喜登牛山(1312m)    チセウェンベツ林道コース  単独 04,8,23

林道途中から沢地形に取り付いたと思ったら、直ぐに現れた比較的新しいと思われる荒れた伐採道跡を辿り、わずか45分で頂上感のまったくない一等三角点の山へ

10:15 チセウェンベツ林道入口
登山
地点
下山
10:45
11:30
車デポ地点(1060m
頂   上(1312m)
12:25
11:45
[0:45]所要時間[0:40]
14:00 士幌高原・ヌプカの里
14:45 音更・鳳の舞(入浴)
15:30 音更着

この山は、陸別町と足寄町の境界線上にある然別火山群頭部の代表的な山で、溶岩台地状の火山と考えられている。この前に登った東三国山とともに、国土地理院の「日本の山岳標高1003」に選ばれている山であり、その中間に登山道のある北稜岳が位置している。

 山名は、キトウシ(アイヌ語で「ギョウジャニンクの多いところ」)に由来するらしい。

 一等三角点の山であるが、登山道はなく、頂上近くの1100m地点を通過しているチセウェンベツ林道からアプローチし、頂上まで続く伐採道跡を繋いで登ることができるらしい。この山へのアプローチは、喜登牛山と同じく、昨秋10月に登っている『地図がガイドの山歩き』と同行している『山の時計』の記録を参考にさせていただいた。

 同じ山塊の北側の東三国山を下山し、幌加美利別林道を戻り、その途中(道々88号線本別留辺蘂線の入口から4.7km地点)からチセウェンベツ林道へ入る。地図上の川の名前はチセンベツ沢となっているがこれは間違いらしい。この林道も、非常に整備が行き届き快適に走ることのできる林道である。昨秋、林道が崩壊していていたために、『地図がガイドの山歩き』チームが沢に取り付いた地点から先もしっかりと修復され、ずっと奥まで進むことができる。

 林道分岐から10kmほど進み、彼等が横切ったと思われる沢を通過する地点まで来ると、そこには赤いテープがぶら下がっている。どうやら、ここが取り付き地点らしい。標高差がわずか250mの地点である。そこは大きく斜面が崩壊している地点で、その右側の小さな沢地形にテープと踏み跡が付いている(1)。

 その小さな沢地形をわずか20mも登ったら、雨で土砂が流されて荒れた比較的新しいと思われる伐採道跡に出る。その右側の先にずっと赤いテープがぶら下がっている。この山は一等三角点の山でもあるので、そのマニアの人たちを中心に結構多くの人に登られているようである。その道は、方向的に頂上の方向とは直角に西側に進むので、『地図がガイドの山歩き』チームはその地点から頂上の方向を狙って藪に入り、その後に現れる古い伐採道跡と藪を繋いだらしいが、この山の藪は針葉樹林の中に灌木が密生する藪であり、とても見通しの利かない中へ一人では潜り込む気がしないので、この赤いテープを頼りにそのまま進むことにする。

 その道は、どんどん頂上方向とは離れていくので、途中から頂上方向へ繋がる古い伐採道跡を辿ると、再びテープのぶら下がる先ほどの伐採道跡から続いていると思われるやはり雨水による崩壊で荒れた道へ出る。振り返ると、クマネシリ岳と南クマネシリ岳とその奥に表大雪の山が見える(3)。

 その荒れた道は、GPSに入れてある頂上の方向へまっすぐ向かっているので、ぶら下がっているテープを信じて、そのままどんどん進んでいく。その崩壊の進んだ道が伐採道の幹線らしく、その左右に草の生えた古い伐採道跡が入り乱れている。それにしても、ブルで強引に付けたと思われる道は整備しないと豪雨や雪解け水で掘られ、これほど崩壊するものであろうかと思うほどの酷い道である。

 1300mを越え、頂上が近くなると、そのブル道は頂上へ向かって南へ方向を変える。その道は作られてそれほど年数が経っていないらしく刈り払われた枯れ枝が踏みつけられた道となる(4)。その先に樹林が切り開かれた広いところが見える。どうやら高度からしてもそこが頂上らしい。そのまま進んでいくと、その10mほど前で道は終わり、その先の明るい平坦な笹薮の中に踏み跡が続く。それを辿ると、笹が刈り払われて、一等三角点の標石と新しい標柱、そしてその周りに測量に使われたと思われる木杭の設置された頂上へ到着である(5)。藪漕ぎも覚悟の挑戦であったが、藪も被っていない伐採道跡を辿るだけでわずか45分での到着である。

 頂上は広く樹木が刈り払われた明るいところであるが、頂上感もなく、その周りは樹林で囲まれ、展望がまったくないところである(6)。15分ほど休憩し、同じ道を戻ることにする。

 どこまでも同じように崩壊が進む道に付けられたテープを頼りに、どんどん下っていくと、うっかりショートカットした道の分岐を通り過ぎている。時間的余裕もあるので、多分、下の方でもとの道に繋がるはずと、ダメなら戻ろうと思い、そのまま下っていく。すると、明るく開けた広い土場跡に出る。そのそばを整備された林道が通っている。この林道は多分車をデポした先の林道と繋がっているに違いない。であれば、ここからが、この山のもっと近いルートということになる。下山したら確かめてみようと思って、その土場跡から方向を自分が登りで辿った道の方向へUターンするように付けられた道を進む。GPSのトラックログを見ても間違いなく、かなり遠回りとなるが、登りのショートカットした分岐を通過するはずのテープの付けられた道である。
 
 案の定、ショートカットした道の分岐へ続いている。ここも十字路になっていて、そのまま進んでしまいそうであるが、赤いテープを頼りに左へ進む。やがて、取り付いた小さな沢の上へ出る。そこを下ると車が見える。

 着替えをし、昼食を摂り、もっと近い確かなルートを確認するために、林道の先をさらに奥へ進んでみる。最近整備されたらしい非常に快適な林道である。尾根を巻くようにして方向を変えて1.5km走ると、案の定、下りで見た広い土場跡へ出る。ここからも登っている人たちがいるらしい。そこから右側のテープの付いた伐採道跡が自分が下山してきた道であり、左側が自分がもとの道へ戻った道である。ここらか取り付くと、迷うことなく、まっすぐ頂上まで35分ほどで登れるはずである。GPSトラックログ参照 

 下山して、帰路、上士幌に向かう途中から、今日登ったゆったりとした東三国山と喜登牛山の山塊を眺めながら車を走らせる(7)。

この前に登った「東三国山」へ


 「北海道山紀行」目次へ  HOMEへ

inserted by FC2 system