熊泊山(817.9m) <函館市/鹿部町> 
黒羽尻林道・北東尾根ルート  3名 アルミかんじき 07,1,13

             工事のために、北東尾根末端付近の先まで除雪されていて、覚悟していた長い林道歩きもなく、あっさり登頂。

6:10 函館発
7:10 旧南茅部町・黒羽尻林道入口
7:30 C450付近(車デポ)
    (入口から6.8km地点)    
登山
地  点
下山
 7:50
 9:15
 9:40
10:05
車デポ地点
C720肩
780ピーク
頂 上
11:25
10:55
10:45
10:30
[2:15]所要時間[0:55]
12:30 大船温泉・ひろめ荘(入浴)
15:00 帰宅

GPSトラックログ
 この山は、横津連峰の太平洋側に位置し、(鹿部)丸山と泣面山の間に聳える800m超峰で、函館市(旧南茅部町)と鹿部町の境界線上にピークがある山である。山名の由来は、1906年の臼尻村と熊泊村が合併するまでの地名に因るものであろう。その合併後は熊泊という地名はこの山にだけ残り、大船という地名に変わったらしい。

 昨年の3月に(鹿部)丸山から眺めた姿が忘れられずに(1)、今年の積雪期の計画に加えていた。例年はXCスキーモードの時期であるが、積雪不足でそれもできず、1/3の檜倉岳に同行したSHOさんとTaさんを誘って、今回のアルミかんじき山行となった。

 前日に、地元の知人に、黒羽尻支流沿いに続く黒羽尻林道の除雪されているはずのリサイクルセンターのさらに先の林道情報を問い合わせると、「奥の方で工事をしているらしく、ダンプカーが行き来しているので、かなり奥まで除雪がされているはず」とのうれしい答えである。リサイクルセンターから4.5kmもの林道歩きを覚悟していたが、結果的に地図上にはない林道も除雪されていて、取り付く北東尾根の末端近くまで入ることができたのにはびっくりした。(帰宅後に調べたら、磯谷川第二発電所磯谷川温泉線道路改良工事のためらしい)

 鹿部経由で向かい、国道278号線の黒羽尻林道入口から6.8km入った北東尾根末端付近の林道分岐に車をデポし(2)そこからアルミかんじきを着けてスタートする。直ぐそばに磯谷川発電所からの送電線が通っているので、その下を50mほど進み、方向を左に変えて北東尾根の末端を目指す。
 
 C550付近が尾根の末端で、クニック状に一気に斜度を増す。一歩一歩ステップを利かせながらラッセルし、尾根のピークを目指して直登する。最大斜度は45度以上もあり、足元が崩れてずれ落ちることもたびたびある。ラッセルを交代しながら、緩むことのない我慢の急登で高度を稼ぐ。

 標高差150mを登り詰め、斜度が少し緩むと、今度は灌木が非常に濃密になり、藪漕ぎ状態ですんなりと歩くことが出来ない(3)

 1時間25分ほどで、ようやく尾根のピークであるC720付近の平坦な稜線に乗る。左手に泣面山、万畳敷を挟んでいびつな形の三森山が見える。その先の稜線はところどころ密度の濃い灌木に行く手を挟まれ、すんなりと歩けないところもある。

 側から境界線尾根が合流する780ピークに立つと、すっきりした稜線の先に頂上が見える(4)。頂上が近くなると、うれしいことに先に青空が広がってくる。陽光に輝くダケカンバの樹氷が美しい(5)

 覚悟の長い林道歩きもなく、わずか2時間15分で、頂上に立つ。雪庇もわずかながら発達している。袴腰岳と烏帽子岳をバックに記念写真を撮る(6)。その右には、昨年の3月に登った(鹿部)丸山が低い雲の中から頭を出してくれる(7)。しかし、その間の奥に見えるはずの横津岳山頂は雲の中に隠れたままであった。

 南の方には泣面山と万畳敷(8)、その右側にはいびつな形の三森山も見えている(9)。それらの展望を楽しみながら30分ほど休むが、無風で寒くないのがうれしい。太平洋側の展望はなかったが、この時期、これくらいの天候は恵まれていると思わなければ贅沢である。

 下山は、ラッセルの必要もなく、登り返しもないので、快調に下ることができる。特に、登りで一歩一歩ステップを切りながらもずり落ちたりして1時間25分を要した北東尾根の下りは、雪崩落ちるような感じで、わずか1/3の30分で下った。下山しても、まだ12時前というのがうれしい。Taさんは往復20km以上の歩きを覚悟してきたと言う。

 

 410林道分岐からは、急登の北東尾根と山の全容を望むことが出来た(10)熊泊山という名前の通り、熊の多い山域であるのは知っていた。朝はほとんど気にならなかったが、帰りの林道には冬眠しているはずの熊の足跡がずっと続いているのには驚いた。除雪されていない林道にも、はっきりとその跡が続いていた(11)

 時間的余裕もたっぷりあるので、帰りは大船温泉・ひろめ荘で入浴する。山で食べ損なった昼食を摂ってのんびりし、川汲峠経由で帰宅する。

 積雪期の山は、長い林道歩きが当たり前なのだが、思いがけない省エネ登山に感謝!感謝!である。

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