ヌカビラ岳(1808m)[90]北戸蔦別岳(1912m)←→1967m峰
戸蔦別岳A〜七つ沼カール(泊)
   [千露呂川・二岐沢コース]  97、7、20( 日)〜21(月)

北日高の花の稜線を歩き、念願の七つ沼カールで一夜の夢を結ぶ。

[7/19]             [7/21]
12:50 自宅発着(函館)     21:15
16:10 千歳             16:30
19:30 日高(営林署で鍵の借返 13:40
20:15 二岐沢林道途中(車中泊) ↑
[7/20]
登山
     地   点
[7/21]
下山
4:20
5:05
5:35
6:35
7:20
8:35
9:15

9:30
11:20

14:10
15:20
16:10
登山口(二岐沢出合)
取水ダム
二の沢出合
尾根取付き
トッタの泉
ヌカビラ岳
(着北戸蔦別岳発)

(発)北戸蔦別岳(着)
(着)1967峰   (発)

(発)北戸蔦別岳(着)
戸蔦別岳
七ツ沼カール(泊)








13:40
12:00



12:25
11:40
11:10
10:15
 9:15
 8:30
 8:00
 



 7:45
 6:30
 5:40
[11:50]    所要時間[6:45]
 この土曜日と2連休のチャンスは、梅沢俊氏の「北海道百名山」の中で未踏の北戸蔦別岳登頂と北日高の山から眺める度に気 になっていた鋭鋒・日高第3峰である1967m峰までのピストン、そして、七つ沼カールでの一夜を過ごすことを目的として計画を立て ていたが、素晴らしい天候に恵まれ、今ま さに花のピークを迎えた最高の日高山行で あった。
 
 土曜日、退勤後、札幌へ行く妻と千歳で別れ、 登山口のある日高町へ向かう。 日高営林署で依頼しておいた林道の鍵を借り、買い物をし、車で夜を明かすためにキャンプ場へ向かう。ところが、「樹魂ま つり」のイベントの真っ最中である。それ なら登山口へと、国道を日勝峠の方へ向い、千栄市街地の千露呂川の橋の手前から川沿いの二岐沢林道へと入るが、夜道でもあり、途中の舗装が切れる手前の牧草地の脇で夜を明かす。満月の物凄い月明りの夜で、明日の天候が期待できるも、眠ったのは4時間程。

 1時ごろに目覚め、眠られず、3時半に登山口を目指して、時々エゾシカの甲高い鳴き声が響く林道を奥に入る。登山口には車が7台、テントで夜を明かしたらしいグループが一組。

◎まず北戸蔦別岳を目指す
 二の沢からヌカビラ岳を仰ぐ予定より10分早い4時20分、登山口をスタート。天候に心配のない2日間の山行に心踊り、久し振りの縦走装備で重いリュックでの取水ダムまでの長い林道歩きも苦にならない。それでも、そこまで入ってきている車2台を見ると羨ましい。 ダムからは旧い林道跡を進むが、道を覆っている草の朝露でズボンがしっかりと濡れて終う。暑くなりそうなので、それも心地好い。表面に見える稜線からの太陽が眩しい。

 5時35分、二の沢出合いに到着。まず、ストックを用意し、二の沢を渡渉する。このストック、岩を伝い渡るときや渡渉のときにバランスをとるのにすこぶる便利である。その後、二の沢沿いの踏み跡を辿ることになるが、暫くは、こんな所までと思うほどの旧い林道跡が続く。ようやく純粋な沢沿いの踏み跡になり、赤い布切れに導かれ、何度も岩の上を伝う渡渉を繰り返しながら登って行く。気温がかなり高いらしく、沢の中でも、汗が滴り落ちる。眼鏡のレンズに落ちた汗を拭いた途端、右レンズが外れて流れの中に消えてしまう。それ程不自由もないので諦め、眼鏡を外して進む。
トッタの泉
 6時35分、頭上に稜線が迫り、小さな滝が何段にも続く地点から、右手の急斜面に取り付く二の沢の表面にヌカビラ岳と思われる峰が見える(1)。ここから、そのヌカビラ岳までの2時間がきつい。単調で展望のない林の中の直登やジグザク、そしてトラバース気味の急登が続く。おまけに、頭より高いザックが木の枝や幹にひっかかり実に歩き辛い。中間地点手前の「トッタの泉」(2)だけが唯一の楽しみである。そこで、冷たい水をのみ、ゆっくり休む。振り返ると、まず、チロロ岳西峰が見え、高度を上げて行くに連れて本峰も姿を現す。
ヌカビラ岳から幌尻を望む
  じっと我慢の子を続け、ダケカンバも疎らになるころ、ようやく左手頭上に、ちょうど太陽が頂上の上から顔を出し、逆光の中に、チロロ岳西峰と似たうすい茶褐色の奇岩が林立するヌカビラ岳が見えてくる。やがて、ハイマツの中に林立する奇岩の下に出、その間を潜るようにして登る。岩影にオオイワツメクサやミヤマオダマキの花も目に付くようになる。

  ハイマツの稜線に出ると、まず、目に飛び込んで来たのが北カールを抱いた雄大な幌尻岳である(3)。少し登ると、戸蔦別岳の鋭峰、やはり奇岩を林立させた1881峰、これから目指す北戸蔦別岳、そして、1967m峰へと続く北日高の稜線が望まれる。小さな緩やかなピークを越えると、三角点だけが目印のヌカビラ岳山頂である。ゆっくりこれから辿る峰々を眺め、稜線上に続く北戸蔦別岳を目指す。
北戸蔦別カール底とチロロ岳
 緩やかな稜線をハイマツとウラジロナナカマドの藪を潜ると今まさにピークといった感じのお花畑が現れるといった繰り返しと展望を楽しみながら進む。途中、テントがひと張り、中は空である。その直ぐ上で、下りてくる同年代の男性と行き合う。二の沢沿いにテントを張ってあった人である。
北戸蔦別カール斜面の花畑
 いよいよ北戸蔦別カールの上に出る。カールの向こうにはチロロ岳の本峰と西峰が見える(4)カールの斜面は見渡す限り一面花真っ盛りである(5)。ここまでのお花畑もそうであるが、エゾノツガザクラ、アオノツガザクラ、チングルマ、チシマフウロ、エゾツツジ、コバイケイソウ、シラネニンジン、ウサギギク、シナノキンバイ、ナガバキタアザミ、コケモモ、エゾシオガマ、ヨツバシオガママ、ミヤマリンドウ、ハクサンチドリ、エゾヒメクワガタ、イワヒゲ、イソツツジ、エゾハクサンイチゲ、アズマギク・・・・・おもだった花はすべてといった感じである。中に、やや花の形が細長い感じの真っ白のツガザクラの群生を発見。直ぐ側に赤いエゾノツガザクラと黄緑色のアオノツガザクラもあるだけに、その違いは一目瞭然である。名前はないのであろうか(6)
真っ白なツガザクラ
 そんな花を楽しみ、ハイマツの急斜面を登り、誰もいない北戸蔦別岳頂上に出る。登山口から約5時間の予想を越えたきつい行程である。風を避け、岩の影に陣取り、Bカールから眼下に続く戸蔦別川流域とそれを囲んで連なる北日高の山々を眺めながら、腹拵えをし、15分休憩。


つづく ◎「日高第3峰・1967峰をピストンする」へ

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