熊野古道9日目(小辺路)・大股〜水ヶ峰〜高野山<17km>
 単独 2014、5.28
 
7:20 民宿かわらぎ荘
(車で送ってもらう)
時刻
地点
 7:30
 8:30
10:00
11:05
12:25
13:30
大股バス停
平辻
水ケ峰集落跡
大滝集落
薄峠
千手院前
[6:00]所要時間
14:20 高野山ゲストハウス(泊)
15:00〜17:00 高野山散策

 いよいよこのたびの熊野古道(中辺路〜小辺路)のラストウォークの17kmである。 今日も1150mの水ヶ峰と980mの薄峠を越えなくてはならない。二つ登りの標高差の合計が900mほどと、小辺路に入って4日連続同じような登山モードが続いた。昔の人は凄いと改めて思わされた。

昨日の15時頃から降り続いた強い雨も、朝には上がった。7:30、宿の車で昨日との古道の接続点となる大股バス停まで送ってもらった。ここからスタート(1)。 県道から古道の入口へ取り付く(2)一気につづら折りの急登が続く。

 1時間ほどで、舗装された広い林道タイノ原線に出る。ここが平辻(3)。そばに道標地蔵が立ち、本宮までの距離を14里半と書いてある。自分が歩いてきた小辺路の距離だ(4)
 そこから4kmほどは一部を除き、林道歩きが続く。林道造成で消えてしまったらしい。標識に注意して歩かないと突然古道への分岐がある(5)


 古道の途中から、右側にこれから越さなければならない水ヶ峰のピークが見える。その稜線伝いの左側にタワーの建つ三百名山巡りで登った護摩壇山が見える(6)
 再び、舗装された林道歩きが続く。その先で割れた標識の矢印が判らなかったので、そのまま10分ほど林道を進んでしまった。間違いに気づいて戻って右の古道へと入った(7)


 やがて、防風林だった杉の大木が見えてくる。みだり側には墓標や石垣が残る。ここが、標高1150mにある水ヶ峰集落跡だ(8)北海道では考えられない標高の集落である。明治の中頃まで、8軒もの宿があり、非常に賑わったそうだ。 今日の最高地点の水ヶ峰を越えると標高差450m下って、薄峠への300mの登り返しとなる。 

 その下りの途中に小さな大滝集落がある(9)。3日振りに携帯が繋がった。幸い東屋とトイレがあったので、休憩して、溜まっていた2日分のブログを送信した。


 さらに下って、御殿川の橋を渡って薄峠への登りに掛かる。登り返しててすぐに墓標が並んでいた(10)。何だろうと思ったら、その先には大滝集落と対峙する集落跡の遺構が残っていた(11)


その上には、「是よりかうや山エ四十丁 くまの本宮エ十七り」と刻まれた丁石道標が佇み、弘法大師坐像が浮き彫りにされている(12)
やがて、登り切ったところが薄峠である(13)。ここまで来るとゴールの高野山は近い。


 あとは平坦な道を高野山目指して進む。道端には北海道では見られない名称不明のツツジが彩りを添えている(14)
 やがて、大滝口へ到着(15)明治5年まで女人禁制だった高野山には、山への入口となる高野七口を繋いで周遊する女人道が設けられていた。大滝口はその一つである。


 ろくろ峠を越えて林道を下り、右へ続く道を進むと、高野山にある117の寺院の内、熊野古道に最も近い金剛三昧院である。ここはシャクナゲで有名な寺院であるが、花はもうすでに終わっていた(16)。建暦元年(1211年)、北条政子の発願により源頼朝菩提のために禅定院として創建された境内の多宝塔は国宝に指定されている日本で2番目に古い多宝塔である(17)

 13:30、ちょうど6時間で、メイン通りの千手院前バス停に出た。ここを今日のゴールとした。まずは、バスに乗り、奥の院前の宿へ向かった。バスの中は外国人ばかりで、運転手も英語ペラペラだった。


 今日の宿高野山ゲストハウスへ到着(18)。昨年オープンしたばかりという今まで見たことのない中央両側に上下2段の小さな個室が並ぶアメリカンスタイル?の快適なカプセルホテルのような感じだった(19)
 一人で寝るには十分な広さで非常に落ち着く感じ。特に寝具が素晴らしく、寝心地は最高だった。だだし、初めから外国人を対象にした宿のようで、泊まり客のほとんどは外国人ばかり。表示も英語ばかりだった。しかし、3800円という値段がうれしい。ほかの宿泊施設は宿坊ばかりで1万円以上する。

○高野山散策

高野山は3回目だが、泊まるのは初めてだ。シャワーを浴びて、着替えをして、散策にスタート。まずは、宿の近くの奥の院へ向かう(20)


 弘法大師御廟がある奥の院はこの橋から先は撮影禁止である(21)。杉の巨木の中の奥の院への両側には50万基以上の墓が並ぶという。全国の大名の墓がほとんどあるという。そのほとんどは巨大なものばかり(22)


 この高野山には117の寺院があるという。それらの前を通りながら、高野山真言宗 総本山金剛峯寺へ(23)目が 眩みそうな朱色の根本大塔が建つ壇上伽藍は(24)、空海がおられる奥之院と並んで、高野山の中で最も神聖 な場所。空海が高野山を開創するにあたり、この塔を真言密教の根本道場とした。


 きらびやかな寺院が目立つ中で、しっとりと落ち着いた西塔(25)。 苅萱道心と石道丸父子の話で有名な苅萱堂(26)

 2時間ほど、主だった寺院だけあちこち見て歩いたが、とても廻り切れる広さではない。宿に戻って、お薦めの店で夕食タイムとした。生ビール3杯も飲んだら、ブログを打つのが大儀になり、早々と寝床に就いた。


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