のグループも下ってくる(6)。
尾白利加岳コルから頂上を見上げる
11:50 (尾白利加とのコル) 
 尾白利加(奧徳富)への稜線沿いは両側が鋭く切れ上がってとても登れる状態ではない。群別川本流の増田の沢分岐付近から楽取り付ける尾根からが楽勝ルートだそうである・・・いつかは?と思いながら渡辺さんの説明を聞く。 5名がそのコルから暑寒別目指してもどって行くのを見送って、そこから群別川本流の源頭部分を巻くようにしてトラバースして、南峰と1079のコルを目指す
増田の沢へ下りる斜面から頂上を振り返る
12:30 (南峰と1079のコル)
 帰りは滝のそばに下りないで、熊ノ平から増田の沢に下りた地点目指して斜めに下る。ときに、尻滑りを楽しんだりしながら・・・・頂上を振り返りながら・・・・・(7)。

12:55 (増田の沢)
 ここから、熊ノ平に登り、向こう端に連なっている雪庇を目指して進むが、登りで目にしたピンクのテープが見あたらない・・・・そのまま端まで進むが、登りで雪庇を下りた地点が見あたらない。渡辺さんは「もっと下の方だった」というが、まず雪庇に登って見て、その上を下って行くと下の方にテープの付いた木があり、200m〜300mほど右上の方に進んでいたことが判明。(これは、渡辺さんも以前に経験したそうで、よく間違うパターンだそうである。ここだけが要注意地点である。

 あとは、のんびり来た道を辿るだけであるが、自分たちの足跡はすでに溶けてしまいなくなっている。徒渉地点も幅が心なしか広がっているようである。溶けて歩き辛くなった林道を、ギョウジャニンニクを探しながら、のんびり下り、10時間強のすばらしい山行に終止符を打つ。

15:30 (浜益温泉入浴)
 その後、二人で浜益温泉へ向かう。彼から村民用の回数券をいただき、彼も経験したことのないと言うものすごい混んでいる温泉に浸かり、ビールをご馳走になる。酔いを醒ましながらお喋りをした後、彼が帰って行く。私はもう一度温泉に入り、酔いを完全に醒ましてから、明日の阿女鱒岳登山に備えて、夜道を赤井川村へ向かう。

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